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さあいよいよ上陸です。
この桟橋を渡るとそこはもう軍艦島です。
「オイラが軍艦島に上陸したべ!」
パチパチパチ!!
「思った以上に瓦礫ばっかりで、正直びっくりしているべ」
うん、ぼてぽても。
マジで瓦礫ばかっかり。
第一印象はそんな感じ。
さあ、先に進みます。
「そういえばガイドさんが言っていたけど、向こうに見える不自然な大きな塊、去年の台風で破壊されたコンクリートだそうだべ」
え!?
あれ、結構大きいよ?
「そうなんだべ。すごいでかいんだべ」
「こんなにでかいんだべ」
すごい大きいんですけど!!
「去年の秋の台風、全国的にもいろいろな所で被害がでたべ?」
うん。
「軍艦島は見ての通り、波も風もそのまま受けるような島だから、台風が直撃するとこんなに大きなコンクリートの防護壁も高波で破壊されるんだべ」
そうなんだ!
それはすごいね!
こんな大きなコンクリートを破壊するって、やっぱり自然って怖いね・・・。
「外周から見ていた軍艦島は、実際に上陸するとずいぶんイメージが違うべ」
本当だね。
説明を受けないと何が何だかわからないくらい劣化がすごいね。
「そうなんだべ。ちなみに向こうに見える建物は住居棟のマンションの一角だべ」
結構遠いね。
でもあっちにはいけないんだよね?
「そうだべ」
「窓ガラスが割れてスケスケになっているべ」
本当だ。
でも仕方ないよね、もう人も住んでないんだもん。
「そうだべ。それにここは島だから、台風や暴風雨で壊れやすいんだべ」
「あの上の建物がお偉いさんの住んでいた社宅だそうだべ」
あそこまで登っていくのも大変だよね。
「でも桟橋からは近いし、そこまで不便ではないべ」
景色も良さそうだしね。
「あのアーチのトンネル跡みたいなものは何だと思うべか?」
なんだろう?
歩道の跡とか?
「違うべ。実はこのエリアは炭鉱作業エリアで、この下で石炭を発掘していたんだそうだべ」
ほう。
「発掘した良質な石炭は船に乗せて出港したけれど、掘り出した石炭の中でも使えないものもあって、そういうものはすべて海に投げ捨てていたんだそうだべ」
そうだったんだ。
「そういう石炭は“ぼた”と呼ばれていたそうなんだけど、どんどん捨てていたらさすがの海も捨てる場所がなくなってしまうべ?」
そうだね。
「そこで行われたのが、トンネルを掘って、ベルトコンベアーで運んで、向こう岸の海に捨てたんだべ」
え!?ベルトコンベアーで運んだの!?
「さらに驚きなのは、この山の向こうにはマンションが建っていたんだそうだべ」
うん。でもこのトンネルって・・・。
「そうだべ。実はそのマンションを突き抜ける様にトンネルが通っていたんだべ」
え~~!?
「マンションの 2 階がトンネルで、 3 階に住んでいるいる人は自分の部屋のすぐ下にベルトコンベアーが通っていたんだそうだべ」
それもすごいよね(^^;
うるさくなかったのかな。
「そしてあの緑のフェンスのあたり、あれは歩道になっていて、あそこは生活道路だったそうだべ」
へ~。でもあんな高い所、歩いていたらちょっと怖いかもね。
「ここから先遊歩道は約 220 メートルあって、その間 3 か所にガイダンス広場があるんだべ」
そうなんだ。
「そこでガイドさんがいろいろ説明してくれるんだべ」
へ~。
「でも今日は雨も降ってるし、それにみんな写真を撮りたがるからあんまり話を聞いてくれないから、二か所でパパっと説明するといってたべ」
観光客のことをよくわかってらっしゃるね。
すごい瓦礫の山だね~。
「ここは潮風が当たるから、ほとんどの建物が鉄筋コンクリートで造られているんだそうだべ」
コンクリートやレンガなら丈夫だもんね。
「劣化してこんなにボロボロになっているけれど、この下ではブラックダイヤモンドがたくさん掘られていたんだべ」
そうだよね。
「これだけ見ていると、まさかここが軍艦島だとは思えないべ」
うん、全然わかんないね(^^;
「軍艦島っていうくらいだから、見た目が軍艦みたいっていうのが有名だけど、実際は元炭鉱の島で、今は無人島になったという産業遺産だべ」
そうなんだよね。
ここは産業遺産の島なんだよね。
「遊歩道はキレイに整備されて、見学者は遊歩道以外に出てはいけないべ」
当然そうだよね。
「でもこの遊歩道、この間の台風で破壊されて、キレイに補修されてまた通行できるようになったのはついこの間のことだそうだべ」
そうなの!?
