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突然ですが、楽天ブログを閉鎖する事にしました。少しずつ変化する楽天ブログの機能に、「何かイヤダな~」と思ってはいたものの、長年住み慣れたここを引っ越す気もなく、ブログ自体をやめてしまうのももったいない、と言う思いで続けてはきましたが、本当にここはやりづらくなりました。ここでの記事はしばらくこのままにしておきます。リンクしてくださったみなさん、コメントくださったみなさん、突然ですが長い間本当にありがとうございました。又、どこかでお会いできる日を楽しみにしています。お元気で!
2012.03.24
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何か、楽天ブログどんどん使いにくくなってきている、と言うか、前の方が良かったなぁ。お引越しも考えようか、どうしようか…迷ってます。
2012.03.20
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2008年。イラク国籍でクルド難民の17歳の少年ビラルは、恋人ミナが住むロンドンに行く為フランスのカレにやって来る。同じくイギリス渡航を望む同郷の友人とトラックに乗り込んでの密航を図るが失敗。ビラルは英仏の間に横たわるドーバー海峡を泳いで渡る決心をし、市民プールに行きクロールの指導を受けようとする。とても切ない映画でした。フランスでは近年、移民、難民に対して以前と比べ厳しい措置が取られているというニュースを耳にしますが、それがまざまざと見せ付けられる思いでした。ビラルは、恋人に会いたくて何ヶ月もかけてフランスまでイラクから歩いて来ました。そして更に、何十キロも泳いで渡ろうと言うのです。この一途さに心打たれます。一方水泳のコーチ、シモンは、元はメダルを取るような名選手でしたが、今は市民プールでコーチ業。妻とは別居していて離婚調停中だけどまだ未練たっぷり。妻は難民の支援団体に属している為、最初は妻の気を引く為にビラルを助けます。しかし、ビラルと接しているうちにシモンの気持ちに変化が訪れます。名声のあった元水泳選手が、難民少年のひたむきさに自分の心も変化していき、その間に大きな友情を育んでいくとても良い映画でした。でも、心がちょっと沈みました。難民、移民問題は今の日本ではあまりピンと来ないのが実情でしょう。この映画も、フランス人の立場で観るか、難民の立場で観るかでも違ってくると思います。しかし、「クルド人」と言うだけでスーパーにも入れない、毛嫌いされる、と言う様子を見ていると、心が痛いのです。きれい事では済まされないけれど、人を人として扱わないような世の中ってとてもむなしくなるし、原題にはいろいろと考えさせられます。WELCOME2009年フランス監督:フィリップ・リオレ脚本:フィリップ・リオレ、エマニュエル・クールコル、オリフィエ・アダム出演:ヴァンサン・ランドン、フィラ・エヴェルディ、オドレイ・ダナ、デリヤ・エヴェルディ 他【25%OFF】[DVD] 君を想って海をゆく
2012.03.18
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この映画の感想は「どうしようかな~」っとずっと思っていてとうとう書かずじまいだったのですが、最近良く目にするマーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』のヒューゴ役の少年が、「あっ、彼だ」とどうしても本作の事を思い出させてしまい、やっぱり書くことにしました。第二次世界大戦下のドイツ。ナチス将校の父親の仕事の関係でベルリンから両親、姉、お手伝いさんと共に片田舎へ引っ越してきた8歳の少年ブルーノ。そこは殺風景で、遊び相手もいない土地。学校にも行けなくて家庭教師がやって来る。2階の部屋から遠くを見ると農場が見えるが、親から家の敷地以外に出ないように言われている。しかし、ある日ブルーノは家人の目を盗み庭の奥へ進んでいく。するとあの農場に行き着いたが、そこは有刺鉄線のフェンスに囲まれていた。そのフェンスの向こうにはブルーノと同じ年頃の少年シュムエルがいた。シュムエルは縞模様のパジャマを着てお腹を空かせていた。彼らはフェンスを通して親しくなっていくが…。お察しのとおり、有刺鉄線の向こう側にいるのはユダヤ人たちです。ナチスの将校の息子とユダヤ人の少年の心温まる友情・・・と行きたいところですが、まさかこんな結末になるとは…。この将校一家が引っ越してくる家のシチュエーションや、ナチス中尉の父親の設定など、又ブルーノの父親の母(ブルーノの祖母)の設定などは違和感があるのですが、そういうナチスの関係者の中にも戦争やホロコーストに対して反対している人がいたと言う事を言いたいのか。ユダヤ人収容所についても突っ込みどころも多いのです。子供って残酷だから、自分が怒られそうになったら嘘をついてしまう、いや、子供だからってわけじゃなく、大人が真っ先にそういうことをやってしまうのかもしれませんが、シュムエルが酷い目にあってしまうシーンや、家で働くいつも怯えているユダヤ人の姿が胸にグサグサっと突き刺さってしょうがありませんでした。そして、まさかのラスト。どんなに悔やんでも取り返しがつかないこと。もう嫌になります。THE BOY IN THE STRIPED PYJAMAS2008年イギリス/アメリカ監督/脚本:マーク・ハーマン原作:ジョン・ボイン出演:エイサ・バターフィールド、ジャック・スキャンロン、アンバー・ビーティー、デヴィッド・シューリス、ヴェラ・ファーミガ、ルパート・フレンド 他縞模様のパジャマの少年(DVD) ◆20%OFF!
2012.02.26
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6歳の息子を手に掛けて15年の刑期を終えたジュリエットは、妹のレアと再会する。ジュリエットが服役して以来、両親から姉の存在を忘れろと刷り込まれてきたレアは、失われた年月を取り戻そうと決意していた。ジュリエットはレアの家に身を寄せ、レアの夫リュックと病気で口が利けなくなったレアの義父、そしてベトナムから迎え入れた養女2人と一緒に暮らすことになった。ジュリエットは、罪を犯した理由を裁判でも決して語らなかった。当時の夫は彼女の逮捕と同時に離婚した。ジュリエットに罪を犯した理由をいつまでも聞かないことでリュックはレアを責め、ジュリエットも心を閉ざしたままだった。しかし、養女のプチ・リスはジュリエットになついていき、次第にジュリエットの頑なな心も解けていく。静かな展開ながら、心にじわ~っと染み込むような作品でした。年齢の離れた姉妹の姉が犯した罪で、その後姉の事を忘れるように両親から教え込まれた妹。表向きはそうしていても心は忘れるはずもない。認知症になった母の他は妹だけが唯一の身内。妹は一生懸命空白の時間を埋めようとするけど姉の心はなかなか開かない。15年間も服役していれば、出所後すぐにいろんな事に対応するのは無理だと思います。その辺の姉の心情と、それを受ける妹の気持ちをとても丁寧に描いていました。彼ら2人の心情だけでなく、妹レアの夫や、他の登場人物とジュリエットの関わりあい方も多くの人物が出ているにも関わらず、わかりやすく丁寧な描き方です。ラストに明かされる息子殺害の理由は途中で何となくわかりますが、それで15年の服役は長いのではないか、と言う疑問を持ちます。ジュリエットが裁判で具体的な理由を言わなかった、そこまでして言いたくなかったのか。そこがちょっと引っかかりはしましたが、その事自体よりもその後の人間模様を一番描きたかったのでしょうから、それはそんなに問題でもないかもしれません。だから、本当にラストに理由がわかるのでしょう。ただ、もっと充分に納得できる理由が欲しかったというのが本音ですが。小説家フィリップ・クローデルのオリジナル脚本で、監督デビュー作品だそうですが、デビュー作でこれだけ良質の作品とは、今後が楽しみです。IL Y A LONGTEMS QUE JE T’AIMEI’VE LOE YOU SO LONG2008年フランス監督/脚本:フィリップ・クローデル出演:クリスティン・スコット・トーマス、エルザ・ジルベルスタイン、セルジュ・アザナヴィシウス、ロラン・グレヴィル 他【25%OFF】[DVD] ずっとあなたを愛してる
2012.02.19
