潤風満帆☆ごきげん号!!
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息子と2人で 電車の優先座席に座っていたら 空いていた私の右隣に 女性がやってきて 腰掛けるなり小声で 『あの…ダドウハイラレテマス?』 正確には違ったかもしれないし その前に「大変失礼ですが」 とか おっしゃったかもしれないのだけど、 60代… 半ばか後半かな? 身奇麗な観光客風… コロコロかばんを持っておられたから 一見そう思ったのだけど、 そう声をかけられました。 数秒置いて 「ダドウ」が「多動」であり 息子のことを聞いておられるのだとわかりました。 即座に「悪い人ではなさそう」 「息子に興味があるらしい」 「おそらく障がいにも興味が」 と察したので、 笑顔で「いえ、そんなに多動は おかげさまで入ってないんですが…」 なぜ「おかげさまで」なんて 言ってしまったのか 咄嗟のことだったのだけど 哀れまれてるのかな?とどこかで 思ったのかも。 その返事を聞いた女性は どうやらお孫さんが 結構大変な多動もあり 言葉も話せない男の子らしく、 離れたところから 私の息子を見ておられたようで 駅の名前を言ったり おとなしく座席に座ってるのを 羨ましいように思いながらも おそらく親近感も湧かれたのかもしれないですね。 先に降りることになる 私達が降車するまで10分もなかったのですが 結構お互い小声でいろいろ話しました。 お孫さんは10歳とのことで、 身体も少しずつ大きくなる頃で 親御さんも扱いが更に 体力的にも大変になる頃。 うちの息子だって 小さい頃は散歩に連れて出ても 躾の出来てない犬みたいだったし もう少し大きくなっても 電車やバスに連れて乗るのは至難の技。 公共の建物が苦手で 児童相談所や病院や 娘の通う小学校にさえ入れず 七転八倒され大変だったんです。 多動とは言われたことなかったけど 十分に多動でしたよ。 言葉もたくさん知ってはいても 話せなかったし使えなかったし。 あの頃はもうお先真っ暗というか 息子が成長した姿なんか 想像もつかないし ゆっくり想像したり妄想する余裕も 全くなかったんですよ。 良いようにも悪いようにも。 その時その時でいっぱいいっぱいで。 逃げたいとも放り出したいとも 正直何度思ったかわかりません。 だけど、ここまで来ました。 卒業させたくなかった支援学校も 卒業しなければならない歳になって 毎日働く息子になりました。 一般の同じ歳の男性のような働きには 程遠いけれど 息子が出来るお仕事を 一生懸命頑張っています。 言葉がしゃべれなくても 多動であっても ものすごく手を焼く子供であっても きっと、いえ 絶対に小さい頃よりはずっとずっと 中学高校生の年頃になったら 行動も落ち着いてくるはずです。 障がいがあっても 5年より10年 10年より15年、 本人さんも辛さを抱えながらの生活 長らく続けてくれば それなりに慣れてくるというか 自衛本能も出て来たり 自分で自分をコントロールする力が 少しずつ出てくると思うんです。 それと、自然の成長 本人さんの持たれている 成長ののびしろが ぐんと出てくると思うんです。 お孫さん心配のあまり 見ず知らずの私に声をかけて来られた女性に どれほどの励ましになったかは わかりませんが 少しでもお役に立てたとしたら幸いです。 障がいのあるお子さんを育てる 親御さんやおじいちゃんおばあちゃんへ。 光とともに…(9) 自閉症児を抱えて (秋田文庫) [ 戸部けいこ ] 身体が大きく成長するとともに 多動のあるお子さんは 親御さんの心配も心労も増すし 体力的にも精神的にも 大変なのはものすごくわかります。 でも、ずっとずっと 今のままの大変が続くなんてことは 絶対にないと断言出来ます。 きっと大丈夫。 頑張り過ぎないで お子さんの可愛いところ 良いところを見つめながら フッと息を吐いて 肩の力 抜いてみてくださいね。
July 1, 2017