スコシフシギな世界-藤子・F・不二雄ブログ

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2010.11.23
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若田光一さんが
学生たちの前で講演を行ったという
ニュースがありました。

ニュースを見た方も多いかもしれませんが
とても面白いものでした。
無重力の宇宙空間で、若田さんがゆっくりとボールを投げて
その後、素早く移動して、ボールを打ち返すという映像が流れました。
無重力なら、一人で野球ができるということですね(笑)
(詳しくは 「宇宙飛行士の若田さんが母校・浦高で講演」 の記事をどうぞ)

私は、この話を聞いて面白いな~と思うと同時に
ふと、ある漫画の一場面を思い出しました。


■ 二階の窓から野球ボールを落とす
倍速 ボールを投げる


■ 100倍の速さで移動
倍速 100倍で移動


■ 自分で落としたボールを自分でキャッチ!!
倍速 ボールをキャッチ


これは、藤子・F・不二雄先生の
スコシフシギなSF短編『倍速』というお話です。
今日は、こちらの作品を紹介したいと思います。


 < ストーリー >

■ アクション映画を鑑賞中
倍速 アクション映画 ハチャ メチャ

「ハチャ~」「メチャ~」・・・ってハチャメチャ?(笑)
F先生お得意の言葉遊びです。


■ 夢中になって見入る
倍速 せんべい かじる

倉札という男は、映画館でアクション映画を見ていた。
何をやっても遅い倉札氏は、素早さにあこがれていた。


■ 映画の主人公のようになりたい・・・
倍速 帰り道


■ 映画の真似をして蹴りのポーズ
倍速 蹴り


■ 運悪く誰かに当たってしまった
倍速 靴が当たる


■ 最悪なことに相手はチンピラだった・・・
倍速 チンピラに囲まれる


■ ボコボコニやられてしまう倉札氏
倍速 魔土災炎  勝てない

一人の男が、倉札氏をずっと見つめていた。


■ 倉札氏にあきれる
倍速 魔土災炎 反射神経の鈍さ

謎の男は、「鈍足でにぶい」と倉札氏に
いいたい放題、悪口を並べた。


■ 怒る倉札氏
倍速 魔土災炎 いいもの

しかし、謎の男も悪気があったわけではなく
不思議な時計を、倉札氏に差し出した。


■ 『倍速時計』
倍速 ドラえもんの手 魔土災炎 文字盤

ネオ的ナレーション

のび太 「え~ 何これ、何これ?」
ドラえもん 「倍速時計」

※ 本作には、のび太とドラえもんの会話はありません!!


■ 倍速時計を使ってみると
倍速 ラジカセ 音


■ 音が延びておかしい・・・
倍速 音が間延び


■ 今度はボールを落としてみる
倍速 ボール スローモーション

ボールは、スローモーションのように遅く落ちた。
不思議な時計を持っていると、遅くなるようだった。


■ 時間の流れを変える道具だと気づく
倍速 不思議な時計 のろくなる

ここで、冒頭で紹介した
野球ボールを2階の自分の部屋から放り投げ
自分でキャッチするという場面につながります。
倉札氏は、会社の仕事も素早くこなし、全てが順調に。


■ 今度は同じ会社で働く女性がチンピラの被害に・・・
倍速 チンピラ 若い女性

倉札氏が再び映画に行くと、今度は同僚の女性が
チンピラに囲まれてしまった!!


■ 靴をわざとぶつける
倍速 靴を放る

「倍速時計」を手にした倉札氏は
かつての自分とは変わっていた。


■ 相手が誰だろうと敵ではなかった
倍速 ノロノロ スロー


■ まさにアクションスターのようだった
倍速 倉札 キック

倉札氏は、同僚の女性に好意を持っていましたが
この事件をきっかけに、結婚することになります。
めでたし、めでたし・・・


さて、SF短編としても、いつもの藤子マンガとしても
ちょっと意外な「オトナ」のオチが待ってます(笑)
きっと、SF短編では「今まで書いたことのないようなオチ」を
書いてみようという、F先生なりの発想だったのかなと思っています





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Last updated  2010.11.24 02:06:47
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