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コブ(レオナルド・ディカプリオ)は人がいちばん無防備になる夢の中にいる状態のときに、その潜在意識の奥底に潜り込み、他人のアイデアを盗み出すという犯罪のスペシャリストである。危険極まりないこの分野で最高の技術を持つコブは、陰謀渦巻く企業スパイの世界で引っ張りだこの存在だった。しかしそのために、国際指名手配犯となり、最愛の妻の殺害容疑者として逃亡の身となっていた。そんな彼に、幸せな人生を取り戻せるかもしれない絶好のチャンスが訪れる。そのミッションは、インセプションと呼ばれるものだった。それは彼の得意とするアイデアを盗むミッションではなく、他人の潜在意識に別の考えを植え付けるという難度の高いミッションで、ほぼ不可能だと言われていた。それでもコブは、それを最後の仕事と決め、業界トップの類まれな才能をフルに活用し、万全の準備をしてミッションに挑むが・・・こんなストーリーをよく考えるなー、とクリストファー・ノーランに脱帽。夢の中で夢を見る、夢の中だから思うようにならない、でも、これは夢の中での出来事だから、と済ませられる。そんな特殊な「夢」と言うものを媒体に実に上手く練られて、表現された作品だと思います。迫り来る、跳ぶ、落ちる、広がる、映像もすごいのでやはりこれは映画館の大スクリーンで観るべきでした。正直公開当時はあまり興味が沸かなかったのですが、惜しい事をしました。エレン・ペイジ演じる女子大生は、この道初体験。彼女の気持ちが一番視聴者に近いところにあるのかもしれません。しかし、実はこの複雑極まりない映画、完全には全部は理解できていないような気もします。夢と現実を行ったり来たり、頭の中がゴチャゴチャになりそうですが、この不思議さ、世界観はすごく好きです。INCEPTION2010年アメリカ監督/脚本:クリストファー・ノーラン出演:レオナルド・ディカプリオ、渡辺 謙、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤール、エレン・ペイジ、トム・ハーディ 他[DVD] インセプション
2012.02.15
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三組の夫婦と小さな子供たち、ドイツ人女性と離婚した友達アーマドはリゾート地に旅行へ行く事に。その中の一人セピデーは、子供たちの通う保育園の先生エリを旅行に誘い、アーマドとの出会いの場にしようと考えた。セピデーが最初に予約していた別荘は手違いで満室の為、海辺の古い別荘に案内される。美しく聡明なエリは、すぐに皆と打ち解けて休暇を楽しむが… 久しぶりのイラン映画です。以前観た数本のイラン映画は、とても貧しくて、そのシチュエーションだけで胸が締め付けられる思いがありましたが、今回の登場人物は若い中産階級の夫婦たち。大学の同級生の女性たちの家族なのです。ですから、現代のイランのその人たちの暮らしぶりも垣間見られるわけですが、随分印象が変わりました。結構自由に、気ままに生活を楽しんでいるようです。女性はイスラム教徒特有のヒジャブ(顔頭を隠すスカーフのような布)を巻いてはいますが、車も運転するし、この中ではみんな大学を出ているし、失礼ながら私のイランに対する印象はもっと古臭いものでした。リゾート地に小旅行に来るくらい金銭的に余裕もある。でも、もちろんこれは一部の層の事でしょうけど。ところが、エリが突然に姿を消してから、彼女の事を調べていくうちに、やはり文化の違いが色濃く出てきます。今までイランに抱いていた印象とのギャップちょっと驚き、後半は今までの穏やかさが一転。エリを探す中でのいろんな人間模様、彼らの慌てふためく様子など、前半との対比が生々しく、思わず引き込まれて観てしまいました。結局どういう風に収めるのか気になってしまい…。自由なイラン女性、と思いかけたものの、やはりイスラム社会の伝統は根強く生きているのですね。キャストの女性たちは皆きれいです。セピデー役のファラニの顔を見るたび、長谷川潤が思い起こされました。ただですね、あんな小さな子供たちが海の近くで遊んでいるんです。もっとちゃんと見ておかなくちゃ、です。DARBAREYE ELLYABOUT ELLY2009年イラン監督/脚本:アスガー・ファルハディ出演:ゴルシテフ・ファラニ、タラネ・アリシュスティ、シャハブ・ホセイニ、メリッサ・ザレイ 他【送料無料】彼女が消えた浜辺
2012.02.11
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1月に行われた、『スターズ・オン・アイス2012』の東京公演の模様をやっと夕べBSジャパンで観ることが出来ました。毎年楽しみにしているこのツアーの放送。生で観る事がなかなかできない地方に住んでいるものにとって、テレビ放映は本当にありがたいです。今回は安藤美姫がツアーメンバーとして参加していました。その中で印象に残ったものを。荒川静香の『Nessun Dorma』。もういい加減見飽きたかな?と思って観始めたのですが、やっぱりこれは何度観てもいいです。プロに転向すると極端に太ってしまったり、ジャンプがほとんどなかったりするプログラムがありますが、静香ちゃんは、いつまでもスリムでいて、質のいいジャンプ、軽やかな身のこなし、美しいスピン、スパイラルで本当に素晴らしいです。プロになってからは本当にいろんなバリエーションのプログラムをこなし、アマチュアの時よりもちろん表現力も増しましたし、これぞゴールドメダリスト、と言った感じがします。それに比べ、と言ったら何ですが、サーシャ・コーエンは太りすぎ。相変わらず柔軟性があって、スピン、スパイラル、バレエジャンプなど素晴らしいし、プロならではの表現力もあるのですが、太った分どうしても重たい感じがするし、スピード感もないです。ちょっと残念。キョウコ・イナ&ジョン・ジマ―マンの演技を久々に観たが、素晴らしかった。彼らは39歳と38歳になるのか…でも、年齢を全く感じさせない高い技術に圧倒された。そして、チン・パン&ジャン・トンペアは相変わらず素晴らしい。同じ中国の申雪ペアも良いですが、私はどっちかと言うとパン&トンの方が好みのスケーターなのです。カートは相変わらずエンターテーナーですね。足元の動きは細かくて、表情も豊かで、感じも良くて。でも、今回カートのプロデュースだったと言う事で、もちろんグループナンバーとかもカート色満載でした。彼のプロデュースだからそれでいいのですが、もうちょっとダンサブルなものが観たかった、と言う気持ちもあります。小塚選手とカートの共演。面白かったけど、お互いがお互いの事をちょっと気にし過ぎて、それが演技中に見え隠れしていたので何か消化不良な感じ。時間のない中で合わせたのだろうからしょうがないですけど。ちょっと物足りなかった。小塚選手の個人プロは、カート振り付けの『Hello, Goodbye & Safety Dance』よりも、『Cello Song』の方が好きなんだなー。ゴルデーワ!嬉しかったです。オリンピックに初出場した時から大好きなペアでした。40歳になった今もずっと滑っていて、相変わらずエレガントだし、美しくて本当にすてき!貫禄もあるし、カタリーナ・ビットより、エカテリーナの方が好みのスケーターなのです。それから真央ちゃん。『ジュピター』は観る度にどんどん良いプログラムに彼女は演じていっているように思います。曲も透き通るような歌も合っていますが、緩急のある振り付けに、その思いがひしひしと伝わってきて、又夕べも涙してしまいました。ジャンプの調子も上向きのようです。まるで天使が舞っているような『ジュピター』。感動のこのエキシビションナンバーは、彼女の代表プロにもなるのではないでしょうか。そして、今回私が何よりも言いたかったのは、高橋大輔の『ロクサーヌ』です。実況では6年前のショートプログラム、と言っていましたが、SPではもちろん歌詞なしで内容も違います。昨日の『ロクサーヌ』は正式には、2006年~2007年シーズンのエキシビションナンバー。私はSPの『ロクサーヌ』も大好きでしたが、このエキシビナンバーがもう大好物!?でして、今の大ちゃんがあの『ロクサーヌ』を滑ったらどんなだろう?とホント常々考えていたので、今回プログラムに入っていると聞いた時には、マジで狂喜乱舞しそうでした。正直過去のナンバーを滑る事はもうないのだろう、と思っていたので。それで昨日観て、いや~ぁぁぁぁぁ~もうKOされました。昔の『ロクサーヌ』にも虜になったものですが、今回のは本当に洗練されていると言うか、自然体。若い頃は体力も有り余っている感じで滑っていて、激しく、そしてセクシーさを出そう出そう、としていたように思います。でも、今回は大人になった高橋大輔そのままが出ていた感じで、本当に魅力的な『ロクサーヌ』でした。セクシーだけど自然体で、だけど重厚感がある。この重みとはきっとオーラなのだと思います。最近、大ちゃんの放つオーラが益々増してきたようです。ちょっとうるさいな、邪魔だな、と思っていた解説の八木沼さん、アナウンサーさん、黙ってしまいましたね。それはそうでしょう。魅せられました。素晴らしかった。又『ロクサーヌ』やって欲しい。『ロクサーヌ』もいろんなスケーターが滑っているけど、誰が何と言おうと大ちゃんの『ロクサーヌ』はSPも含めてピカイチです。夕べは何度もリピートして笑われましたが、又さっきも観てしまいました(笑)。良いもの見紗せていただきました。ありがとう!今週は四大陸選手権ですね。真央ちゃん、大ちゃんはじめ、日本選手の活躍を期待します。
