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この時期、日本では多くの株式会社で株主総会が開かれています。出席した株主に対して昨年度の報告を行ったり、重要な事項の決議を行ったりする重要な話し合いの場でもありますが、プロ野球団を持つ鉄道会社の株主総会では、そのチームに関する質問が出てくるのがもはやお約束となっています。今日行われた某大手私鉄の株主総会でも貧弱な選手層はそっちのけで、『OBじゃなくていいから勝てる監督を連れて来い』と無茶苦茶な意見が出ていました。JR九州でも今日、福岡市内で株主総会が開催され、議決権を持つ株主のうち358人が出席しました。昨年度は新型コロナが5類に移行したこともあって、3期連続の増収増益という結果になり、配当は1株あたり93円とするなど、議案はすべて可決となりました。JR九州の古宮社長からは今後の長期ビジョンについて、「人・物・新技術への投資を行います。さらにその先の持続的な成長も見据えながら、グループ一丸となって積極果敢に挑戦を続けていく所存です。」と語り、街づくりや香椎線の自動運転をさらに進めていくことを表明しました。また出席した株主からは西九州新幹線の未整備区間についての質問が出ましたが、これについて古宮社長は、「(現在の)リレー方式がベストとは思っていない。国を入れて協議をするべきだと考えているがそこまで至っていない。関係者と議論を続けていきたい。」と言及しました。さらに減便ダイヤのため電車に乗れないという質問については、「必要に応じて対処していきたい。」と回答しました。博多駅を中心とする福岡都市圏の通勤・通学での混雑は勿論ですが、TSMC進出によって豊肥本線熊本~肥後大津間の混雑もひどく、国土交通省が昨年発表した資料によると午前8~9時の混雑率(乗車率)は135%と、首都圏全体平均の123%を上回っています。利用者がJR九州の路線を快適に利用できるようになることが、株主の想いでもありますので、それに向けて会社は取り組んでいくべきだと思います。それでは、今日はここまで。
2024年06月21日
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22日午後0時20分ごろ、JR長崎本線の肥前竜王駅で、あわや特急同士の正面衝突という事態が発生しました。(左:885系、右:787系。2013年に長崎駅にて撮影。)この付近は単線区間で、肥前竜王駅には待避線があり、そこに上りの『かもめ20号』(885系)が停車していました。そこへ下りの『かもめ19号』(787系)が待避線に侵入し、わずか93mの距離まで近づき緊急停車しました。本来、2つの特急は肥前竜王駅ではなく、さらに長崎寄りの肥前鹿島駅ですれ違う予定でしたが、かもめ19号が肥前竜王駅に入る10分ほど前に列車床下の異常音を感知して停止したため、すれ違う駅が肥前竜王駅に変更になりました。かもめ19号は安全確認後に運行を再開して肥前竜王駅に近づいたところかもめ20号が入線中の待避線に侵入してしまい、これに気付いた運転士が手動で非常ブレーキをかけて列車を止めました。両方の列車に乗車していた約230名の乗客にケガはありませんでしたが、この影響で肥前山口~肥前鹿島が約6時間にわたって不通となり、乗客はJR九州が用意したバスで肥前山口駅や長崎駅に向かいました。今回はたまたま乗客が無事でよかったのですが、1歩間違えれば大惨事となってしまい、JR北海道の列車炎上や福知山線の事故以上の事態になっていたことでしょう。運輸安全委員会は今回の件について、事故につながりかねない『重大インシデント』と判断し、調査官2人を現地に派遣しました。JR九州は22日夜に会見を開いて謝罪し、今回の事態に至った経緯を以下のように説明しました。・かもめ19号が異常音を感知して停車した際、 博多総合指令は運転士の不正確な報告から、 現在地を実際より100m手前と認識して 駅近くにある信号機の手前に19号が 停車していると判断。・総合指令は信号機を赤にした上で、運行再開時には 手動でポイントを操作して、19号には肥前竜王駅の 待避線ではなく本線を通過させる予定だった。・しかし実際には19号は運転席が信号機を過ぎた場所に 停車しており、赤信号を無視する形で運行を再開し、 待避線に進入してしまった。