デリー~バラナシ 列車の旅





++++ デリー~バラナシ・列車の旅 ++++



夜8時30分発の夜行列車。
前に南で乗った列車よりもかなり値段が安い列車なので
今回は引き締めて乗らなきゃ・・・なんて思いながら
デリー駅へと向かう。



電光掲示板でプラットホームのナンバーを確かめるべく
掲示板を見上げるとそこにはなんと“遅延”の文字が・・・
8時30分の列車は11時50分になってしまっていた・・・



こんな時ってインターネットって本当に便利よね。
早速ネットカフェに寄って時間をつぶしたよ。
もちろん日記のアップもね!



11時20分頃に駅に戻るホームにはあふれんばかりの人だった。
気をつけて歩かないとホームから落ちてしまいそう。
外国人は私の見る限り一人もいなく、
あの独特の目線が一斉に私に注がれる。



電気も少なく真っ暗なホームにあふれんばかりの人。
真っ黒な顔は闇に紛れてあのギロリとでかい目だけが浮かんでみえる。
恐いよー・・・・




ホームではさらに40分位待ちやっと電車はホームに到着。
すると今までのんびりと座ったり横になっていたインド人たちは
一斉に電車のドアへと走る。



ものすごい量の大きな荷物を持っている人も少なくないので
小さな電車のドア付近はパニック状態になっている。
秩序なんて言葉はきっとヒンディー語にはないだろう。
あの混雑ぶりはそんな感じだった。



・・・とここで事件が起きた。
私はこの混雑が終わってからゆっくりと列車に乗り込もうと
後ろの方でのんびりと構えていたらなんと列車が走り出したのだ。







「%$!@/?#*?!!」







焦ったのは言うまでもない。
急いで降ろしていたバックパックを背負い、
修羅と化しているそのドアへ頭から突進した。



降りようとしている人、列車にばかでかい箱を持って乗り込もうとしている人、
その中へドアの手すりをしっかりと握って頭を突っ込む。
降りようとしている人がグイグイ押してくるので手がちぎれそうだ。




私が負けずに必死に戦っていたら見知らぬおじさんが私の手を引っ張ってくれた。


「ぎょえー・・・痛い・・・」


しかしこの手を放すわけにはいかない。
必死に引っ張ってくれているおじさんに応えるように
体をぐいっと列車に滑り込ませる。



はぁ・・・・
何とか列車に乗り込むことができた。
あまりの出来事にボーゼンと立っているその横で修羅場はまだ続いている。




列車を止めようと私のシートのすぐ横の非常ベルの紐を
必死に引っ張っているおじさんもいる。
しかし、かなりすごい形相で必死に引っ張っているも
そのベルはなぜか鳴らない・・・(苦笑)



この時期はホリディ直前だったので
たくさんの荷物を持って帰省する人がたくさんいること、
列車にただ荷物を運び込むためだけに乗り込んだ人も
たくさんいた事を後になって聞かされた。




結局皆降りれたのかしら???
一つのベッドに2、3人座っている人たちも少なくなかった。

バラナシ列車
=雑然とした列車内=



自分のベッドを探し出し、バックパックを乗せて
3段ベッドの一番上へと登る。
やっぱり前の列車はかなり良いクラスだったんだー。
シーツも枕も何もないただの狭いベッド。
でも、あの喧騒から逃れた今はここはかなり心地よい私だけの空間だ。




バックパックをチェーンの鍵でしっかりベッドにくくりつけ
まだ続いているどたばた劇をベッドの上から観察していたら
反対側の入り口からヨレヨレになったアジア人の女の子が歩いてきた。



なんと私のベッドの隣だ!
しかも日本人だった!!!
その子もしばらくボーゼンとした後荷物を乗せ、
ベッドに座ってほっとした後にようやく口を開いた。





「すごかったですねー・・・」





なんだか共に同じ戦争で戦った戦友のような気持ち。
細くてとてもかわいらしいその女の子はまだ大学生だそうだ。
若いのにたくましいなぁ。




しばらくお互いの旅の話なんかを交わした後、
だんだんと瞼は重くなり、バックパックを枕に
ゆっくりと夢の世界へと入っていった。



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