2012.02.08
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ある企業に勤めるレイ。彼は他人と深く関わらずに生きてきた。唯一の趣味は、ロボット型のプラモデル。母の葬儀の後、図らずも実家に戻ることになったレイ。実家には、4年間引きこもり状態の兄モーリー、勝気でいつも上から目線の大学生の妹リサ、猫の「センセー」。そして、母が死ぬ前に日本から呼び寄せた祖母がいた。この「ばあちゃん」は、毎朝トイレから出てくるといつも深い溜息をつく。レイはこの事が気になってしかたがないが、兄妹は気にしていないようだ。英語を全く理解しない祖母と3兄妹の生活はなかなか上手くいかないが…『かもめ食堂』のあのまったりした中でホッと出来、フィンランドの景色や北欧家具、グッズに囲まれた雰囲気が大好きで、今回もその荻上直子監督の作品だと言う事で興味を持ちました。ただ、タイトルが『トイレット』、つまり[便器]ですからね。一体どういう映画なのか皆目検討もつかずに観たのです。台詞はオールイングリッシュ。パニック障害で4年間一度も家を出なかった兄は、ちょっとのことですぐにレイの職場に電話をかける。妹はいつも命令口調で、何かと彼らに振り回されている感じの次男レイの、いかにも振り回されそうな雰囲気がこの俳優に妙に嵌っています。そして、日本から来た「ばあちゃん」にもたいまさこ。とにかく一言もしゃべらず、にこりともしないばあちゃん。いくらばあちゃんでも、こんな感じの人と一緒に暮らすのは容易じゃない。でも、一緒にいるうちに、言葉はわからなくても何か通じるものがある。物言わずとも、ギョーザを作る事で、それを温め直して用意してくれる事で、ばあちゃんの優しさも伝わってきます。そして、自分の思うように生きたらいいよ、と言っているようなメッセージを残してくれたばあちゃんと孫たちとの絆が少しずつ深まっていく様子は、やっぱりほっこりします。孫たちは“grandma”とか言わずに「ばあちゃん」と日本語で言うのがかわいかったし、いい響きでした。それにしても、日本のウォシュレットは考えてみたらやっぱりすごい。普段当たり前のように使っているから、温かい便座とウォシュレットのないトイレに出くわした時はそのありがたさに改めて気付かされるわけですが。最後のオチにも笑ってしまいました。「ああ~、そんなぁ~。」思わず最後まで見入ってしまいましたが、謎の部分も結構ありました。ばあちゃんは本当にウォシュレット付きトイレをそんなに懐かしがっていたのか。最初私は溜息の理由は便秘なのかと思っていました。本当はお腹の調子が悪かったのかもしれません。でも、不調の原因はトイレが代わった事か?レイたちの亡くなった母親は、自分の幼い頃別れた母親を、何故今頃探し出して日本から呼び寄せたのか。サチ・パーカー演じるあの謎の女性は?もうちょっとだけ活躍させても良かったかも。モーリーは結局○○ではないのか。なぜ○○○○が必要なのか。いや、これは別にはっきりさせなくてもいいのですが。でも、インド人のレイの同僚は良かったです。まあ、あまり深く考えずに観るのには良いと思います。謎を追求したい方にはちょっと物足りないでしょう。私は今回、ちょうどその半分、と言ったところの印象でした。その部分は観る人が考えてください、的なものがちょっと多すぎる気がしないでもなかったし。もたいまさこが何を言うか、何か言うだろう、と思っていましたが、あの一言でしたか…。トイレット2010年日本/カナダ監督/脚本:荻上直子出演:もたいまさこ、アレックス・ハウス、タチアナ・マズラニー、デヴィッド・レンドル、サチ・パーカー 他【22%OFF!】トイレット(DVD)価格:3,849円(税込、送料別)
2012.02.04
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1950年代のフランス。雪に閉ざされた自宅に、クリスマス休暇で長女のスゾンが帰ってきた。しかし、メイドが主人のマルセルの部屋へ朝食を持って行くと、彼はベッドで背中をナイフで刺され死んでいた。犯人が外から侵入した形跡はない。警察に電話をするが電話線が切られ、大雪で外部との接触を完全に裁たれた8人の女たちは・・・。 ダリュー、ドヌーヴ、ユベール、べアール、アルダンなどの豪華女優たちの共演。正確には死体やちょっとした後姿で主人のマルセルでドミニク・ラミューが出てはいますが、ほとんど女性だけの出演作品。密室での殺人。アガサ・クリスティ作品を思い起こさせるような展開になりそうな雰囲気。大雪に閉ざされた大邸宅。侵入者はいないようだ、では誰か?話が進んでいくうちに女たちそれぞれの秘密や思惑が明らかになっていきます。最後はちょっと拍子抜けのような感じもしますし、女性だけと言うのはやはりどこかジメジメしたものになりがちですね。しかし、色彩美、家の中の家具やそれぞれの女優たちの醸し出す雰囲気を堪能できるだけでも儲けものです。カトリーヌ・ドヌーヴのちょっと意地悪そうな迫力ある美貌と、ヒステリックなイザベル・ユベール、悪女っぽいエマニュエル・ベアールとファニー・アルダン。そして何よりお元気でまだまだ美しいダニエル・ダリューらの活躍を見ると、栄光のフランス映画の歴史を感じさせられます。ただ、今回も出た。ミュージカル仕立てのサスペンス、と言う狙いなのかもしれませんが、ミュージカルと呼ぶにはお粗末な歌やダンス。これが良い、という人もいるのかもしれないですが、私は「勘弁して!」と言いたい気分です。8 FEMMES2002年フランス監督:フランソワ・オゾン脚本:フランソワ・オゾン、マリナ・ドゥ・ヴァン原作:ロベール・トーマ出演:ダニエル・ダリュー、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユベール、ファニー・アルダン、エマニュエル・ベアール、ヴィルジニー・ルドワイヤン、リュディヴィーヌ・サニエ、フィルミーヌ・リシャール【25%OFF】[DVD] 8人の女たち
2012.01.29
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町田樹選手、無良崇人選手などはやはりさすがの演技でした。トップ3に入るにはもう少しなんでしょうけど。その壁も厚いのか。無良選手などは以前世界選手権に出た頃、もう次はこの人か、と思っていたのですが。男子の若手もいい選手が育ってきているようですね。日野龍樹選手や、田中刑事選手も気になりましたが、やっぱり今の一押しは宇野昌磨くん。本当にリズム感がよく、ダンス心があり、どんどん上手くなっている感じがします。あとは、身長が伸びれば…。でも、又急成長するとジャンプに影響が出てきたりもするでしょうが。女子は本当にジュニアの選手たちが急成長と言った感じです。宮原智子選手、佐藤未生選手、鈴木春奈選手、特に鈴木選手は好きになりそうな選手です。その中でも庄司理紗選手のエレガントな滑りと大人っぽさと、でもダイナミックさもあるところはやはり一番私の好きなタイプの女子選手の要素を兼ね備えていて良いです。他には村元姉妹もいいですね~。お姉さんの小月選手は以前からエレガントで、お顔もきれいでいいな、と思っていましたが、今回妹の哉中選手を初めて観てちょっと衝撃。SPの「ミッションインポッシブル2」の曲に合わせたフラメンコ調の振り付けがとってもセクシーで感じが出ていました。雰囲気あるワー。それから、フリーでは調子が悪かったのでしょうか放送されませんでしたが、國分紫苑選手のSPもすてきだったー。振り付け誰なのでしょう。今回、振り付けがいいなーと思った選手が男女問わずすごく多かったのです。全日本はジュニアの選手たちも多く出場するし、知らない選手を知るチャンスもある大会。テレビ放映も出来るだけ、そういう選手たちもたくさん映して欲しいです。期待の出来る選手たちがたくさんで、今後もフィギュアスケートは楽しみです。
