すみません。またまた素人な質問で・・・(^^;)つまり酵素の働きを良くする為には酵素の働きが良い粉を選んだり、いろんな工夫が必要という事になりますが

>モルトも酵素の塊ですから、多く入れるほどその働きが強く出る。

発酵種やルヴァンも酵素の働きが強いので、使う際はこれを念頭に。

↑という事は、逆に言うとモルトを入れる必要がないというと語弊がありますが、モルトを入れなくても酵素の働きは粉やルヴァン種によって補えるって事になるんでしょうか? (March 28, 2007 10:38:56 PM)

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カテゴリ: ~手作りパン~

まずはフランスパンについてです。

フランスパンの生地は窯伸びの悪い生地です。

だからこそ高温の焼成と蒸気の力を借りて、生地が伸びやすいように焼きます。

生地そのもので大事なのは伸びやすい生地に作り上げるということ。

そのためにオートリーズを取ります。ストレート法では必須と思ってください。

オートリーズ中に生地中の酵素、特にプロテアーゼ系のタンパク質の分解酵素を働かせることが一番の目的です。

タンパク質を分解して生地を柔らかくし伸びの良さを引き出すのです。

オートリーズ中に水和が進み、その後の生地が出来やすくなるのも利点ですね。

よく、フランスパンは捏ねないと勘違いしている方がいるようです。

プロ用のレシピを見ると、そう勘違いするのも無理は無いかもしれませんね。

家庭でのパン作りとプロのパン作りは、まずミキサーも違うし、仕込み量も桁外れに違う。

特にスパイラルミキサーはフランスパンを短時間で捏ね上げる専用ミキサーですから、家庭用のミキサーより何倍も捏ね上がりの時間が短いのです。

更に仕込み量の差です。

生地が重ければそれだけ強い遠心力がかかります。

その分、生地は早く出来上がりますし、その後の一次発酵でも生地が重いほどに生地が自重でグルテンを作る力が強いので、仕込み量が多いほどミキシングを抑えることが出来ます。

なので、家庭でプロ用のレシピ通りの捏ね時間では決して生地は出来上がらない。

これは断言できます。

なので、私はアドバイスする際に、まずは薄い膜が出来るまで捏ねてみては?と言います。

とりあえず、それでちゃんと窯伸びのする生地が出来ます。

そこからはミキシングを落とすなり酵素の多い配合にするなり調節すればいい。

と、私は考えます。

上でも述べたとおり、フランスパンは伸びの良さを出してあげないと伸びません。

捏ねない硬い生地が伸びるはずがないのです。

捏ねて伸びる生地に仕上げるからこそ伸びる。

例えるならば。

柔らかいゴムで出来た風船は軽く空気を吹き込むだけで膨らむけど、硬いゴムだと強い力で空気を吹き込まないと膨らまない。

そんなイメージでしょうか。

次にフランスパンに関わらずパン作りでとても大事な酵素の働きについてです。

パン作りに影響するのは主にデンプンの分解酵素のアミラーゼとタンパク質の分解酵素のプロテアーゼ。

まずアミラーゼは無糖生地では必ず頭に入れておかなければいけない存在です。

コレが働くからこそ、無糖なのにも関わらず酵母は餌である糖分を得ることが出来るのです。

小麦には4%程度、製粉時に損傷したデンプンが含まれます。

コレが最終的に糖分に変わる元です。

損傷デンプンにα-アミラーゼが働きデキストリンと言う物に変えます。

それにβ-アミラーゼが働き麦芽糖に。

あとはそれを酵母が自ら持つマルターゼと言う酵素で分解し食べるのです。

ちなみに砂糖などの直接的な糖分はインベルターゼと言う酵素を使って分解し食べます。

例えばヨーロッパタイプのイーストはマルターゼもインベルターゼも強いけど、日本タイプはそれに比べ両方とも弱め。

天然酵母も育った環境で変わるのではないかと私は考えています。

無糖の生地で育った酵母はマルターゼが強くなり、糖分がある生地だとインベルターゼが強くなるのではなかろうかと。

あくまで推測ですが。

なので私は天然酵母でパンを作る場合、無糖なのか糖分を入れるのかによって、種にモルトを入れるか砂糖を入れるかを変えます。

話がそれました。

無糖生地で焼き色が付かなくなる、と言うのはアミラーゼが生地中のデンプンを分解し糖分を作る働きよりも、酵母が糖分を食べてしまうスピードの方が早くなってしまっているからです。