また原因については、列車の現在地を確認する詳細なルールがなく、運転士と指令員の意思疎通が十分ではなかったことであると説明しました。会見でJR九州の松本喜代孝安全推進部長は、「安全確保が最大の使命だと思っている。手綱を締め直す。」とコメントし、列車の現在地を確認する詳細ルール作りなどの再発防止策を早期に講じると表明しました。株式上場を前に鉄道事業の強化が課題とされたJR九州にとっては、その鉄道事業事態に大きな問題が発生してしまった形になりました。犠牲者が出なかったことは幸いでしたが、鉄道事業にとっては安全運転こそが信頼を得るために最も大事だと思いますので、きっちりと再発防止策を図ってもらいたいと思います。それでは、これにて失礼。
2015年05月23日
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非情に胸糞悪い結果となったプロ野球セ・パ交流戦が終わり、昨日からリーグ戦が再開されました。パリーグ首位のソフトバンクホークスはヘボピーを迎えての3連戦ですが、初戦・金曜日は北九州市民球場での開催でした。梅雨入りしたこともあって開催が危ぶまれましたが晴天に恵まれ、無事行われました。ホークスは初回から打線が爆発します。まず1死ランナーなしから今宮の3号ソロで先制し口火を切りました!その後2死1・3塁のチャンスを作ると、この日1軍に昇格したばかりの正木のタイムリーで1点を追加、さらに甲斐のタイムリーで2点を追加しました!!4回裏には慶應大学の先輩・正木に負けじと廣瀬が2号ソロを放ち、1死2・3塁から相手の野選と▲■のタイムリーで1点ずつ追加しました!これでホークスは先発全員安打を達成しました!!ホークス先発のスチュワートJr.は余計な3点を与えながらも5回を投げリードを守りました。6回は津森、7回はヘルナンデス、8回は松本裕がそれぞれ無死点に抑えました。すると8回裏には無死1・2塁から栗原のタイムリーで1点、さらに1死1・2塁から近藤のタイムリーで1点を追加しました!!9回表は杉山が余計な1点を与えますが大量リードに守られて試合を締め、9-4でホークスが快勝しました!スチュワートJr.は2勝目です!!お立ち台には甲斐と一緒に正木・廣瀬の慶應コンビが呼ばれましたが、正木は廣瀬と並んでお立ち台に立てたことに、「中学から一緒にやってきたから感慨深かった。一緒に立ててうれしい。」と語っていました。今度は2人にとって慶應の先輩でもある柳町も活躍して、慶應トリオが3人揃ってお立ち台に立てるといいですね。それでは、これにて失礼。
2024年06月22日
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今日もプロ野球がこの上なくつまらない内容でしたので、他のテレビを見ていました。するとTBS系で放送されていた『教科書にのせたい!』という番組で、福岡県の高校ラグビー強豪校である2つの学校、東福岡高校と筑紫高校が取り上げられていました。東福岡の谷崎重幸監督(当時)は選手の自主性を重視した指導を行い、対する筑紫の西村寛久監督は徹底的なスパルタ的指導を行いました。教育論的にはどちらが正しくてどちらが間違いと言うことはありませんが、指導方針がまったく正反対の両校の様子が映し出されていました。この2校の過去の対戦成績は東福岡の圧勝でした。今回の放送では2008年に行われた高校ラグビー大会の決勝の様子が流れました。前半は筑紫がリードして終えましたが、後半になると東福岡の選手達が自ら作戦を立てて逆転し、結果、東福岡が勝利して優勝しました。ラグビーでよく言う『ノーサイド』ということで、試合後、両校の監督が互いの労をねぎらい、西村監督が谷崎監督へ「全国大会で優勝してください。」と語っていました。余談ですがこの年の東福岡は準決勝で敗退したものの、翌年の大会に出場して全国優勝を果たし、ついには史上5校目の3連覇まで成し遂げました。谷崎監督は全国大会3連覇を達成した直後、この快挙を置き土産に2012年3月で監督を勇退することを発表しました。その直後の2月、福岡県の高校ラグビー界にとって大きなニュースが入りました。それまで公式戦では82連勝というとてつもない記録を作っていた東福岡が、全九州新人大会福岡予選決勝で負けたのです。その相手は・・・西村監督率いる筑紫高校だったのです。※筑紫高校も全国的にはラグビーでは実力のある学校として知られており、 東福岡がいなければ確実に全国大会に出場できるほどだそうです。