2012.01.22
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随分と遅くなりましたが、全日本フィギュアの続きです。女子のフリーは、ジュニアの子達の活躍に目を見張るものがありましたが、その話題は又後で。それでも、やっぱり今回どうしても特に真央選手の演技は特別なものでした。いつも通りで、と思っている彼女に対していつも通りに観よう、と思うと余計に力が入ってしまいそうでした。でも、『愛の夢』の曲が流れ始めると、スーッとしなやかに滑っていく彼女のスケーティングには、こちらも緊張しながらも何故か微笑んでしまうような、私もそんないつも通りの彼女のスケーティングを観る時と同じ感覚で見始めました。しなやかで、エレガント、だけどダイナミックさもある。私が好きな女子選手のタイプはこんなスケーティングをする人です。真央ちゃんのスケーティングはまさにそれ。そして、彼女の表現力はその滑りの中で見事に開花させて、芸術性を披露してくれます。今回もそんな滑り。回転不足だの、トリプルアクセルだの、そんなものは二の次、と言うと怒られるかもしれませんが、真央選手の演技にはいつも私を夢中にし、何回でもリピートしてしまう何かがあります。これは高橋大輔選手にも言えることなのですが。でも、今回違っていたのは、ショートの時もそうでしたけど、フィニッシュして天を仰ぐポーズをした時に、私の目から涙が溢れ出た事でした。いつの頃からだろう、彼女の演技や、インタビューに涙して観ることがありだしたのは。多分、ラファエル監督から離れ一人で臨んだ世界選手権あたりからかもしれません。今回は特に、失礼ながら真央ちゃんの事を娘のように想って見ていたからかもしれません。彼女はインタビューでも決して「母」と言う言葉を使わなかったし、いつも通り言い訳は一切しませんでした。一度だけ記者会見で「今回も一番近くでいるような気がしてたので、何も報告しなくてもわかっていると思います」と言った時、ちょっぴり声が震えて涙目になっていましたね。彼女は精神的に本当に強い人だと思います。でも、大切な人を失った悲しみは日を追うごとに増してくるものです。今は先の試合のことで忙しいから気も張っていると思いますが、その後が一気に寂しくなるかもしれません。世界フィギュアが終わったら、本当にのんびりとさせてあげられたら良いと思います。彼女のスケーティングには品があります。その気品の中から感じられる色気もあります。いつだったか、ラサール石井がなんかアホな事をツイッターでほざいたと話題になりましたが、石井氏にはあの上品なセクシーさがわからんのですかね?それがわからないのだったら、舞台演出をやる資格と言うか資質がないんじゃないかと思います。他の選手とMOIについては又後日。
2012.01.11
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昨年は私個人と言うよりも、東日本大震災が引き起こした事柄で、あっという間に過ぎ、いろんな事を深く考える事の多い年でした。以前、〔酉年〕と言うのはあまり良くない、と聞いたことがあったのだけど、年末にたまたまお話をしたあるお寺の坊守さんが、「〔卯年〕は、兎がピョンピョン飛び跳ねてて落ち着かないので良くないそうですよ」と仰ってました。どちらにしても、今年は辰年だから昇り龍でいい年になって欲しいです。家のも今日から仕事、子供たちも自分たちの計画で遊んでるから、今日から私もやっと自分モードです。今年ものんびりマイペースでなかなか更新しないかもしれませんが、お付き合いください。どうぞ、よろしくお願いします。全日本フィギュアの感想は又後日。
2012.01.04
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一昨日から全日本フィギュアが始まりました。男子SP。これは高橋大輔選手に限るでしょう。4回転は回避するって言ってたのに、もうすんばらしい完璧の4回転、おまけに3回転もつけちゃって!鳥肌もんでした。本人も言っていたけど、確かにNHK杯の時の方が他の滑りはほんのちょっと良かったかもしれません。と言うか、カメラのアングルによって全然変わってくるので、私は見た目でそんな感じをうけたのですが。国内大会なので点数は甘めだと思いますが、それでも納得の点数でした。それが…昨日のフリーは、「オイオイ」と言いたくなるような3コケで…。大ちゃん、しっかりしてよ!まったく油断できない男です(汗)ステップや表現力は素晴らしかったですけども…でもね。それでも実はホッとしている部分もあります。GPファイナルのフリーや今回のSPがあまりに素晴らしすぎて、又点数も良すぎて、国内大会でちょっぴりもったいない、と言うか、今こんなに調子が良いと世界選手権までその調子が持つのか?と言った不安もあったのです。(はじめから世界フィギュアに出る気持ちでいたのだけど…)家でも、その話をしていた矢先にこれですから。まあ、世界選手権までSP,FPとも完璧、と言うのを取っておいてください。本当に危ない、逃げ切り、という表現がぴったりの優勝でした。SPの貯金がなかったら完全に優勝はありませんでしたね。今回の大ちゃんの優勝に疑問を持った方もいるかもしれませんが、確かに演技構成点と言う不思議さはどの大会でも見受けられます。ただし、カナダのPチャンと同じだと思ってはいけないと思います。彼はどんな大会でも、そしてGPファイナルのSP、FPの両方であんなにグダグダなのに恐ろしく高い点数でその両方で1位でした。それは今回の高橋選手とは違います。これを言うと異論を唱える人があるだろうけど、高橋選手はPCSの特に「演技力」や「曲の解釈」と言った項目では世界中のどの選手よりも飛び抜けて、ずば抜けていると思っています。こんなに表現力のある選手は現役選手ではいないと。だからPCSの点数が高くて当たり前だと言う印象です。(今から言う事は小塚選手ファンの方にはごめんなさいですが)小塚選手も表現力が付いてきたと言われていますが、正直高橋選手とは比べ物にならない、というのが私の印象です。もちろん彼のスケーティング技術は素晴らしいです。ただ表現力に関しては、です。去年のPCSで小塚選手の得点が高橋選手と大差なかった時はその事は私には不思議でした。だから、なのです。演技構成点に対する印象と言うのは本当に人それぞれだと思うのです。だから曲者なんだと。私はこう思っても全く違う意見の人もいるでしょうし、私に賛同する人もいるでしょう。この厄介さがいろいろ疑念を抱く元になっているんだと思います。ちなみに、Pチャンも表現力がそんなに素晴らしいと思ったことはないんです。もう、その人の感じ方のみ、の世界なんでしょうか。こうなると、スケーティング技術とは別に、音楽やダンスの専門家をジャッジに加えるのも必要なのかも知れないと思ったりもします。そして女子のSP。真央ちゃんがどういう風な演技をするか、ちょっと固唾を呑んで見守る気持ちでした。会場の雰囲気もそうだったようですね。真央ちゃんはいつもどおりに、凛として、キラキラとすてきなお姫様で素晴らしい演技をしてくれました。相変わらずエレガントで、でもちょっと勝気なお姫様。そして、フィニッシュで天を見上げた表情に、グッと来るものがあり涙が出ました。きっと、今日もいつも通りに。
2011.12.25