最終的に焼き色を決定付けるのは生地中の残存糖分ですから。

だから、無糖生地にはモルトを入れますよね。

モルトはアミラーゼ、プロテアーゼなどの酵素の塊です。

モルトを入れることでアミラーゼの働きを助け、糖分を作る働きを強化します。

モルトを入れたからと言っても、酵母が多すぎると意味がありません。

酵母が増えると糖分を食べる量が増える。

さらに発酵時間が短くなりますよね。

短いと言うことは酵素が働く時間も短くなる。

それだけ糖分を作る時間も減ります。

なので、無糖生地は発酵時間が長めになることが多いのです。

次にプロテアーゼ。

これはどのパンに対しても影響のある酵素です。

タンパク質の分解酵素であるプロテアーゼ。

簡単に言えばグルテンのつながりを壊していく存在だと考えてもらって差し支えはないでしょう。

生地は時間と共に緩み、ダレていくのは誰もが感じ取れることだと思います。

それがプロテアーゼの働き。

生地は時間と共に分解されているのだと、そのことを常に頭に入れておかなければいけません。

なので、発酵時間の長い物は途中でパンチを入れますよね。

分解されて粗くなった生地をつなぎ直すために。

(パンチには酸素の供給、生地温度の平均化という意味合いもありますが。)

例えば窯伸びの良い食パンを作りたい。

一番考えなければいけないのはホイロの時間です。

一次発酵やベンチタイムは長くなって生地が分解されすぎても、その後に力を加えてグルテンをつなぎ直すことが出来ますが、ホイロ時にはもう生地に力を加えることが出来ません。

なので、伸びる力を強く残す為には、出来る限りホイロが短くなる工夫が必要になるわけです。

時間をかけるほどに生地は分解され力を失っていく。

更に目は粗くなっていきます。

例えば、ホイロが1時間で終了できた物と、2時間かかってしまった物を比べるとよく分かると思います。

ホイロを短くする為には一次発酵で酵母の活性を十分に高めておくこと。

ホイロの室温を高くする。なので食パンなどは高温のホイロを取るのです。

力を残したいのだからパンチもしっかりグルテンをつなげますよね。

分割時の丸めもしっかりと強めだし、成形も同じく。

逆にフランスパンはパンチも丸めも成形も弱め。

ホイロも低温で長めになるようにします。

食パンとは逆に目を粗くしたいから、必然的にそうなるわけです。

この酵素の働きは灰分の高い粉ほど強い。

小麦の外側に近い部分ほど強い。

なので、その部分を多く含む石臼挽き粉や全粒粉なども強い。

色で見ると分かりやすいでしょうか。

灰色がかった粉ほど酵素の働きが強いと思っていただけたら。

モルトも酵素の塊ですから、多く入れるほどその働きが強く出る。

発酵種やルヴァンも酵素の働きが強いので、使う際はこれを念頭に。

生地をどれだけの強さで作るのか。

発酵時に酵素の働きで失われる生地の強さはどのくらい?

残存糖分は?生地の粗さはどれくらいになるように?

などを考えつつレシピ、工程を考えるのです。

とりあえず今回はこの辺で。。






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Last updated  March 27, 2007 06:08:42 PM
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理論的に。。  
生地がどうなって発酵するのか。どんな状態なのか。。だいたいは。。と思うのですが。それがなかなか実践につながらないのが事実です。。専門的に習ってないので、どうしてもむりがあるのでしょうか?
早くも次回が楽しみな私であります。。。
今日元種を破棄しました。。。涙。。酸っぱくなってました。。 (March 27, 2007 06:21:38 PM)

Re:理論的に。。(03/27)  
NOAH0607  さん
まめちゃんさん、こんばんは。

>生地がどうなって発酵するのか。どんな状態なのか。。だいたいは。。と思うのですが。それがなかなか実践につながらないのが事実です。。専門的に習ってないので、どうしてもむりがあるのでしょうか?
>早くも次回が楽しみな私であります。。。
>今日元種を破棄しました。。。涙。。酸っぱくなってました。。

