趣味の漢詩と日本文学

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March 15, 2009
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カテゴリ: 漢詩・漢文
地僻方言異、身微俗慮(一作累)并。
家憐雙鯉斷、才愧小鱗烹。
滄海今猶滯、青陽歳又更。
洲香生杜若、谿煖(一作遠)戲鵁■(「青」の右に「鳥」。セイ)。
【韻字】并・烹・更・■(セイ)。(平声、庚韻)。
【訓読文】
地は僻にして方言異なり、身は微にして俗慮(一に「累」に作る)并(あは)せたり。
家は憐ぶ双鯉の断ゆるを、才は愧づ小鱗を烹るに。
滄海今猶ほ滞り、青陽歳又更(あらた)まる。

【注】
○僻 中央から遠く隔たったようす。
○微 いやしい。地位が低い。
○俗慮 立身出世の欲のことであろう。
○双鯉 手紙。むかし、遠方から訪ねてきた客が置いていった二匹の鯉の腹から手紙が出てきた故事にもとづく。
○小鱗烹 小魚を煮る時にあまり手を加えると煮崩れてしまうところから、政治を行うにもあまり人為を加えすぎないようにするのがよい、というたとえ。『老子』《六十》「国を治むるは小鮮を烹るがごとし」。
○滄海 大海原。
○青陽 春の別名。
○杜若 ヤブミョウガ。『楚辞』《九歌・湘夫人》「汀洲に杜若をとり、まさにもって遠き者に遺(おく)らんとす。
○鵁■(セイ) あたまに冠毛があり足が長い水鳥。ゴイサギ。
【訳】

お里の便り絶えはてて、政治手腕もさほど無し。
海原故郷を隔てつつ、歳また過ぎて春となる。
中洲に香るはヤブミョウガ、渓川遊ぶはゴイサギじゃ。






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Last updated  March 15, 2009 06:02:28 AM
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