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久しぶりのタランティーノ作品を鑑賞。ナチス占領下のフランス。ユダヤハンターの異名を取る冷血な男ハンス・ランダ大佐によって、家族を殺され唯一人逃げ延びた少女ショシャナは、現在はパリで映画館主をしながら復讐の時を待っていた。同時期、ユダヤ系アメリカ人を中心とした連合軍の極秘部隊イングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)が、ナチスを次々と残虐な殺し方でドイツ軍を震え上がらせていた。 タランティーノの荒唐無稽な戦争映画であり、コメディ、復讐ものでもある娯楽映画。冒頭などは音楽などもマカロニウェスタン色が濃かったりもする。相変わらずの無駄話も盛り込まれ、ちょっと目を覆いたくなるような暴力シーンはタランティーノ色満載だが、章に区切ってあるし、その章ごとにしっかりとしたストーリーになっているので最後まで飽きることなく観れました。何と言っても、ナチスのランダ大佐役、クリストフ・ヴァルツが最高。無表情で容赦なくユダヤ人を殺害する冷酷さをものの見事に演じていて、震え上がるほど。ブラッド・ピットが主演のように扱われていたけど、明らかにヴァルツに食われてます。 アメリカの戦争ものには珍しく、英語の他ドイツ語やフランス語も話されているのも良いです。最初の農場や酒場でのシーンは実にスリリングだし、最後の上映会のところまでのそれぞれの思いを交錯させながら盛り上げていくのも上手い。もちろん事実とは違うけど、そんな事関係なく楽しめるエンターテーメントムーヴィーでした。 INGLOURIOUS BASTERS2009年アメリカ監督/脚本:クエンティン・タランティーノ出演:ブラッド・ピット、クリストフ・ヴァルツ、メラニー・ロラン、ミヒャエル・ファスベンダー、イーライ・ロス、ダニエル・ブリュール、ダイアン・クルーガー 他【送料無料】イングロリアス・バスターズ
2011.12.17
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北海道網走。新車を買って東京から北海道へやってきてドライブする鉄也は、途中で女の子をナンパして旅をする。ある時2人は、刑期を終えて出所したばかりの中年男性と出会い、一緒に旅をすることに… 久しぶりに観たのですが、イイですね。不器用な男、頑固でちょっと自分勝手なところがあって、でも奥さんはそんな夫に黙って付いていき、そして待っている。洋の東西を問わず、一昔前の女性は健気です。カッコよくて、でも無骨な健さんと、武田鉄矢と桃井かおりのドタバタカップルの組み合わせが妙におかしい。ラストがどうなるかなんて割りと簡単に想像できるけど、そこまでの持っていき方が上手いんですよね。3人の珍道中に時折流れる回想シーンを上手く組み合わせて、わかっているけど最後がどうなるかドキドキさせられる。いい映画だなーって思います。ラストの鉄矢とかおりのあのシーンは、決してきれいだとは言えないけれど、健さんと賠償千恵子扮する奥さんに触発されてああなったんだと感じられる、ほほえましい面もありました。武田鉄矢も、この頃は新鮮でいいですねー。ハリウッドでリメイクされましたが、どんな感じに仕上がっているのでしょう。元々はニューヨーク・ポスト氏に掲載されたピート・ハミルのコラムを元に山田監督が映画にしたわけですが、今ではこの映画は日本の代表作となっているのではないでしょうか。場所が北海道というのも良かったです。日本1977年監督:山田洋次脚本:山田洋次、浅間義隆原作:ピート・ハミル 『黄色いリボン』出演:高倉 健、賠償千恵子、桃井かおり、武田鉄矢、渥美 清 他【25%OFF】[DVD] 幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター
2011.12.16
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真央選手のお母様が危篤で真央選手が急遽、GPファイナルを棄権して帰国したショック、そして、彼女がお母様の最期に間に合わなかったと言うショックを受けて今年のGPファイナルを観ました。女子は、鈴木明子選手が2位。NHK杯の時のようなジャンプの精度の良さが見られず彼女も悔しそうでした。しかし、今回のプロも両方とも好きです。特にショートの歯切れの良さは彼女ならでは演技。優勝はカロリーナ・コストナー。これまでショートが良くてもフリーで崩れて、という事が多かったように思いますが、やっと、ついに、という感じです。安定した、スピード感に溢れ、ダイナミックな演技でした。GPシリーズで負け知らずのロシアのトゥクタミシェワも、ファイナルではイマイチでしたが、ショートでグダグダだった分フリーでは盛り返しましたね。さすがミーシンの教え子、技術面はしっかり鍛えてあるようです。まだ14歳、空恐ろしいソチのホープです。ただ、女子の場合は十代半ばで勢い良くデビューしてもその後の体の成長の変化に伴い、思うようにいかない事も多いですね。彼女はどのようになりますか。大人っぽい演技、と言われますが、でもやっぱりまだ若い、と言う印象です。技術も演技も素晴らしいものを持ってはいるものの、まだ感動を与えてはもらえてないです。男子は、羽生くんが素晴らしかったです。彼は何かを持っていますね。4回転も試合での成功率がかなり高くなってきているし、愛される要素を持っています。カナダの観客も注目したと思います。でも、前にも書いたけど、まだ今も首、頭が安定しないかな~。男子は本当にレベルの高い試合でした。アボットは惜しかったですね。そんな中でも、やっぱり大ちゃんは凄かった。今シーズンはショートも、フリーもとっても好きなプログラムです。ショートは最初デヴィッド・ウィルソン振り付けって聞いて、どんなんかなー?っと思っていましたが、曲とマッチした強弱があり、メリハリの利いた良い振り付けです。高橋大輔だからあそこまで滑りこなす、と思います。そして、フリーが何とプルース!最初に見たときは、「何と難しい曲調で!」と思ったけど、見るにつけ素晴らしさが増します。奥深いプロで、それこそ誰にでもは表現できないだろうと思います。大ちゃんのフリーは他の選手に比べて時間がとても短く感じるのですよね。あとは4回転。これをものにしなければ、ですね。それにしてもPチャン。今回もショートもあんな大ミスをしても点数でましたねー。フリーもあんだけ完成度低かった印象しか残らなくても演技構成点があれだけ出て!まるでヨナ状態。佐野さんも、フリーの解説の時さすがにあまりほめなかったけど、これだけ転んでも、ひっかかってもあんな高得点出れば、誰もPチャンに勝てないでしょうね。又カナダ絡みなんだ。なんだかな~。フィギュアスケートって、精神面が如実に演技に現れるスポーツだと高橋大輔を見てよく思うのです。年を重ね、いろんな経験をした人のスケーティングは何か人を引き付けるものがある。だから、若くて勢いのある選手がどれだけノーミスの演技をしても感動できない理由はそこにあるのだと思います。真央ちゃんがお母様の葬儀後に発表したコメントに涙しました。何度も「真央だよ!」と叫んでも目を覚まされなかったお母様。きっと真央ちゃんが駆けつけるのを待って一生懸命頑張られたのだと思いますが…この半年間は名古屋を離れる時はいつも「これが最後かも」と思っていたとか。最近真央ちゃんが本当に細くなってしまっていたのは、いろんな心労があったのかもしれません。彼女はこの試練の時をきっと乗り越えて、又素晴らしい姿を私たちに見せてくれると思います。辛い悲しい経験をしたからこそ、もっと素晴らしい選手になると思う。でも、それは急がなくていいからね。みんなゆっくり真央選手を待っています。
2011.12.15
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今日からフィギュアスケートのグランプリファイナルが始まります。大ちゃんも段々調子を上げてきているし、何と言っても、真央ちゃんのジャンプが凄くいい具合になってきたし、NHK杯は素晴らしかったしで、とてもこのGFを楽しみにしていたのだけど・・・真央ちゃんのお母さんの匡子さんが亡くなったとのニュースが。残念で、かわいそうで・・・本当に何といっていいのかわかりません。
2011.12.10
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またまたサボってしまいました。実は先日大きなイベントでフラを踊ったのですが、今回も衣装作りがありまして、その準備、作業と本番に向けたフラの練習などで、何とも忙しい数週間でした。今回は白に地模様のある布で、裾に三段フリル、袖も肘辺りでフワッとしたフリルを施したドレスを作りました。三段フリルは”レレウエヘ”の時にとってもきれいだったそうです。白のドレスにグリーンのレイも映えて、とても良い評価を頂きました。もちろん、フラ自体もほめていただいたのですよ。それにしても、縫うのはいつも大変だけど、出来上がってそのドレスを着れば自分たちで作ったものだと言う自負もあり、出来たての衣装を着て踊る最初のフラはより思い出深いものとなるのです。又がんばらなくちゃ!
