かりん御殿

かりん御殿

September 2, 2008
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カテゴリ: 旧(時事/社会/家庭)
実は、先月、東京・上海を休暇で訪れた際、
毎月第一日曜日に原宿の東郷神社で開かれる「能美の市」にて
感じの良い店主さんから暑い日で家族連れであったので
そそくさと3冊の古雑誌を購入しました。
週刊朝日・婦人世界

裏表紙・広告

(もっと買えば良かった...と後悔
東京近郊にお住まいで
ご興味のある方は、是非、どうぞ。)

その中の一冊
「週刊朝日」の昭和16年12月28日号から

ご紹介します。
======

【ハワイマレー沖両大海戦を讃ふ】
(平出大佐に聴く)
巻頭記事
12月12日
海軍省にて

大本営海軍報道部
海軍大佐
平出英夫氏

本社出版局長
鈴木文四郎



今回の対米英海戦は世界の海戦史に最も大きく特記さるべき帝国海軍の大快捷(せき)であったと存じます。
国民の帝国海軍に対する感謝感激、
これはもう言葉に尽せないものがあり、
また海外における反響というものは、
今まで知れているだけでも非常なもので、

ここに海軍のスポークスマンであられる
平出大佐殿に対しまして
この際あらためて”おめでとう”と申し上げさせて
いただきたいと存じます。
【平出】
あり難うございます。
【鈴木】
今度のハワイ海戦とマニラ沖の海戦に
つきましては、国民のみんなが平出大佐殿の口から
纏ったいろいろの御説明やら御感想を
伺いたいと思っているのに相違ないのでございますが、
殊にハワイ攻撃というものは、日本国民をも含めて
世界人類すべての意表に出た大奇襲であろうと存じます。
私どもの社の南米ブエノスアイレス特派員
細川君と国際電話をした時に、アメリカでは、
日本がアメリカの正面の玄関からやって来た、
これは全然予期してなかったことで、しかも
三千マイルの遠隔の地から日本の海軍が
奇襲したことは、まったく日本海軍の自信と、
卓抜した計画に出たものだといっているという
細川君の話でございましたが、われわれも、
よくあれほどの大作戦ができたと思うのであります。
これにつきましてどうしてああいう大胆不敵な作戦を、
しかも水も漏らさぬあざやかさでできたか
まづ伺いたい物だと思います。
【平出】
御尤もな御質問でございますが
まだ作戦が続いているのでございまして、
あれを決行した艦隊たちは、まだ
あれに満足しないで、それ以上の作戦に
すでに取りかかっております。
随って、どんな舞台がどんなふうに行動して
どんなふうにやったかということは、
今後の作戦に響いて来ますので
私は申し上げる自由をもっておりません。
ただ、私が申し上げ得ることは
なぜああいうことが成功したかという原因を尋ねますと、
アメリカの艦隊とは性格が違う、
これが何よりの原因なのです。
それをもう少し細かくいえば、
アメリカ政府首脳部は艦隊というものを
政略の道具に使った、巨きな艦を数多く揃えて
威嚇すれば血を流さずに日本を圧伏し得る、
こう考えたところからスタートしていると考えるのです。
これだけ持っているぞ到底日本は勝てまい...
これで日本を制圧することができると考えたんです。
日本という民族が、圧迫を加えられたり
嚇かされたりすればするほど、
強く反発するものだということを、
全然認識していなかった。
私は度々これを発表したのです。
しかし彼等はそれを単に私が強がりをいっていると考えたに違いない。
アメリカの新聞なども、これを単に
平出なる者の強がりと書いておりました。
しかし私はほんとうのことをいっておったのです。
日本の艦隊というものは政略なんかない、
ただ一途に敵の艦隊をぶち破って
国防を全うしようということだけを
目標にして来たのですから、
その性格が非常に違う。
根本的な違いです。
これが非常に大きな原因の一つだと私は思います。
もう一つは、国民性にもよると思うのですが
訓練が違う。
アメリカの海軍も訓練は無論本気でやるのでしょうが、
その程度が日本と違っている。
これはアメリカ艦隊に限らず、
どこの国でも大抵そうなのですが、
月曜に出勤して金曜には帰って、
土曜と日曜は休む、そうして夜は訓練をしない。
ところが、日本の海軍には土曜も日曜もない。
いわゆる月月火水木金金という曜日でやっているし、
夜になれば、さあ、これからが猛特訓だというわけで、
とても訓練の状況が違うのです。
それから精神が違う。
アメリカは五という比率をもっていて、
必ず日本をやっつけられるものと考えていた。
そこに油断があります。
ところが日本は三に抑えつけられてしまった、
しかし敗けてはいられない、
彼等が到底勝てまいと思うその比率でどうやって勝つか、
どうして国防を全うするか、そればかり
考えているんですから肝が違います。
そこに彼等の間違いがあった。
彼等は加え算をやっているのです。
三足す二は五と考えている。
ところが、日本のは掛け算です。
三掛ける五、或いは、三掛ける十という掛け算をしたのです。
それを向こうは知らなかった。
掛け算とは何かというと、日本は
精神力或いは訓練というような
目に見えないもので掛け算をした!
これは条約でもどうにもならなかった。
数は条約によって制限し得たけれども、
精神力とか訓練による力は制限できなかった。
これがワシントン条約の非常な成果であり、
失敗であったのです。
ワシントン条約の出来た時から日本の艦隊が
今日の勝ち戦の原因をつくった、こう考えます。
(続き)
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如何でしょうか?
現在の日本(及びアメリカと関る他国)でも通じる感覚ではないか
日本人のアメリカ人に対する印象もあまり変化していないのではないか、
fと、感じました。
この週刊朝日12月28日号の裏表紙は
化粧品の広告
「木の葉は散っても
 絶対に散らされないのが貴女の素肌 美、健康美!(以下略)」です。
また後日別途写真付きでご紹介しますが
当時の週刊誌と現在の週刊誌と
レイアウトも感覚も大差無い、と、衝撃を受けた次第でした。
この古雑誌内容ご紹介は不定期で続けたいと思います。





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Last updated  March 11, 2010 10:56:11 PM
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