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[月曜日の嘆き]この話に...その日、その時のあなたへ捧げる感謝の気持ちをこめます。
その日、仕事を終えた僕は、高速バスの予約をしました。
現在の場所は新潟駅の万代口。
目的地は...池袋。帰路です。
チケットを購入し、あとは発車時刻を待つのみでした。
まだ一時間程時間があります。
僕は荷物をもち、駅へ向かいました。
新潟駅の地下には本屋がありました。
コミックのあつかいもけっこう充実していたので、バスの中で読む本を購入する
つもりでした。
地下へ降りると...ちょっとした飲食店がならぶ通路があり、そこを抜けたら...
かなりのスペースが本屋になっています。
コミックコーナーはスペースの半分以上を占めています。
その上、けっこう新刊もそろえてありました。
マニアックなコミックの新刊も入荷しているは嬉しい事です。
いろいろあって、アニメ化決定前ぐらいの時期に、「となグラ」のコミックを購入しました。あとは...ちょっと記憶にないですが、なにかの本を購入したのです。
まだまだ出発までには時間があります。でも、とりあえず地上に出ようと思ったのでした。
ここに、第1の幸運があったのです。
地上に出たとたん...携帯電話が震えました。マナーモードです。
見ると...家からでした。「もしもし、お疲れ様です」
「お疲れ様じゃないでしょ! バスのチケットを落としてない?」
えっ!?
バスのチケットは鞄に入れたはず...いや、なぜ--家の者が、僕がバスで帰るのを
知っているのか!?
「え? あ、あれ、ない?」「急いでチケットを購入した場所に行って」
半信半疑で高速バスのチケット売り場へ。先ほどチケットを購入した時に話したおじさんが座っている窓口に声をかけました。
「はい、落としたでしょ」「ええっ!?」
そこには購入したチケットがあったのです!
第2の幸運は、チケットを落とした場所が、購入窓口の近くであったらしい事。第3の幸運は、連絡先に自宅の電話番号をきっちり書いていた事でした。
そして最大の幸運は、そのチケットを拾って窓口へ届けてくれた方がいたことです。
「拾ってくれた方はどちらに?」「背広着た男の人だけど...もうどこかに行っちゃったね」
ああ、背広の男性...あなたは命の恩人です。
正直、チケットをもう一度購入するお金はもっていませんでした。
紛失したままだったら...谷川岳を歩いて超えなければなりませんでした。
過ぎていく新潟の風景が、僕の心に暖かい思い出と一緒に焼きつきました。
この数日後、新潟市街が大雪で大停電になったのです。ああ、名前もわからない紳士様、問題はなかったでしょうか...
あなたの行動、人生の手本とします。
あなたへの恩返しと思って...落し物は正しい場所へ届けるようにします。
ありがとうございました。
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