日本は英米ソに屈服したように思える。弱きを助けて強きを挫くのが大和魂であり、国粋ではなかったか。また大言壮語、薄志弱行は武士の恥ではなかったか。もちろん、今日の結果は、過去三十数年間にわたる国民の己惚れと弛緩とが原因である。己惚れることが愛国的であり、他国を軽蔑することが国粋のような安易な道を歩んで来た結果である。阿部氏は真に御気の毒である。
p.292 昭和15(1940)年「近々抄」『近きより2』第4巻第1号<新年号>
□この激変期にめぐり会わせた阿部内閣は甚だ御気の毒であるが、来るべき時代のため、万難を排して推進力の歯車からベルトをすっかりはずし、そして静かに退場して欲しい。それだけがこの内閣への期待だ。
p.301 昭和15(1940)年「編集後記」『近きより2』第4巻第1号<新年号>
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