趣味の漢詩と日本文学

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September 22, 2008
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カテゴリ: 漢詩・漢文
 送裴二十端公使嶺南 劉長卿
蒼梧萬里路、空見白雲來。
遠國知何在、憐君去未迴。
桂林無葉落(一作落葉)、梅嶺自花開。
陸賈千年後、誰看朝漢臺。
【韻字】来・迴・開・台(平声、灰韻)。
【訓読文】
裴二十端公の嶺南に使ひするを送る。
蒼梧万里の路、空しく見る白雲の来たるを。

桂林葉の落つる無く(一に「落葉」に作る)、梅嶺自から花開く。
陸賈千年の後、誰か看ん朝漢台。
【注】
○裴二十端公 未詳。
○嶺南 湖南・広東の境にある五嶺の南。広東・広西チワン族自治区。
○蒼梧 唐の嶺南道の郡の名。乾元元年(七五八)復た蒼梧と為す。治所は蒼梧県に在り。即
ち今の広西省梧州市。
○白雲来。 『芸文類聚』巻一《雲》「『帰蔵』白雲の蒼梧より出で、大梁に入る有り」。
○桂林 秦の郡の名。いまの広西および広東西南部一帯。
○陸賈 漢の初めの弁舌家。かつて二度、南越に使者として赴き、尉佗を諭して漢に帰せしめ、太中大夫を授けられた。
○朝漢台 故址は広州にあり。『輿地紀勝』《広南東路広州》「朝漢台は城の西五里に在り。……『南越史』に、昔、尉佗みづから南越王と称す。漢、陸賈をして労問し、因つて説きて以つて漢に帰せしむ。佗、賈を留むること数月、台を為りて以つて飲す。後に正朔に遇ひ、此に遇ひて北のかたに向ひて朝す。因つて以つて之に名づく」。

裴二十端公が嶺南に使者として行くのを見送る。
蒼梧はここより一万里、白雲のみぞ飛び来たる。
遠国いったいどこじゃやら、君は未だにもどりこぬ。
桂林の地は秋もなく木の葉も散らぬ土地と聞く、梅嶺までは春来れば自ずと花を開かせる。
陸賈没してはや千年、誰が看るやら朝漢台。





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Last updated  September 22, 2008 07:22:03 PM
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