ちなみに私は職場の人間に習った知識はほとんどありません。
店長ですら理論的な製パン理論を持ってませんから。
未だパン作りが発展途上の頃の日本のパン作りを引きずってる人ですから、今更パンの話をしても得られる物はないんです。
パン屋で働いている人の9割は、その古いタイプだと思われます。

なので、ほとんど独学。
本を読んで家で試作を繰り返し。
分からないことは、その時にすぐ考える。調べる。
プロとして良いものを作る責任がありますから。
プロ意識を持っていれば、常にそういうプレッシャーもかかり、勉強しなければいけない気にもなります。
負けず嫌いなので自分の知らないことを人が知っていることが嫌だって思う自分がそうさせるのかも。
(March 27, 2007 06:46:49 PM)

Re:製パン理論について少し。(03/27)  
やすのり さん
さっそくの返事ありがとうございました。
パンチを数回入れて冷発酵をしてみたいとおもいます。

それにしてもいつも素人に解りやすいコメント ありがとうございます。
がんばりま~す。 (March 27, 2007 08:16:33 PM)

Re:製パン理論について少し。(03/27)  
mermelada  さん
これだけ書かれるのに、どれだけ勉強され、試作され、文を書くのもさぞ時間がかかったことでしょう!ありがとうございました。
ちょっと読んだだけでは、行ったり来たりですので、ノートにまとめようと思います。
 興味があるのは、モルト、残留糖分などなど、、
本当にパンは奥が深い! (March 27, 2007 09:55:38 PM)

Re:製パン理論について少し。(03/27)  
よしTea  さん
化学的な話で一発ではピンと来ませんでしたが、
パンの工程と、各成分の状態を右脳的にイメージすることができれば、楽しくできそうです。
(⌒-⌒)
それにしても、素晴らしいというか、奥深い世界に入り込んで、とても感心しています。
(March 28, 2007 12:50:17 AM)

Re:製パン理論について少し。(03/27)  
marielilie  さん
いつもこちらで勉強させてもらってます!
漠然とわかり始めてきたこういう理論が、ここでさらに消化されていきます。
ありがとうございます (March 28, 2007 08:42:07 PM)

Re:製パン理論について少し。(03/27)  
ma0413  さん

Re[1]:製パン理論について少し。(03/27)  
NOAH0607  さん
やすのりさん、こんばんは。

>さっそくの返事ありがとうございました。
>パンチを数回入れて冷発酵をしてみたいとおもいます。
>それにしてもいつも素人に解りやすいコメント ありがとうございます。
>がんばりま~す。

上手くいきましたか??
より詳しい配合などを教えていただけたら、何かアドバイスできることもあるかもしれません。
暇な時にでもまたコメントくださいね。
(March 29, 2007 09:53:32 PM)

Re[1]:製パン理論について少し。(03/27)  
NOAH0607  さん
mermeladaさん、こんばんは。

>これだけ書かれるのに、どれだけ勉強され、試作され、文を書くのもさぞ時間がかかったことでしょう!ありがとうございました。
>ちょっと読んだだけでは、行ったり来たりですので、ノートにまとめようと思います。
> 興味があるのは、モルト、残留糖分などなど、、
>本当にパンは奥が深い!

尊敬する職人の1人に松原裕吉と言う方がいます。
その人はとても理論派の職人で、理論的にパンを作ることを大事にしているようです。
その影響もあります。
私もパン作りにおいて、製パン理論がしっかりしていること、と言うことが良いパンを作る上でとても重要だと考えていますから。
(March 29, 2007 09:56:17 PM)

Re[1]:製パン理論について少し。(03/27)  
NOAH0607  さん
よしTeaさん、こんばんは。

>化学的な話で一発ではピンと来ませんでしたが、
>パンの工程と、各成分の状態を右脳的にイメージすることができれば、楽しくできそうです。
>(⌒-⌒)
>それにしても、素晴らしいというか、奥深い世界に入り込んで、とても感心しています。

知識を頭のどこかに置いておくと、実際にその場面に遭遇した時に、とても納得のいく瞬間があります。
ただ作ってみるだけよりも、勉強しながら納得して作っていくほうが、更なる楽しみがあるんですよ。
(March 29, 2007 09:58:56 PM)

