りらっくママの日々

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2009年06月07日
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カテゴリ: オレとボク
今日の日記


「アイツとオレ42」



サキやバイトのみんなにもやってみた。

今でも覚えてる。
サキの答え。

「私はね~、砂浜を歩いているの。
波打ち際ってやつかな。
娘と手を繋いで歩いてるの。
海の中には、夫になる人がいて、
私たちに手を振ってるの。

波はちょっと遊べる程度ね。
海は海外みたいに、そんなにキレイじゃなくて、
海水浴ができればいいの。
でも、私達家族しかいないのよ。」

「へぇ~、オレたちの子供って娘なんだ?」

二人きりになった時に言った。

「だって、そういう情景が浮かんだんだから、しょうがないじゃない?
シンちゃん、娘より息子がいいの?」

「そうだな~。どっちでもいいや。
両方産めば?」

「も~、人が産むと思って、簡単に言うよね!
でも、シンちゃんは、女の子喜ばせるのが上手だね。」

「え…何が?」

「だって、”オレたちの子供”なんでしょ?
いつか本当にしてね。」

そう言ってサキは笑った。
オレはサキを抱き寄せて、キスをした。

遠い記憶。

今は別の女がオレの前にいて、同じ質問に答えている。
不思議なもんだな。


「え~っとね、珊瑚礁のキレイな海。
そこでスキューバーダイビングしてるの。
魚とかといっしょに泳いで、キレイな感じ。」

「へぇ~。波は?天気とか、時間とか。」

「波はね、あまり無いかな。
天気はすっごい良い天気。真っ青で昼間。」

「誰か人とかいる?」

「そうね、…好きな人と二人きり。」

ははっとオレが笑う。
人によって違うもんだな。

「何何~?早く結果教えて!答えは?」

「そこって、実際に行った場所でしょ?」

「うん、そうよ。オーストラリア。
すっごいキレイだったの。」

多分、新婚旅行とかだな…とオレは思った。
敢えて口には出さなかった。

「答えはね、コレはその人の心の海。
波は人生の荒波。
だから、タカダさんは、平穏無事に生きていきたい…ってことかな。
天気が良かったり、海水がキレイなのは、
その人の心の状態が幸せってこと。
朝とか午前中なら尚イイって聞いたかな。

夕暮れや珊瑚礁とかで海に色があるのはロマンチスト。
海との距離は社交性。
中にいる程社交的。」

「へぇ~!そうなんだ?
いいじゃーん、私!人は?」

「周りにあるのは、その人の人生で必要と思ってるもの。
タカダさんは、愛する人ってことかな?
魚は小道具とか?
雰囲気を盛り立てるものとか?
コレがペットとかだと、自分と対等じゃない、従順なものが好きってことだって、
先生が言ってた。」

「先生?何?そういう学校でも言ってたの?」

タカダさんが笑う。

「心理テスト教えてくれる学校?あったら面白いけどね~。
学校の授業でもう卒業って時に先生が教えてくれたんだよ。
当たってる?」

「結構、当たってる。
でも、社交性はどうかな?
自分からあまり行かないと思うんだけど。」

「そうだね。
でも、飲みに行こうとか言ってくれたじゃん。」

「ああ…そっか。
ねえ、赤木くんは?どんな海?」

オレはちょっと驚いた。
聞いたことはあるけど、オレに聞き返してきたヤツはいない。

「オレ?オレはね、
ここが真夏になった時みたいな、人混みの海。
オレは家族といっしょでその海を眺めてる。
泳ごうかな~って。」

「それって、どういう分析されたの?」

「ああ…。
淋しがり屋なんだね!って真っ先に言われたよ。
しょうがないじゃんかなぁ?
そういう海しか知らない頃の質問なんだから。
子供の頃、家族旅行した時の海なんだよ。
うちは、夏は必ず家族で近場の海に行くんだ。
オレだって、今とか、海外や沖縄とかのキレイな海を見てからだったら、
タカダさんみたいなこと答えたよ。」

タカダさんが笑った。

「波はあるの?」

「あるある。遊べる波がドブンドブン来るんだ。
波に乗れちゃうような。
オレ浮き輪に浮かんで、波に乗るの好きだったから。

でもさ、友達とかは海外やキレイな海見てなくても、そういうこと言うヤツいたよ。
思い出の海じゃないんだよな。
空想の海だから~とか何とか。
恋人といっしょに夕日を眺めている、秋の海とか、
犬と散歩してるとか、絶壁にフンドシで立ってるとか…ね。

オレは想像力が無いんだな、きっと。」

「そんなこと言ったら、私もじゃない?
いろんな人がいるんだね~。面白いね!
でも、私の子供の頃の思い出の海だったら、赤木くんと同じだよ。
沢山人がいる、夏の海。
ふふ…、でも赤木くん淋しがり屋か。
もしかして当たってるの?」

「かもね~。一番仲イイ奴に、それでからかわれた。
授業で隣にいたんだ。
いまだに、ボクが結婚したら、赤木くん一人で大丈夫?
とか言われるよ。」

オレはアオヤンの言ってたことを思い出した。

「友達思いな子だね。
で、大丈夫なの?」

「嫌なこと言うね~。
淋しくても生きていけるよ。
二度と会えないワケじゃあるまいし。」

「周りに人がたくさんいるのが、赤木くんには普通ってことかもしれないね。
でも、家族は必要ってことなのかもね。
で、人生遊びたくてウズウズしている…と。」

「何か浮気者みたいじゃん。
心理学者になれるよ。あ、心理テスト学者か。」

オレたちは笑う。
話をしなくても、
オレたちの代わりに
海だけは騒いでいてくれた。

波が寄せては返して、
しぶきのザザンっと言う音が、心地良く響いていて、
いつの間にか夕日がオレンジ色に海の色を照らしていた。

ロマンチスト…なるほどね。

オレはタカダさんの手を握った。
夕暮れの海はそんなことを自然にさせてくれた。
心が開放されているような、
不思議な気持ちになる。

このままずっとこうしていられたらいい。

でも、海の色がオレンジから藍色、黒へと変わって行きそうになると、
流石に時間の流れを感じて、
風の冷たさが堪えてくる。

タカダさんの冷たくなった肩を抱く。

「あったかいね、赤木くん。」

「タカダさんは冷たいよ。車に戻ろうか?」

「そうだね、顔が見えなくなりそうだね。」

「顔、見せてよ。もっと…」

オレは、タカダさんを抱き寄せてキスをした。
完全に暗くならないうちに。
まだ、タカダさんの顔が見えているうちに。




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最終更新日  2010年03月27日 17時23分36秒
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