11.学生最後の日


3月31日。

一生で一度しかない学生最後の日となるその日は、
みんなどうやって過ごす?って話題で持ちきりだった。

思いっきり遊んで過ごす!って奴や、
明日から朝から起きなきゃ行けないから朝型に生活を正す!
って奴がいたり、
最後だから昼間で寝る!って奴がいたり。


でも、そんな日に、私は、病院にいた。

もう二度とやってこないであろう、
学生最後の日なのに。


結果次第では、明日からの新入社員研修にいけないかもしれない。
みんなと、同じスタートを切ることができないかもしれない。
前の医師には、働くことさえ無理だと言われた。
とっても、不安だった。
文字では表現できないほど、不安だった。


検査結果は、やっと2桁まで下がった。
他の免疫系の検査結果からも、
ぎりぎり自己免疫性肝炎と診断できるくらい、
と言われた。

前回からの下がり具合をみても、
ステロイドは使わないでも、
ウルソだけでなんとかなりそうだと言ってもらった。
(その後私が薬を飲むのをサボって飲むことになりますが;)

今思い起こせば、
それはすごく喜ばしいことなのに、
一生薬を飲む、その現実を受け止められていなかった私には、
全く嬉しいなんて気持ちは起こらなかった。

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