2011.10.31
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これも観てから随分経っているけど、第82回アカデミー賞の作品賞、監督賞など6部門を制した、アメリカ軍爆弾処理班にスポットを当てた映画。2004年のイラク、バグダッド郊外。アメリカ陸軍爆弾処理班に新リーダー、ジェームズ二等軍曹が着任した。だが彼は、安全面の作業順序等を無視し、死をも恐れないような振る舞いで淡々と爆弾を処理していく。そんな彼の様子に部下たちは不安を募らせる。この映画では所謂、銃撃戦とかの戦争映画に普通見られるようなシーンは出てきません。兵士達は、市中のいたるところに、又は人に仕掛けられた爆弾を処理する専門部隊員たち。任務完了まで38日、30日、20日、となって行く数字を見ながら、彼らと共に私もその日数が早く過ぎてくれないかと、祈るような気持ちで見ていました。 現代の戦争は見えない敵との戦い。脚本家が実際に何週間もイラクで爆発物処理班と共に行動したと言うだけあって、爆弾を処理する様子には緊迫感があり、その処理後は、見ている側も一気に疲れが増してしまうような感覚を覚えました。手持ちカメラを使っていたので、実際にちょっと見にくい部分もあるのだけど、其れゆえに緊迫感とか、まるでドキュメンタリーのような臨場感がリアルに描き出されてもいます。兵士たちは大義なき戦争でも行かなければならず、任務を遂行しなければならない。ただ、一度その場に足を踏み入れると、冒頭の「戦争は麻薬である」の言葉どおり、そこは精神に異常をきたすほど恐ろしく、救いようのないもの場所なのだと思います。ただ、これはあくまでもアメリカ側から見た戦争映画。それをふと考えてしまったり、そう考えると醒めた目で見てしまったりしたのですが。それでも、筋の通った反戦を意味する作品だと思います。最初に「ハートロッカー」と言うタイトルだけを聞いた時は、『Heart Rocker』だと思っていました。しかし実際は『The Hurt Locker』、軍隊の隠語で〔究極の苦痛に晒される場所〕とか〔いるだけで心が痛む場所〕だと言うのを聞いて、日本語でカタカナで書いてしまうと、こうも真反対の意味になるのかとちょっと変な気持ちもしました。〔いるだけで心が痛む場所〕か。戦場はどこもHurt Lockerなんだと思います。鑑賞後は本当に、こちらも疲れてしまいました。それにしても、ご存知のとおりビグロー監督の元夫はジェームズ・キャメロン監督で、この年のアカデミー賞では元夫婦でオスカーを争ったわけですが、ビグロー監督は女性とは思えないような、実に男臭いハードな映画を撮る人でカッコいいです。THE HURT LOCKER2008年アメリカ監督:キャスリン・ビグロー脚本:マーク・ポール出演:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モース 他【26%OFF】[DVD] ハート・ロッカー
2011.10.01
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地方紙の記者ボブは妻と幸せに暮らしていたが、その妻が編集長と浮気をして去ってしまった。傷心のボブは、戦争が始まったばかりのイラクへ取材に行く。以前、「見つめるだけでヤギを殺せる」と言うリン・キャシディという男の話を聞いた事があったが、ばかばかしい話だと思っていたその男に、何とそこでその出会ったのだ。ボブはリンにしつこく迫って話を聞くと、彼の目的はビルと言う男を救出する事だと言うのだが…面白かったです。ただ、好き嫌いは分かれる作品だと思います。脱力系の戦争もの、とでも言いましょうか、信じられないような話ですが、これが実話に基づくというのですから何と言ってよいのやら。とにかく、有名実力派俳優たちが、この何とも不思議で、本気だろうか、と思えるような、でもノンフィクションを基にした作品ということで、信じられないような事を、大真面目に演じている、それがおかしいのです。 超能力を真面目に研究し、それを軍事に利用しようとしていたなんて、旧ソ連や中国なんかだとあり得ると思えるのですが、アメリカでも!? ヴェトナム戦争のトラウマで、ニューエイジ思想と言うものがアメリカ軍に起こり、超能力を使って敵を傷つけることなく勝つ、と言うものだそうですが。映画では、その超能力部隊が「新地球軍」と呼ばれるもので、その計画を「ジェダイ計画」と呼びます。まあ、そのジェダイの騎士がここではリン役のジョージ・クルーニーなのですが、記者のボブ役がユアン・マクレガ-。ご存知『スター・ウォーズ エピソード1』でオビ=ワン・ケノービを演じたユアンにクルーニーが、「私はジェダイだ」とか、フォースが何たるか、を説くシーンは笑えます。 クルーニーが、時に長髪になりヤギをジ~ッと見つめて大真面目なのがおかしい。そして新地球軍創始者役のジェフ・ブリッジズ、ヒッピー崩れで花を「手に世界に平和を」と真剣にヤギを見つめて殺す、壁を通り抜けられると、軍のいかつい大男たちに説いていく姿がかわいい!そして、やっぱり笑える。又、敵役のケビン・スペイシー。こういうちょっと嫌味な役をやらせたら右にでる者はいないんじゃないでしょうかね。そして、振り回されてちょっと情けないボブ役のユアン。こんなにはまり役もないのではないでしょうか。とにかく、誰が主人公、と言うよりも、これだけの豪華キャストでそれぞれの個性が存分に発揮され、でもお互いに邪魔をしていないのが凄い。それからもう一人、先日書いた『アバター』ではとっても憎たらしかったスティーヴン・ラングが、ここでは乙女みたいにおめめキラキラさせておかしいのなんのって。同じ軍服なのに全然違うのが面白かったです。 とにかく、これは役者ありきの映画だと思います。ただ、内容としては奇想天外な展開ながら、もちろん反戦映画でもあると思います。そして、笑ってばかりもいられない、考えると恐ろしくもあります。目を見ただけで相手を殺す方法なんて。すごく真剣な話を、皮肉たっぷりに描いているとも言えるかもしれません。これは俄然、基となった本を読みたくなりました。THE MEN WHO STARE AT GOATS.2009年アメリカ監督:グラント・ヘスロブ脚本:ピーター・ストローハン原作:ジョン・ロンスン 『実録・アメリカ超能力部隊』(文春文庫)出演:ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ジェフ・ブリッジズ、ケヴィン・スペイシー、スティーヴン・ラング 他【26%OFF】[DVD] ヤギと男と男と壁と【送料無料】実録・アメリカ超能力部隊
2011.09.22
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22世紀。戦争で負傷し下半身不随となったジェイクは、車椅子の生活を余儀なくされていた。元海兵隊員の彼は“アバタープロジェクト”にスカウトされる。人類は地球からはるか彼方の惑星“パンドラ”で、この星の先住民ナヴィと人間のDNAを組み合わせた「アバター」を作る事で、莫大な利益をもたらす希少な鉱物を採掘する為の事業を成功させようとしていた。その為に人間はアバターに意識をリンクさせ、遠隔操作でパンドラで生活しナヴィとの交流を図っていた。超娯楽大作、面白かったです。ストーリーとしては、先住民が自分たちのペースで生活しているところに地球人がやってきて、先住民を取り込み、そして結局は争う話で、今までこの地球で、世界中で起こってきた事を、宇宙規模で描いたのです。話としてはよくあるもので珍しくはありません。ただ、アバターに意識をリンクさせて遠隔操作で云々、と言う文章ではちょっとわかりづらいものも、映像で観ると判るし、とにかく全体の映像が斬新でアバターの青も美しいです。これは、映画館の大スクリーンで観るべき映画でしたね。あんなに話題になっていたし、観た人から面白いと言う話も聞かされていたのですが、公開当時は何故か不思議と観る気が起きなかったのです。ナヴィの都合は全く無視で自分たちの都合を最優先し、好き勝手に振舞う人間たちには閉口しますが、CGの完成度は素晴らしいと思います。自然との繋がりを考えさせられ、貴重な自然や家族を愛おしむ作品に仕上がっていました。仲間の大切さも何かと似ている。CGとアクション、ちょっと見慣れない異星人の様子など『ロード・オブ・ザ・リング』と似たような感じもするのですが、だとしたら、私は『ロード・・・』の方が好きです。元妻と最後まで争ったこの年のアカデミー作品賞。超が付くほど大ヒットした映画ですし、実際長さを感じず面白かったのですが、余韻は残りませんでした。まあ、DVDで観たことに起因するのかもしれませんが。AVATAR2009年アメリカ監督/脚本:ジェームズ・キャメロン出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ミシェル・ロドリゲス 他【25%OFF】[DVD] アバター(初回限定生産)