Re[1]:製パン理論について少し。(03/27)  
NOAH0607  さん
marielilieさん、こんばんは。

>いつもこちらで勉強させてもらってます!
>漠然とわかり始めてきたこういう理論が、ここでさらに消化されていきます。
>ありがとうございます

この部分を説明して、と言うのがあればリクエストください。
また気が向いたら日記にまとめようと思います。
(March 29, 2007 09:59:53 PM)

Re[1]:製パン理論について少し。(03/27)  
NOAH0607  さん
maさん、こんばんは。

>すみません。またまた素人な質問で・・・(^^;)つまり酵素の働きを良くする為には酵素の働きが良い粉を選んだり、いろんな工夫が必要という事になりますが

>>モルトも酵素の塊ですから、多く入れるほどその働きが強く出る。

>発酵種やルヴァンも酵素の働きが強いので、使う際はこれを念頭に。

>↑という事は、逆に言うとモルトを入れる必要がないというと語弊がありますが、モルトを入れなくても酵素の働きは粉やルヴァン種によって補えるって事になるんでしょうか?

例えば最近の日記では低温長時間で作ってますが、モルトは使ってません。
長時間、じっくり酵素を働かせるのでモルトを抜いても成り立つのです。
糖分を消費する酵母の量と、酵素の働く時間のバランスが整っていればモルトを抜いても作ることが出来ます。
モルトは酵素の働きだけですが、種は酵素の働きと共に酵母が住んでいて糖分を消費することも考えなければいけません。
種では完全にモルトの代わりにはならないというわけです。
(March 29, 2007 10:03:55 PM)

はじめまして  
パリテイスト さん
フランスパンがうまく焼けなくて、検索しているうちにここにたどりつきました。製パン理論、すごく参考になりました!いろいろパン教室には通いましたが理論的に教えてくれる先生はおらず、こんな先生がいてくれたらな~と思いました。
質問してもいいでしょうか。発酵させるとき、温度が高く、短時間のものと温度が低く、長時間のものと、外見は同じくらいの大きさになっていても、別の生地に仕上がっていると考えていいのでしょうか。2次発酵では発酵器にいれず、室温でも同じ大きさになればいいかなとよくやってしまっていたのですが・・・。よく冷蔵発酵で生地を作るのですが、室温で発酵させたものほど大きくならないのですが、ちゃんと焼けるので、それでもいいのかいつも疑問に思いながら作っています。初歩的なものですみませんがご回答いただけるとうれしいです。 (December 3, 2008 09:30:54 AM)

発酵と熟成。  
NOAH0607  さん
発酵と熟成は別物と考えます。
もっと細かく言うと、酵母の活性と、酵素の活性、グルテンの強度、pHなど。
それぞれ別に考えつつ、最終的にそれらが最適な状態になっていなければいけません。
低温の場合、酵母の活性に時間がかかります。
でも、時間が延びた分、酵素の活性がいつも以上に高まっています。
グルテンの強度もプロテアーゼの働きが延びた分だけ弱まっているはず。
そうなると膨らみは悪くなるし、食感も変わるでしょう。
アミラーゼの活性も高まるので火通りも悪くなります。
イーストの糖分の消費量とアミラーゼの糖分生成のバランスも変わるので、甘みも変化するはずです。
極端な話、別のパンになりうるということです。
私たちは毎日同じ品質のパンを提供することを心がけるのが当たり前で仕事をしなきゃいけない立場で、それは講師の方々も同じはずです。
なので、お金を払ってパン作りを習うのであれば「お金をもらって仕事をしてるんだから知ってて当然でしょ」くらいに厳しく質問して良いと思いますよ。
お金を払って頂くというのは、それだけ責任のあることなんですから。 (December 3, 2008 03:49:34 PM)

