バリュー投資に騙されるな!

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2013.07.15
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例えば、別に何でも良いのですが9866マルキョウのように、万年割安株の王様と思われている銘柄もある訳です。


僕は死に金タップリ持っている企業は嫌いなので、ROEを下げるような投資戦略を取っている企業は嫌いです。使わないなら国が没収して公共事業にでも使ってしまえば良いと思ってます。死に金溜めて喜んでいる企業はデフレの元凶。その為、そういう企業に投資をして喜んでいるバリュー投資家は、今の日本経済にとって非効率的な存在だと考えています。
そのバリュー投資家はというと、全体としてアニマルスピリッツむき出しにして積極的にリスクを負う投資家を自分より下にみている傾向があります。しかしそういう自分こそ投資家の中で最下層だという認識を持って、すいません私バリュー投資家なんで邪魔にならないように株式市場の一番隅の方に立ってますね。ごめんなさい。最低な裁定取引ばかりしてごめんなさい。生まれてきてごめんなさい。来世ではもう少し国民の皆さんの役に立てるように頑張ります。という謙虚な姿勢が欲しいですね。

バリュー投資家が偉そうに市場を闊歩しているのは、ちょっとおかしいです。
デフレ脱却は容易ではありません。積極的に投資をしている企業の株を買うべきです。従業員に高い賃金を支払っている企業を応援するべきです。現金が少なく借金の多い企業を応援するべきです。
リスクのある投資に消極的で、従業員の賃金が低く、流動資金が多くて有利子負債の少ない企業に投資をしているのであれば、そんな投資家は非国民です。反日投資家です。バリュー投資家は反日です。


…という夢を見ました。なんだ夢か。夢なら仕方ない。




という事で、仕方ないので第二段は9866マルキョウにします。



この銘柄に投資をしている投資家はハナクソみたいなもんです。


それではバランスシートを見てみましょう。僕は、バランスシートが大好きなのです。
ついでにここ数年の資産・負債・資本の推移も見てみましょう。利益推移を見てから過去のバランスシートをみて答え合わせして下さい。やり方は第一弾のアイエーを参考にして下さい。第一弾のアイエーを見てない人は先にそちらをご覧下さい。見た人はそんな感じでマルキョウのバランスシートの変化をみてください。ドンドン行きます。やる気のない人は置いていきます。




見ましたか?見てない人は見て下さい。
見た瞬間目眩がするような腐ったバランスシート。どこから見ても典型的な万年割安株です。

ダメですね。万年割安株が好きな僕でさえ、このバランスシートは頂けません。
現金預金が多いほど良い銘柄だ!というバリュー教では喜ばれるんでしょうが、負債増やして現金預金増やしています。有利子負債は短期長期共に減少しています。増えている負債はその他の流動負債。これが50億円増えて、その分現金預金が50億円増えています。

でも慌ててはいけません。この現金預金の急増は1日だけのものです。会社の説明を見てみましょう。

(現金預金の)主な増加要因は、現金及び預金が当連結会計年度の末日が金融機関の休業日であったため、買掛金等の支払が翌連結会計年度になったことなどにより56億12百万円増加したことによるものであります。


という事で、もっとも大きな変化点の現金預金の急増が超一時的なもので56億円くらい水増しされているという事が分かりました。バランスシートの左上が大きい方が良いというような事をバリュー投資家さんに教えてもらった人は特に注意しましょう。当然、その他の流動負債も水増しされています。水増し額は44億円。結局それらの影響を考慮すると有利子負債は10億円分減少しています。やれやれ。

さて、そうすると逆に資産は圧縮している事になります。僕は個人的に、万年割安株のバランスシートのスリム化は嫌いじゃないです。内容を見てみましょう。


1.有形固定資産が設備投資額よりも減価償却費、減損損失及び除売却による減少額が上回ったことで12億49百万円減少
2.商品が3億29百万円減少

設備投資が少なかった影響で12億円、商品在庫が減ったことで3億円の減少です。


自己資本比率の高い万年割安株が、設備投資はしない、負債は減らす、では困ります。
利益は増えないと、ROEは低下します。ただでさえ低いROEがここ数年低下傾向にあるのに、もっと下がったらどうするつもりでしょうか。経営者は全員頭を丸めてもらいたい。


利益予想を見てみます。
前期
売上:87,826百万円
経常利益:1,829百万円
利益:601百万円
ROE:1.5%

今期(会社予想)
売上:84,000百万円
経常利益:1,600百万円
利益:800百万円
ROE:1.9%(予想)

今期(四季報予想)
売上:83,300百万円
経常利益:1,500百万円
利益:750百万円
ROE:1.9%(予想)


…………。
もう、何も言うまい。
割愛しますが、ここ数年売上は減少傾向。利益は低迷していた水準から更に一押し。ROEは4年で半分。
前期に自己資本比率が低下したのは、設備投資をしたからでもなんでもなく、買掛金の支払いが1日伸びたからだけです。それがなければ、80%です。
まぁ、折角なので自己資本比率とROEの変動だけでも見てみましょうか。

自己資本比率
67.3%→70.2%→75.8%→77.5%→73.0%(実質約80%)

ROE
3.5%→2.1%→3.0%→2.3%→1.5%


アイエーとの違い、分かりますか?