2011.09.16
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日仏合作の映画。フランス人の父親と日本人の母親を持つユキは、パリに住む9歳の少女。同い年のニナとは大の仲良しでいつも一緒。しかし最近のユキの悩みは、両親の仲が悪い事だった。ある日、恐れていた事が…ユキの母親は、ユキに離婚する事を告げ、その上ユキを連れて日本に帰ると言い出したのだ。ユキはニナに相談し、二人はユキの両親を仲直りさせようとある作戦を実行するが…絵本を見ているような映画でした。ユキとニナは大の仲良しですが、それでももちろん時には喧嘩もします。だけど、友達が困っている時は助ける事が出来、二人で考えて何とか解決に乗り出そうとするのです。その解決方法は9歳の子供らしいのですが、大人の理由で、大人の勝手な離婚と言う行為に子供は傷つき、必死で食い止めようとする姿は、切なく、愛おしい。ニナを演じたノエ自身も日仏のハーフで、本作が初の映画だと言う事。諏訪監督は映画ではそれまで行ってきた、脚本の台詞部分は空白にし、役者の即興で作ると言う方法で今回も臨み、それにフランス人のイポリット監督が役者の感性で演出したのだそうです。その特殊な方法に、映画初出演のノエが実に上手く演じているに驚きます。決して演技をしている、と言う感じではなく、あくまでも自然に演じている。それはニナ役のアリエルもそうなのですが。そして、この映画の核となる森での部分は、自分で考え、自分で決断を下す事に繋がる部分なのですが、これを諏訪監督の手法でニナが演じたのであれば素晴らしい。特に森の部分が絵本を読んでいる雰囲気にも似ている部分なのですが、幻想的で夢を見ているような、そして夢から覚めた後のような気分になります。又、ラストのビデオを見るシーンも好きです。大人の都合で子供は振り回され、傷つきながらも、その柔軟な順応性で生きていく子供たちはやっぱり素晴らしい、としか言えないな、と思わされる映画でした。淡々とした作品ですが、ユキちゃんとニナちゃんはかわいい妖精でした。YUKI & NINA2009年日本/フランス監督/脚本:諏訪敦彦/イポリット・ジラルド出演:ノエ・サンピ、アリエル・ムーテル、ツユ、イポリット・ジラルド、マリリン・カント 他【23%OFF!】ユキとニナ(DVD)
2011.08.28
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マックスは、ロンドンの金融業界で名を轟かせる敏腕トレーダー。多忙な日々を送る彼のもとに、10年も疎遠にしていた南仏に住むおじが亡くなったとの報せが届く。プロヴァンスでシャトーとぶどう園を所有していたおじの遺産相続人であるマックスは、それら全てを売却するつもりでプロヴァンスへ向かったのだが…「リドリー・スコットがこんな話を撮ったんだ…」鑑賞直後の感想です。子供の頃は毎年おじのシャトーで夏のバカンスを過ごし、おじからいろんなことを教わったマックス。しかし、今では仕事の鬼と化し、お金儲けの事で頭はいっぱい。大切な想い出のいっぱいつまったシャトーもぶどう園も売却しようとしていたのだけど、おじとの想い出が至るところで蘇り心が揺れる。そこへ美女が登場し、一目ぼれしたマックスは彼女にアタック、断わられてもしつこく攻め寄る。そして又謎の従妹も現れて。株の事ばかりだった男が人間らしさを取り戻す、と簡単に言えばそんな話でしょうか。だいたい、マックスの子供の頃を演じるのがフレディ・ハイモア。それが大人になってラッセル・クロウになるのがどうしても解せない、違和感だらけ。ラッセル・クロウはイギリス人って感じじゃないなァ。同じくスコット監督の『グラディエーター』でも、ラッセルはどう見てもスペイン人には見えなかったのだけど。ご都合主義の映画と言う印象が拭えないし、期待するとがっくり来ると思いますが、暇つぶしにプロヴァンスの美しい風景を堪能するのにはいいと思います。ラストもね~、そんなんでずっと続くのかしら…? いつか飽きてしまいそう。原題からすると、やっぱり後は続かないんじゃないだろうかって。そんな感想を持ってしまいました。A GOOD YEAR2006年アメリカ監督:リドリー・スコット脚本:マーク・クライン原作:ピーター・メイル 「プロヴァンスの贈りもの」河出書房新社出演:ラッセル・クロウ、マリオン・コティヤール、アルバート・フィニー、フレディ・ハイモア、アビ-・コーニッシュ、ディディエ・ブルドー、トム・ホランダー、イザベル・カンディエ 他【23%OFF!】プロヴァンスの贈りもの 【角川映画 洋画セレクション ¥1890(税込)】(DVD)【中古】afb【古本】プロヴァンスの贈りもの/ピーター・メイル
2011.08.21
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内戦が続くアフリカ、シエラレオネ共和国。漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)は平穏に暮らしていたが、反政府軍RUFの襲撃により家族と引き離されてしまう。ソロモンが連れて行かれたのはRUFの資金源となっているダイヤモンドの採掘場だった。そこで驚くほど大粒のピンク・ダイヤを発見するソロモン。これがあれば家族を救える。危険を承知で彼はダイヤを秘密の場所に隠すのだった。一方、ダイヤの密輸を生業としているアーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、刑務所でそのピンク・ダイヤの話を聞き、ソロモンに接近しようとする。家族を探す手伝いをする代わりにピンク・ダイヤの在り処を教えてくれと取引を持ちかけるアーチャー。しかしソロモンは承知しなかった。一方でジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)がアーチャーに近付いてくる。RUFの資金源となっている「ブラッド・ダイヤモンド」の真相を追っている彼女は、アーチャーの持っている情報が欲しかったのだ。しかしアーチャーは口を閉ざした。やがて難民キャンプで家族と再会するソロモン。しかし息子の姿だけが無かった。RUFが連れ去った可能性が高い。ソロモンは覚悟を決め、アーチャーの申し出を受け入れた。こうして異なる目的を持った三人がピンク・ダイヤを求めて過酷な道を歩き出す。アーチャーはこの暗黒の大陸から抜け出すため、ソロモンは息子の行方を突き止めるため、そしてマディーはアーチャーから決定的な情報を引き出すために……。 ーgooよりーシエラレオネを舞台に、紛争ダイヤモンドに関わる3人を追った物語です。随分前に観ました。その時かなりの衝撃を受けたのに、こんなに時間が経ってはその衝撃の度合いも大分落ちてしまった感はありますが、今更ながらの感想を。あらすじも記憶がまちまちなので、今回は”goo 映画”を引用させて頂きました。アフリカにおけるダイヤモンドの採掘などの問題は聞いた事はありますが、この映画で描かれるそれは、とてつもなく恐ろしいのです。これがおそらく事実なのでしょう。 ディカプリオは、アフリカ英語の発音にして挑んだと言う事ですが、癖のない的な要素は拭えないものの、物語が進んでいくに従って、野性味を帯びていく熱演にそれまでのイメージは変わっていました。けれど、何よりもいいのが、現地のソロモンを演じるジャイモン・フンスー。力強く、しかし、底深い悲しみをたたえた彼の目力は観るものを引き付け、釘付けにします。現地の子供たちがどのようにして反乱軍の一兵士として教育されていくのか、その様子には唖然となってしまいます。人の不幸を糧にして生きていく人々、その為に人権を無視され酷使される現地の人々・・・アフリカの真実。これを知ったら、ダイヤモンドが欲しいなんて言えません。アフリカは問題が多すぎます。その多くは欧米人がもたらしている事も事実。しかし、彼らにきちんとした教育を受けさせる事が出来たら、この事態は変わっていくのに。アフリカの多くの事実を目の当たりにすると、いつもその事を考えてしまいます。 ダイヤモンド産業の裏側の恐ろしさを描いたサスペンスアクション。ラストがやや消化不良的な感がありましたが、エンターテイメント性があり、メッセージも充分に伝わっていると思います。BLOOD DIAMOND2006年アメリカ監督:エドワード・ズウィック脚本:チャールズ・リーヴィット出演:レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー、マイケル・シーン、アーノルド・ヴォスルー 他【25%OFF】[DVD] ブラッド・ダイヤモンド