しかし東福岡も新体制となった直後となる6月3日に行われた福岡県高等学校ラグビー大会決勝戦で筑紫を降して雪辱を果たしました。今年の全国大会ではどちらが出場することになるのか、楽しみですね。ラグビーについては自主性を重んじる東福岡が勝利を重ねているようですが、学問についても自主性を重んじるほうが良い結果が出るのではないかと思われます。というのは北九州市内には自主性を重んじるT高校とスパルタ教育のK高校という2つの県立の進学校があるのですが、東大進学者の数などではT高校のほうがほぼ毎年上だという結果があります。また、その他全国に名だたる進学校では私服OKのところとかもありますからね。ですが『自主性』という言葉を『何をやっても良い』と言う言葉とはき違えるような連中もいたりするのが現状です。筑紫の西村監督もテレビで語っていましたが「自主性に任せる方が難しい。」そうです。自分で自分を律することができる人こそ『自主性』を発揮できるのではないかと思います。番組の1コーナーでの放送でしたが、何だかいろいろなことを考えさせられた十数分間でした。それでは、今日はここまで。P.S.ここまで福岡県の高校ラグビーのレベルが高いのであれば、恒久的に福岡県の全国出場枠を2つにしてはどうかと思います。(過去は2枠だった時代もあったそうです。また2011年は記念大会で2枠ありました。)例えば3枠ある大阪の1枠を削って福岡に禅譲するとか、ラグビーがあまり盛んでない地域の枠を削って福岡に与えるとか、です。
2012年06月05日
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『ムツゴロウさん』の愛称で親しまれた動物研究家で作家の畑正憲さんが昨日5日、心筋梗塞のためお亡くなりになりました。享年87歳でした。畑さんは1935年に福岡市で生まれ、医師であった父に連れられ満州に移り住み、太平洋戦争中に帰国した後は父親の郷里である大分県日田市で過ごしました。その後日田高校から東大へ進学した畑さんは理学部動物学科を選択し、動物学を専攻しました。東大卒業後は学習研究社に入りますが退職し、作家としてデビューしました。中学時代に女性と結婚し娘をもうけた後に北海道へ移住し、かの有名なムツゴロウ動物王国を作りました。動物王国での生活は『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』というテレビ番組で放送され、多くの子供達に動物への興味を持たせることに貢献しました。ヒグマとの生活をつづったエッセイを書いたり、映画『子猫物語』を手掛けるなどの活躍をしました。『子猫物語』で音楽を担当したのはこちらも先日お亡くなりになった、世界的に有名な音楽家である坂本龍一さんでした。私は中学校時代の国語の教科書に載っていた『ひと声』という馬の母子を描いたエッセイが印象に残っています。動物関連以外では麻雀がめちゃくちゃ強いことでも知られており、麻雀に関する著書も出しています。『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』が終了した後も執筆活動や講演活動を行ったり、各地の動物園にアドバイスを送るなどの活動を行っていました。その中には北九州市のひびき動物ワールドなど、九州の動物園も含まれていました。全国各地の動物園や水族館で飼育員をされている方の中には子供のころにテレビでムツゴロウさんを見て育った人が多いのではないかと思います。動物とのふれあいの大切さを多くの人に教えてくれた、ムツゴロウさんのご冥福を心よりお祈りいたします。
2023年04月06日
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ソフトバンクホークスは今日、今季から本拠地ヤフオクドームに新たなボックスシートを設置することを発表しました。ホークス福岡移転30周年記念事業の一環として、ヤフオクドームの収容人員を昨年までの3万8500人から4万人超にするために増席が行われたのですが、その増席分の一部が、外野バックスクリーン部分(立ち見席があった部分)に設置された新たなボックスシートでした。このボックスシートのネーミングライツ(命名権)を募集したところ、辛子明太子でおなじみのやまやコミュニケーションズが獲得しました。