りらっくママの日々

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2009年04月26日
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カテゴリ: オレとボク
今日の日記



「アイツとボク23」



ボクは、家庭教師のバイトを増やしていた。
前は一人だけだったけど、
今は3人になった。
お陰でかなり忙しい。

一人は中学一年生の男の子、週に一回。
一人は中学二年生の男の子、週に二回。
それから、中学二年生の女の子は、試験前の月だけで週二回。


中一の男の子は元気だ。
陽気に学校で起こった話をベラベラとしゃべる。
お陰で、休みの時間ばかりになりそうな位だ…。

今の興味は…、
どうやら女の子らしい。


中二の男の子は大人しくて素直だ。
ゲームが大好きみたいで、お母さんが出してくれるお茶の時間には、
ゲームの話をしてくれる。
ボクは、彼と、お互い攻略法を教え合うようになった。

お互い、休み時間を楽しみにしている。
休憩10分。
文句を言わない、素直な彼は、すぐに勉強に戻る。


中二の女の子、
この女の子が曲者なんだ…。

その子は、ホントは女性が教えていた。
でも、あまりにも、前任の女性が度々休むせいで、
ボクがその代わりをするようになった。
が、
ボクになったら、成績が上がったとかで、
ボクに切り替わってしまったのだ。


「ねぇ、青先生は、不倫ってどうしてあると思う?」

ボクは飲んでいた紅茶をこぼしそうになった。

「フウちゃん…。いきなり何言ってんの?」

お茶の時間は、大体、フウちゃんが出す、「世の中って何?」攻撃だ…。

この前は、「勉強は何でしなきゃいけないの?」だったし、
その前は、「男って、大人になると態度変わるの?」だった。
その前は…

何だったろう?
とにかく、彼女の疑問はつきない。

でも、ボクは彼女の出す質問と会話を、密かに楽しんでいた。

「今ね~、友達のお父さん、アヤしいんだって。
でもさ、何でそんなことするんだと思う?
結婚してるんだから、わざわざ他の女の人と恋しなくてもいいと思うでしょ?」

「う~ん。そうだね。ボクもそう思うよ。」

あまり偉そうなことを言えないボクだけど、
この子に誤魔化しが聞かないことはわかっている。
変に話題を逸らすと、勘ぐられるのだ…。

「フウちゃんは?彼がいたら、他の人好きになったりしないの?」
「う~ん、そうだな…。」

フウちゃんのシンキングタイムが始まる。

「そんなこと断言できるのは、
今まで、好きになった人が、
たった一人だけ!
って人しか言えないことだと思うの。

私、好きな人がいるけど、
例えば、その人が自分と両思いになってくれたとしても、
隣の席にいる、
毎日いっしょの男の子が優しくしてくれて、
すっごい気が合ったら、
もしかして、
こっちのが好きかも?って思っちゃうもん。

だから、その考えが結婚してからも出ちゃったら、
不倫ってことが起こるのかなぁ?
って、思っちゃうのよね。

ね、先生?そう思わない?」

フウちゃんは満足そうに目を輝かせて、
ボクの顔を見る。

次は、先生の考えを述べる番だと言っているのだ。

「うん。そういうのもわかるな。
そうかもしれないね。」

ボクは、紅茶を一口飲んで、続きを話す。

「そうだな~。
ボクはさ、信号無視みたいなものだと思うよ。」

「なあに?それ?」

「赤信号で渡っちゃいけないってこと、人は知ってるよね?」

「うん。」

「でもさ、誰も見てなかったり、みんなやってるって思うと、
結構渡っちゃうよね。
心の中では、悪いことだってわかってるし、
いけないことだと知ってるのにさ。

こういうことって、人の気持ち次第なんじゃないかな?
渡らない人は、絶対渡らない。」

フウちゃんは、謎が解けたとばかりの笑みを浮かべた。

「先生、まさか、やってないよね~?」
「やってないよ~!」

今はね。

ボクは頭の中でフウちゃんに詫びる。


「ホントだ…!そうかも!そうかもね~!
うん、何だか、すっごい納得しちゃった~!」

フウちゃんは、嬉しそうにケーキを頬張った。

「じゃあ、納得してくれたなら、次の問題をやっちゃおうか。」

「え~っ。もう勉強~?」

「そうだよ。その為にボクは来てるんだからね。」

「じゃあ、ここまでやったら、また話の続きしてくれる?」

フウちゃんが、教科書のページを指す。

「終わりの時間より前にできたらね。」

目的があれば、この子は燃える。

最近、そのことがわかってきたので、
ボクがそう言うと、フウちゃんは、はりきって問題を解き始めた。


フウちゃんがそんなことを言うから、
ボクは、
カリナとフジサワさんのことを思い出してしまった。

カリナは、

ボクを好きでいてくれたけど、
しょっちゅう会っていた店長のことを、
そうして好きになってしまったのだろうか?

フジサワさんは、

信号無視をしたくなるほど、
ボクを好きになってくれたんだろうか?

ボクは…

いまだに二人のことを時々思い出す。

そして、

もう、あんなことは無いんじゃないか?

と、
思ってしまう。


夏に行った海は、去年のような出会いはなかった。

赤木くんには彼女が出来たし、
イグチくんも、故郷に彼女が出来て、
長期休みはギリギリまで帰っている。

海は、二人のノロケをさんざん聞かされた…。

(彼氏か彼女がいるか?と言う、コインゲーム2枚の表は、
一枚は、イグチくんだったのだ!)

年末が来て、
ボクは、カリナから去年もらった年賀状を眺める。

未練たらたらかもしれないけど、
ボクはカリナに年賀状を書いた。

  元気にしてますか?
  ボクは、相変わらずです。
  年明けは試験だね。
  お互いガンバロウ!


返事は期待できない。

でも、

ボクは年賀状をポストに入れた。



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最終更新日  2010年03月27日 16時21分21秒
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