「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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ボンベイ~マルガオ 列車の旅
++++ ボンベイ~マルガオ 列車の旅 ++++
ボンベイを旅立つ日。
朝7時の列車でマルガオという街まで向かいます。
朝7時の列車は朝7時台に出発するかも・・・
というのがインドなんだよというのは旦那の弁。
実際に列車が来たのは7時30分、出発したのは7時57分でした。
おー、確かにかろうじて7時台だ・・・・!!
11時間と長い旅なので今回は2等の寝台車にしました。
私たち、もう昔のように体力無いしぃー・・・
寝台車は4つのベッドで1つのコンパートメントとなっており
私たちの他には品の良いインド人老夫婦が一緒でした。
白髪でサリーをまとっているおばあさまが美しい。
ベッドの横には小さな窓が一つ。
曇っていて景色があまり見えません。
外からも水をかけて拭いてみたんだけど汚れは取れない・・・(涙)
旅に出たらバスや列車からの景色を3度の食事より
楽しみにしている私。
諦めきれずにドアの所に行ってみることに。
アジアの列車はドアが開けっぱなしになっていることが多く
この列車も例外ではありませんでした。
ドアの脇には列車に乗り込む時ように両側に手すりがついてます。
その手すりにつかまりドアからほんの少しだけ顔を出して風を感じてみます。
列車は結構スピードが出ているので落ちないように
気をつけながらそっと顔を出します。
=反対側にはこんな列車が!!笑って手を振ってくれたよ=
ボンベイを出てすぐに田舎町へと景色は変わり
むっとするような湿気に混じって緑の香りが漂ってきます。
南インドってこんなに緑が多いんだ・・・・
やしの木に、田んぼに、草原に、森に、山にと美しい景色は
これでもかというくらい目の前に広がります。
時折現れる家々では人々の暮らしが垣間見えます。
川で洗濯している人(桃太郎みたい!笑)、
牛をのんびりと追っている人、追いかけっこをしている子供たち。
あまりにのどかで、あまりにも美しくて思わず涙が浮かんできてしまいました。
「なんて美しいんだろう」
この言葉が何度心に浮かんだか分かりません。
そんな風に静かに暮している人達にとって列車の通過は
一日の大きなイベントなのかもしれません。
線路脇に立っていたり、家の庭に出て
列車の通過を待っている人達が結構いました。
そんな列車のドアに外国人の私が立っていると
それは彼らにとって一大事のようです。
「うぉぉぉーーー!!」
私を指差して追いかけてくる人、両手を挙げて手を振る人、
クルクル回る人、“んんーー、ちゅばぁっ”っと
ここまで聞こえるくらいの音を出して投げキッスをしてくる人等など。
それらのどの人々もすごく美しい笑顔をしているのです。
こっちも思わずうれしくて満面の笑顔で手を振ると
とても満足したようにどの人もにっこり笑ってうなずいてくれます。
ほんの一瞬のすれ違い。
きっとこれから先一生出会うことも無いであろう人々との
暖かいふれあい。
また泣きそうになる。年を取ると涙もろくなるって本当ね(笑)
笑顔は人をこんなにも幸せにするんだなって心から思った。
私もいつも唇を持ち上げている人間になろう・・・
ある駅ではそこで列車を降りた男性に一緒に来いと誘われました。
そこはなーーーんにも無いただの山と森だけが目の前に広がる場所。
彼はしばらく手招きをしていましたが、私が何度か首を振ると
最後には諦めて線路をひょいっと超えて丘を下りていきました。
列車は駅にしばらく止まっているようなのでその男性の帰り道をじっと見守ります。
目の前の大きな川は靴を脱いで、持っているかばんをぽんっと
頭に乗せてじゃぶじゃぶと渡っていきました。
川を渡り終えると「どうだ、見たか!」と
言わんばかりに私のいる列車を振り返ります。
私が手を上げると満足そうにうなずいてまた丘をずんずんと登っていきます。
彼はあっという間にその目の前の丘のてっぺんまで登っていきました。
頂上に着くと彼はまた振り返ります。
私は「まだ見てるよ!」と彼に手を振り返します。
彼はまた満足そうにうなずいて歩きはじめます。
・・・と発車の汽笛が鳴りました。
彼はその音を聞いて振り返って丘の上でジャンプしています。
私も今度は両手で大きく手を振りました。
列車は走りだし、彼の姿も見えなくなった。
彼はどんな家で暮らし、どんな生活をしているのだろう・・・
私の長い人生のほんの一瞬に彼が入ってきて、
彼の長い人生にほんの少し私がお邪魔して・・・・
人生はこんな出会いの繰り返しなんだけれど、
ここがインドだからか、彼がとてもやさしい目をしていたからか、
彼の姿が見えなくなったときなんだかちょっぴり切なくなった。
列車は案の定2時間ほど遅れてマルガオに到着。
結局インドにしては結構な値段を払って寝台車にしたにもかかわらず
13時間近くほとんどの時間をドアですごした私。
私ってやっぱり安上がりな女・・・・
夜も遅くなったのでこの日は目的地のゴカルナには向わず
マルガオで一泊することに。
うちの旦那の提案でこの日も結構良いホテルに泊まりました。
やつがヒッピーだったのはもう遠い昔の話なのかも・・・
「あなたはもう今はヤッピーになってしまったんだね。」
と言ったら
「ヤッピーはこんな小さな村には来ないよ」と言っていた。
ごもっとも・・・・
このホテルにはインドには珍しいダブルベッドのモダンな部屋でした。
マルガオの街はこじんまりしたとても小さな街で
朝の市場がとてもにぎわっていました。
いろとりどりの野菜にスパイス、お菓子、サリーなど
いろいろなものが売っています。
=花売り娘ならぬ花売りおばちゃん達=
カメラを向けると「おおっ!」と人々がワラワラと寄ってきます。
みんな快く写真を取らせてくれるので嬉しい。
うちの旦那は今回ビデオ担当なのですが、ビデオはもっと珍しいらしく大勢の人達に囲まれてしまっています。
ビデオのスクリーンを彼らの方に向けながら撮影すると、
スクリーンに自分が映っていることがびっくりするらしく
みんな鏡を見るときのように陶酔したり、
子供たちは変な顔をしてみたりしています。
これらはきっと面白い映像になっているだろうなぁ。
ところで、インドに到着してから私たち、一人も外国人を見ていません。
南インドはマイナーなのか、今はシーズンじゃないのか、
金髪の彼とのっぺりした私のコンビはどこに行っても結構目立つようです。
じーーーっとまっすぐ見つめてくる視線をあちこちからビシバシ
感じるのですが、やっぱりここにも物乞いも物売りもいません。
あの予備知識本の記述は何だったのだろう???
それとも私が一人になる北インドでそれは待ち構えているのかな?
普段日本ではうちの旦那に向けられる外国人を見る視線が
今回は私にも注がれるのでなんだか嬉しくて得意げに背中を
しゃんっと伸ばして歩いちゃったりしていました(笑)
一通り街を探索した後、我が家のえせヤッピーはなんと
タクシーとドライバーをチャーターしてきました。
マルガオからゴカルナまで2500ルピア。
日本円で約7000円近く。
ちょっと高いけれど、今回2週間しか時間が無い彼は
少しでも移動時間を少なくしたいらしいので
ゴカルナまでの移動はタクシーになりました。
途中、きれいな景色でストップして写真を撮ったり、
列車も止まらない小さな街でランチをとったりと
車でしか味わえないような時間を楽しみながらの道中を
たっぷりと楽しみました。
次こそヒッピーの街ゴカルナだ!!!
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