趣味の漢詩と日本文学

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May 11, 2008
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カテゴリ: 漢詩・漢文
入桂渚次砂牛穴(一本有石字) 劉長卿
扁舟傍歸路、日暮瀟湘深。
湘水清見底、楚雲淡無心。
片帆落(一作遵)桂渚、獨夜依楓林。
楓林月出猿聲苦、桂渚天寒桂花吐。
此中無處不堪愁、江客相看涙如雨。
【韻字】深・心・林(平声、侵韻)。苦・吐・雨(上声、虞韻)。
【訓読文】
桂渚に入り、砂牛穴に次(やど)る。(一本「石」の字有り)

湘水清らかにして底を見、楚雲淡くして心無し。
片帆桂渚に落ち(一に「遵」に作る)、独夜楓林に依る。
楓林月出でて猿声苦しび、桂渚天寒くして桂花を吐く。
此中処として愁へに堪へざる無く、江客相看て涙雨のごとし。
【注】
○扁舟 小舟。
○瀟湘 瀟水と湘水。合流して洞庭湖に注ぐ。
○楓林 かえでの林。
【訳】
小舟に乗って帰路つけば、瀟湘深く日は暮れる。
湘水清く底見えて、楚雲は淡く空に浮く。

楓林月に猿さけび、桂渚は寒く桂花咲く。
此の地の景物なにもかも愁い催す物ばかり、川ゆく我は堪えかねて袖をばぬらす涙雨。





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Last updated  May 11, 2008 07:36:14 PM
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