「オイラももしかしたら上陸できないかもしれないと心配してたけど、無事に遊歩道が整備されてよかったべ」
本当によかった。
それにしても台風の脅威って本当に恐ろしいね。
「あのマンションの二階部分にトンネルが貫通してるべ」
それ、本当に怖いよね(^^;
「この島には余った場所なんてなかったから、海に捨てるしかなかったんだそうだべ」
なんかそれも昔ながらの考え方だよね。
なんでも海に捨てちゃうなんて。
「今は絶対しちゃいけないことだべ」
そうだね。
「今もこうして建物がかろうじで残っているけれど、今後はこの建物の保存も軍艦島の課題だそうだべ」
そうだよね。ここまま風雨にさらされていたらどんどん劣化するもんね。
「かといって屋根を付けるわけにもいかないから、やっぱりみんなで酸性雨などが降らないよう環境保護をしないといけないと思うね」
そうだね。
「あの上にあるのは灯台だべかな」
ここは島だし、目印がないとね。
「そういえば神社は見えたべか?」
全然わからなかったべ。
「建物の屋上に小さなお社があるそうだべ。ここからだと見えないみたいだべ」
「さっきガイドさんがいいこと言っていたべ」
なんて?
「軍艦島ツアーにはほぼ毎回軍艦島出身の人がいるんだそうだべ」
お客さんとして?
「そうだべ。でも今回は軍艦島出身の人がいなさそうだと言っていたべ」
なんでわかるの?
「昔ここで働いていた人、昔ここに住んでいた人は、軍艦島に来ても写真を撮らないんだそうだべ」
そうなの?
「その代わり、懐かしそうに、またさみしそうに、じっと建物を見つめているんだそうだべ」
それって・・・。
「自分たちがいた端島はもっと近代的で栄えてて、すごく活気があった。でも今は誰も住んでいない、廃墟の島」
そうだよね・・・。
「変わり果てた故郷の姿を見て、みんなさみしそうな顔をしているんだそうだべ」
そういうことなんだね。
そうだよね、自分の住んでいたところがこんな風に廃墟になって、さらにふるさとには立ち入るどころか近づくこともできないんだもんね。
「ガイドさんは“ここは世界遺産の軍艦島ですが、ここにはたくさんの人たちの生活の場があったことを忘れないでください”と言っていたべ」
そうだよね。
そういう場所はみんなで保護していかないとね。
「ぼてぽて、そろそろ時間だべ」
もう戻るの!?
「自由時間は 20 分だべ」
短い!!
「でも船に乗って場所取りもしないといけないべ」
そうだよね!急ごう!
「ただ見るだけだと瓦礫ばかりで面白くないけど、ガイドさんの話を聞きながら見学すると軍艦島の本当の姿が見えたような気がするべ」
そうだね。ガイドさんの説明もすごく上手で、わかりやすくておもしろかった!
「たくさんの人がガイドさんの話に耳を傾けてうなづいていたべ」
そうだね。
「ここにくるならただ見に来るだけじゃなくて、しっかり勉強するつもりで来た方がいろいろなことを考えるきっかけになると思うべ」
そうだね。
本当にそう思う。
「ぼてぽて、軍艦島見学ツアーはどうだったべか?」
うん、思ったよりうわ~~!っていう感動はなかったけど、それでもこの島には生活があって職場があって、たくさんの人々の思い出がある島なんだなって思ったよ。
「世界遺産に登録された理由はこの島が炭鉱として栄え、当時最先端の生活を送っていたという史実と、それが今でもこうして残っているという事実だべ」
うん。
これからもたくさんの人にこの軍艦島を知ってほしいな。
でもぼてぽて、一番感激したのは軍艦島よりもクレーンやドックが見える景色かもしれない ( 笑 ) 。
「それも軍艦島ツアーの楽しみの一つだべ!」
楽しみもりだくさんの軍艦島ツアー、いかがでしたか?
船に乗った瞬間から休む間もなく見たこともない景色がどんどん登場してきます。
しかもどれも規模がでかい!
拘束時間は 14 時から 17 時と結構長いですが、それでも 3,600 円でこの内容は最高ですよ!
上陸を希望しない人は周遊コースもありますでお好みを選べます。
こちらのツアーでは事前予約が必要となりますのでご注意ください。
ちなみに軍艦島に上陸するには必ず誓約書を一人一枚提出しなければなりません。
禁止事項を守れない人は島に入ることはできません。
必ず誓約書をよく読んで、サインをしてからツアーに参加してください。
軍艦島上陸クルーズ HP →
http://www.gunkanjima-cruise.jp/
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