趣味の漢詩と日本文学

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March 8, 2009
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カテゴリ: 漢詩・漢文
舊客田園廢、初官印綬輕。
榛蕪上國路、苔蘚北山楹。
懶慢羞趨府、驅馳憶退耕。
榴花無暇醉、蓬髮帶愁■(「榮」の「木」を「糸」に換えた字。エイ)。
【韻字】軽・楹・耕・■(エイ)。(庚韻)。
【訓読文】
旧客田園廢(すた)れ、初官印綬軽し。
榛蕪上国の路、苔蘚北山の楹。
懶慢趨府を羞ぢ、駆馳退耕を憶ふ。

【注】
○廢 すたれる。《帰去来辞》「帰りなんいざ、田園まさに蕪れんとす」。
○印綬 役人の印のひも。
○榛蕪 雑草が生い茂る。
○上国 王都に近い諸国。
○苔蘚 コケ。
○北山の楹(はしら)。「北山」は、『詩経』小雅の篇名。生涯、役人生活に追われて父母を養うまが無いことを嘆く。
○懶慢 なまけおこたる。
○羞趨府 子が父から教育を受ける。孔子の子の鯉が、庭で孔子の前をよこぎったとき、『詩』や『礼』を学べと教訓された故事。
○駆馳 あくせく働くこと。
○退耕 引退して農耕生活を送る。

○蓬髮 ボサボサにのびた髪。
【訳】
久しく故郷へ帰らねば田畑はさぞや荒れていよう、官位についたまでよいが印綬は軽く薄給じゃ。
みやこへ向かうその道にゃは雑草しげり荒れ放題、父母いる故郷をあとにして実家の柱にゃ苔がむす。
怠けおこたり教養を身につけざりし日々を悔い、忙殺されるあこがれは田舎でのんびり野良仕事。







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Last updated  March 8, 2009 07:58:25 PM
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