その名も『やまや めんたいこBOX』で、座席の奥には巨大な明太子が描かれています。さらにテーブルやいすも明太子をモチーフにしており、観戦得点として明太子のおにぎりやタラモサラダなど、明太子を使ったオードブルもつくそうです。文字通り明太子づくしですね。1つのボックス席には最大6名まで利用でき、一塁側(ホーム)に6ボックス、三塁側(ビジター)に3ボックス設置されます。料金はその時の試合のランクによって1万8000円~3万円と変動します。ホークスファンはもちろん、ビジターチームのファンも博多の味を楽しめますので、試合相手によっては両方ともすぐに埋まる可能性がありますね。個人的には観戦記念に箱入りの明太子や明太子チューブのセットなどをお土産につけたりするとさらに人気が出るのではないかと思いますので、やまやの方には一考していただきたいですね。それでは、今日はここまで。
2019年01月23日
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今日はシルバーウィークの最終日で、秋分の日でもあり、秋のお彼岸の中日でもありました。お彼岸と言えばご先祖様のお墓参りを行ったり、『おはぎ(ぼたもち)』を食べたりする風習が思い浮かびます。北九州市内を中心にうどん店を展開する資さんうどんでは、麺類だけでなくぼたもちが名物として知られています。また小倉の屋台はお酒を出さずにおはぎを出したりします。思えば昔からおはぎやぼたもちはなじみ深いものでした。さて、この『おはぎ』と『ぼたもち』は共に、もち米とうるち米を混ぜて炊き、適度につぶして丸めたものをあんこで包んだ和菓子ですが、実は違いがあるのです。(諸説あります。)『おはぎ』は漢字で『御萩』、『ぼたもち』は漢字で『牡丹餅』と書きます。萩の花は秋の彼岸のころに咲き、牡丹は春の彼岸のころに咲くことから、おはぎ:秋の彼岸に食べるものぼたもち:春の彼岸に食べるものという違いがあります。また小豆は秋に収穫されますので、収穫したてで皮まで軟らかい秋はつぶあんで、時間が経って皮が固くなった春はこしあんで作ることから、おはぎ:つぶあんぼたもち:こしあんとされています。なお、上の写真からも分かるように、資さんの『ぼたもち』はつぶあんです。もうすぐ秋分の日も終わりますが、今日のデザートはおはぎにしてはいかがでしょうか?それでは、今日はここまで。
2015年09月23日
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ここ数年、地方都市を中心に百貨店の閉店が相次いでいます。コロナ禍の影響やネット通販・郊外型ショッピングモールの普及で、街中まで出る機会が減り、やむなく閉店したところが多く、すでに県内に百貨店が1つも無い県が出始めています。九州ではそのようなことにはなっていませんが、佐賀県で唯一の百貨店である佐賀玉屋(佐賀市)は今日、京都市に本社を置く総合不動産会社『さくら』に事業譲渡することを発表しました。玉屋は1806年、初代田中丸善吉が現在の佐賀県小城市で荒物商として創業し、長崎・佐世保に九州2番目の百貨店を開業させた後、福岡・中洲(現・ゲイツ)に出店後の1933年に佐賀へ百貨店を開業させました。他にも小倉・室町(現・リバーウォーク)、長崎市内、伊万里にも店を構えていましたが、ほとんどが閉店し、残るのは佐賀と佐世保のみとなっていました。なお玉屋の屋号は福岡空港の売店や北九州市役所・小倉競馬場の食堂に残っています。※中洲にある同名のパチンコ屋とは全く関係ありません。大手百貨店の高島屋と同じハイランドグループということで、紙袋やギフトカードはかつての高島屋と同じバラがデザインされており、今でも私は東京で高島屋の紙袋を見ると玉屋を思い出します。創業者一族の社長が退任することになりますが、事業譲渡されても屋号は変更せず、従業員の雇用も維持するそうです。ただ本館については震度6強以上の大規模地震で倒壊する危険性があるため、売場を南館に集約してから来春以降に本館の建て替えを行う予定です。経営母体は変わっても、これからも佐賀県唯一の百貨店として、佐賀市中心部の街の賑わいを守り続けてもらいたいと思います。それでは、今日はここまで。
2023年12月11日
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