Re:発酵と熟成。(03/27)  
お返事ありがとうございます!そうですか、やはり発酵と熟成は別物なのですね。とてもスッキリしました。発酵に時間をかければかけるだけ、おいしくなるものだと思っていました(と教えられました)。その分、酵母の力は弱くなるかもしれないことは想像できましたが、グルテンの強度が弱まるとか、甘味が変わるとか、そんなところまでは思いもしませんでした。食パンのふくらみが悪かったのはそのせいだったかもしれません。
パン教室では、正直、本当に聞きたいことを教えてくれるところは、なかなかないです。あんまりつっこんで聞くと「うるさいやつ」と疎まれるかんじだったり、全然納得のいかない答えが返ってきて、これ以上聞いてもムダだな・・・と思わされることが大半です。カンパーニュの焼成に、天板を熱してから焼くようにしたら、底割れしなくなった、と先生が話していたので理由を聞くと「人間でもお尻に熱いものをあてがわれたらびっくりしてひきしまるでしょ、だから」と言われ、それ以上聞く気がなくなってしまいました。
あつかましいついでにもう一つお伺いしてもいいですか。フランスパンのクープが、割れてものっぺりしていてエッジが立たないのですが、考えられる理由はオーブンの性能が大半でしょうか。うちはガスオーブンで熱風がふきあれるので、オーブンにレンガを入れ300度で予熱して、生地を入れ、水を150ccほどいれて蒸気を出したあと、そのまま200度に下がるまで待って(蒸らして)焼成します。蒸らしている間にクープは開いてくるのですが、エッジはたたないんです。アドバイスいただけると幸いです。
-----
(December 3, 2008 05:40:22 PM)

伸びるのであれば・・  
NOAH0607  さん
クープが開く力があるのであれば、オーブンの性能や焼き方に問題はないと思います。
ナイフの入れ方に問題があるのかもしれませんね。
たとえば生地に対して垂直に入れると、その切れ目から両方に均等に生地が広がるのでエッジは立ちませんよね。
なので、とにかく角度をつけてナイフを入れることです。
で、深い方がエッジは立ちやすいです。
ただ、蒸気が多すぎると結果に差は出ません。
蒸気により切り口がくっついてしまうからです。
経験上、150ccは多いかなと感じます。
50~100cc程度でも十分な気はします。
少なめに入れると外側が伸びきれない分、内側の力が外に出ようとしてクープが開きやすくなります。

カンパの話ですが、底割れの原因は上火と下火のバランスの悪さでしょう。
後は蒸気不足も考えられます。
上火だけが強いと生地の上部が先に固まり、余った力が、まだ焼き固まってない下の部分にかかるわけですから、底が割れる可能性はありますよね。
蒸気が少ないと、よりそういうことが起こりうると思います。

発酵時間の長さについてですが。
たとえばイーストはエタノール系の旨み成分を作りますが、活性化が過剰になり酸素が不足し長期化するとアルコールが増えすぎて逆に好ましくない味になることもありますし、そこに酢酸菌が作用すると生地中に酢酸が生成されてきます。
そしてpHも下がります。
pHが低くく美味しいパンもありますが、アルカリ性の素材、たとえば卵や乳製品などの素材の風味をより活かしたい時はpHは下げない方が良い場合もあります。
酵素の点から見ると長時間の方がアミノ酸などの旨み成分が増えるので長ければ良いのですが、グルテンの強度やイーストの活性化のバランスを上手にとってやらないと、ただ重くて口どけの悪いパンになってしまうこともあります。
作りたい物のイメージに合わせて製法は変えた方が良いと思います。 (December 3, 2008 07:37:59 PM)

Re:伸びるのであれば・・(03/27)  
わあ…本当に打てば響くようなすばらしい回答です。本当にありがとうございます。

クープのナイフの入れ方、ナナメになるようには努力しているのですが、蒸気が多すぎるとダメなんですね!表面が乾いてはいけないと、どんどん増やしていました。さらに、切り口にキリまでふいてみたこともあります。蒸気少なめで試してみます。本によってはクープを入れてからオーブンに入れるまで5分まてと書いてあるものと、間髪いれずにと書いてある本があるので、迷います。5分待っているとその間にどんどんクープが開いてくるのですが、そのまま焼成すると、のっぺりクープになりがちでした。今度は間髪入れずに焼いてみようと思っています。

カンパーニュの底割れも、そういうことなんですね!
先生の所のオーブンも、上・下火を調節できないものでしたので、それでだったのかもしれません。そして蒸気は入れてないこともよくありました・・・。

発酵時間の長さの味に与える影響というのは、ずっと疑問に思っていたことなので、すごく納得できました。メモをとって自分なりに整理して、理解できました。
作りたいイメージは明確にあるので、がんばります。
本当にありがとうございました。
(December 4, 2008 05:20:35 PM)

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