マルキョウの経営者は、短期有利子負債と長期有利子負債をゼロにする事を目標に経営しているのでしょうか。
その目標は、このままでは本当に達成してしまいそうな勢いです。しかし、その目標を何年先に達成するのでしょうか。その何年かの期間は本当に今のような企業運営をするつもりでしょうか。

これではまるで万年割安株の王様です。困ったもんです。


さて、ここまでダメなところばかりでしたが、投資妙味があるかどうかはまた別の話。
減収減益見込みの業績が上方修正されて、低空飛行のROEがほんの少し上昇する。もしそれが期待できるなら、投資してみるのも良いでしょうね。
何も考えずに保有し続け、ポジティブサプライズが出るのを気ままに待つ。
そんな投資を是とするのであれば、投資してみるのも良いでしょう。
その場合は、上がらない株価に文句を言ってはいけません。ポジティブサプライズが出ないから上がらないのであって、そのような投資手法であるからこそマルキョウに投資をしているのです。マルキョウの株価推移を気にすること自体、全くもって意味不明なのです。その事を把握していない自分に原因があるのです。

また、設備投資も減らしていて、尚且つ現金をタップリ保有していてこれ以上現金を必要としていない企業であるなら、根本的に多少の業績向上でも将来展望は変わりません。万年割安株が大きく変化するのは、かなりのエネルギーが必要になります。溜まった死に金で大規模な設備投資をする、M&Aをする、自社株を購入して償却する、など。
まずは定期預金を増やして喜んでいる経営者を刷新するべきでしょう。


このような銘柄に投資をしていて「バリュー投資」の看板を掲げている投資家を見ると、本当にガッカリします。
マルキョウがバリュー銘柄だという事を言うバフェットさんが居たら、是非教えて下さい。それは僕の知るバフェットさんではありません。少なくてもオマハには住んでいない。彼がこの銘柄に投資をしているバリュー投資家を見たらこう言うでしょう。

「日本市場の9866マルキョウがバリュー銘柄だって?馬鹿なことを言うな。誰がそんなことを言っているんだ。
え、日本のバリュー投資家?
ちょっとまて、日本にバリュー投資家が居たのか?
うん?日本ではバリュー投資がブームになっていた影響でバリュー投資家が増えている?
それは知らなかった。で、日本のバリュー投資家がバリュー銘柄だと言っているのかい?
なんというブラックジョークだ…これじゃあの世のグレアムも浮かばれない。
もしそのイエローモンキーがグレアムの講義を受けたら、きっと赤点ですら取れなかっただろう。彼らはバリュー投資家ではない。ただの屑だ。燃えるゴミの日に捨てるべきだ」

(注:オマハ在住のバフェットさんは紳士的な老人なので、実際にそう思ったとしても決して口には出しません)




しかし、それにしても酷い話です。
スクリーニングで引っかかった低PER低PBR銘柄高自己資本比率の銘柄で、現金タップリ持っている企業をバリュー銘柄と認定。そんな馬鹿な理屈は通りません。

グレアム流のバリュー投資の根幹を成しているのは、証券の担保価値ではなくて返済能力に重きを置いている企業価値を見極める能力です。その返済能力として、現金預金が最も優れていると評価されるのです。

まぁ、何が言いたいかというと、
「バリュー投資家なら地道に日々こつこつ調べ続けよう」
という事です。
ざっくり評価で簡単に投資先を決めて、買った後は放置。後は何かの切欠で株価が暴騰するのをひたすら待つ、という消極的な投資ではなくてね。
もう、淡々と、坦々と、延々と、黙々と。
地道に、地道に、ひたすら地道に財務諸表を読みまくる。
そういう変人以外は、バリュー投資家を名乗って欲しくない訳です。
普通の人が普通に投資をやって、
「私、バリュー投資やってます」
というのは本当に辞めて欲しいのです。

バリュー投資家というのは、変人で、奇人で、生真面目で、同じ事を毎日何時間も、或いはそれ以上続けられるようなオカシイ人間の事です。睡眠時間を削って分析。食事を忘れて分析。ぐへへ、楽しい。やめられない。これは俺の人生そのものだ。ひひひ。ぐへへ。げへへへ。というちょっと残念な人種なのです。ちょっと見ただけで「これはバリュー銘柄だ」とかは止めて欲しいのです。人として何か大切なものが欠落している、そんな人がバリュー投資家の烙印を押されるのです。本来は他人評価で自己申告制ではないのです。バリュー投資?そんなのしらねぇよ、お前邪魔だあっち行け。ぐへへへ。へへへ。というような人間が、バリュー投資家なのです。「ママー、あれ何ー?」「シッ!見ちゃダメ!」と近所の親子が近寄れないオーラを出していなければならないのです。バリュー投資家は、普通の投資家が入り込めるような領域には存在しないのです。財務諸表があれば、御飯3杯は食べれる人種なのです。無人島にも財務諸表があればもう何も要らない、そんな奇人なのです。

まぁ、そういうのは僕の妄想ですけどね。

僕は夢見る乙女のように、バリュー投資家さんに想いをはせているのです。何年も何年も、妄想し続けているのです。完璧な変人じゃなければ許さないのです。中途半端では許さないのです。



という気持ちの悪い話でした。
まぁ、長々と書きましたが要するに何が言いたかったかというと、『マルキョウに投資をするような凡人がバリュー投資家を名乗って欲しくない』という事でした。


おわり。





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Last updated  2013.07.15 11:49:34
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