2011.08.20
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先日、何十年かぶりに『エクソシスト』を観ました。メリン神父は、イラクの古代遺跡の中から悪魔の偶像を発見し不吉なものを感じていた。その頃映画の撮影の為にワシントンDCに住んでいた女優クリスは、一人娘のリーガンがある時から様子が変わってしまったことに驚く。卑猥な言葉を発し、容貌も恐ろしく、醜く変貌してしまったのだ。病院では精神病の一種だとしか言われないのだが、娘の行状は日増しに酷くなって行き、クリスは近くのカトリック教会のカラス神父に救いを求めた。悪魔が取り付いたと思えないリーガンのあるメッセージにより、カラス神父は教会に悪魔祓いの儀式を要請する。エクソシスト(悪魔祓をする祈祷師)のメリン神父が到着し、いよいよ悪魔祓いの儀式が始まる。公開当時はR指定だったのかどうかはわかりませんが、しばらくしてからテレビで観たのが初めてで、その後はずうっと先日まで観ていませんでした。公開当時は、雑誌や噂などでそれはそれは恐ろしいホラー映画だということしかわからず、緑の嘔吐物やリーガンが白目を向くとか首が180度回るとか、そんな事ばかりが学校で話題になっていたと思います。実際その後観た時も、そのシーンはとても恐ろしかったのですが、前半の悪魔が付く前、そして付いたかもしれないあたりの暗い雰囲気も恐ろしかったのを憶えています。そして、今回久しぶりに観た印象は、そのオカルトチックな映像よりもむしろ、母の死の際にそばにいてやれなかった罪悪感で、信仰と現実の狭間で悩むカラス神父のドラマの方に目が向けられました。単なるオカルト映画ではなく、人間の奥に潜む弱さや孤独、キリスト教、信仰心などのいろんなものを考えさせられる映画だと思います。メリン神父はカラス神父に、「悪魔は人の弱みに付け込んで、嘘をつく」と言います。絶対に悪魔の挑発に乗ってはいけなかったのですが、自分の母親の事を突かれたカラス神父は思わず動揺してしまいます。昔は恐ろしくて顔を覆って見ていたあのリーガンの白目を向くシーンも、今観ると、「こんなもんだったのか」って感じです。汚いのには違いありませんが。壮絶な悪魔祓いの儀式、クライマックスシーンも手に汗握りますが、それよりも、やはり秋のワシントンの街の中に、陰鬱な表情のカラス神父や、クリスの家中の様子が今回も恐ろしく感じました。そして、ポスターにもなっていたエクソシスト、メリン神父がリーガンの家の前について二階を見上げるシーン。ドキドキします。リーガンを演じたリンダ・ブレアもとても話題になりましたが、リーガンの印象が強すぎて大成しませんでした。何故悪魔はリーガンに乗り移ったのでしょう・・・。THE EXORCIST1973年アメリカ監督:ウィリアム・フリードキン脚本/原作:ウィリアム・ピーター・ブラッティ出演:エレン・バースティン、マックス・フォン・シドー、ジェイソン・ミラー、リンダ・ブレア、リー・J・コップ 他◆現品限り◆【中古】【洋画DVD】エクソシスト/ディレクターズ・カット版/エレン・バースティン/リンダ・ブレア/La396[レンタル落ち]【メール便OK】
2011.08.07
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高校生の女の子サマンサ(サム)は、今日が16歳の誕生日。だが、明日は姉ジニーの結婚式で、家族が自分の誕生日だと誰も思い出してくれないので落胆。高校でも、憧れの上級生ジェイクに自分が思いを寄せているのがばれたが、その事をサマンサ自身は知らない。それにジェイクにはGFもいる。さらに夜になって、あまり気が乗らなかった高校のダンス・パーティに、祖父に頼まれて中国人留学生を案内することになり、そこでも事件が。青春映画の巨匠ジョン・ヒューズ監督で、彼の秘蔵っ子モリー・リングウォルド主演の青春映画。この間やっていたのを実に久々に思わず観てしまいました。公開当時既に私はこの(サム)サマンサよりもかなり年上のお姉さんにはなっていましたが、それでも高校生の頃の自分に重ね合わせたりなんかして観たものです。みんなの憧れの上級生にはガールフレンドがいて、遠くから見ているだけの。たまに目が合えばそれだけで、ドキッ!ちょっとでも微笑んでくれたりなんかすれば、その日一日ハッピーでいられる、そんな片想いの切なさや、喜びを思い起こさせてくれて胸キュンです。下級生の会話や行動に御馬鹿な男子高校生の笑えるシーンもたくさん出てくるし、サムの家族をはじめ、周りの生徒のユニークな個性が光っていて面白い。ドタバタが入っているのもヒューズ監督らしい。ジョン・キューザックも出てたんだ。忘れてました。そのジョンのお姉さんのジョーン・キューザックもちょっと不思議でユニークな女子生徒役で出演。相変わらずのコメディエンヌぶりを当時から発揮しています。サムとその父親との会話がすてきなんです。自分の恋の悩みを父親に相談し、それについて真剣に応えてくれる父親。いい関係で、ほのぼのするシーンです。 写真は、この映画の有名なラストシーン。大人が観る映画としてはちょっと物足りませんが、青春時代を思い出してこんな作品を観るのはいいですね。SIXTEEN CANDLES1984年アメリカ監督/脚本:ジョン・ヒューズ出演:モリー・リングウォルド、アンソニー・マイケル・ホール、ポール・デューリー、ジョーン・キューザック、ジョン・キューザック 他【送料無料】すてきな片想い
2011.07.31
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1970年代初頭のパリ。9歳の少女アンナは、スペインの貴族階級出身で弁護士の父親、雑誌記者の母親、そして弟のフランソワと何不自由ない生活をし、名門のカトリック女子小学校へ通っていた。ある日、スペインのフランコ独裁政権相手に反政府運動を行っていた伯父が亡くなり、伯母と従姉妹がアンナの家で暮らすことになった。それをきっかけにアンナの両親は共産主義へ目覚めていく。 父親は貴族階級出身、母親の実家もブルジョアで、お手伝いさんもいる何不自由ないお嬢さまだったアンナだけど、両親の共産主義、社会運動への目覚めに生活は一変します。小さなアパルトマンに引越し、そこには両親と同じ思想の人たちが絶えず出入りします。大好きだった宗教の授業も両親から受けてはいけないと言われ、何もわからないアンナやフランソワまでもデモに借り出される始末。落ち着かない生活にアンナは怒ります。伯母たちが来たことが原因で両親は触発されるわけで、その発端はフィデル・フランコにあったと共産主義を嫌悪するお手伝いさんから聞き、アンナは「ぜんぶ、フィデルのせい!」と顔をしかめて怒るのです。この映画のタイトルはそこにあるのですね。そのフィデルの発端から、次々に起こる自分の身の回りの変化を子供の目線から実に上手く描かれていました。自分たちの思想の変化に伴い、小さな子供たちにまで理不尽な事を要求する両親には辟易ですが、その理不尽さに幼いアンナが子供なりの疑問を抱き、悩み、親に怒りをぶつける姿も健気でかわいい。とにかく最初からアンナはほとんどしかめっ面なのです。「団結と人まねはどう違うの!?」とたずねるアンナは迫力があり、又痛いところを付いている。それでも、子供はそういう中で少しずつ成長し、自分の考えを持てるようになってくるあたり、実に自然に描かれています。 とにかくアンナ役のニナがもうはまり役で、とっても良い!いつもしかめっ面の彼女だけど、又笑顔もステキで。そして、一人怒り心頭、たまには両親に歯向かうアンナの横で愛想を振りまき要領の良い弟のフランソワが又かわいい!彼は、幾度となく険悪な雰囲気を和ませてくれました。他の子役たちもみんなかわいかったです。子供の成長物語ですが、ちょっとはっとさせられる部分がありました。大人って自分のいいように子供を振り回しているのではないかって。2006年製作ですが、70年代のファッションや社会を見るのにも面白い映画を、又ひとつ発見しました。2006年フランス監督/脚本:ジュリー・ガヴラス出演:ニナ・ケルヴェル、ジュリー・ドパルデュー、ステファノ・アコルシ、バンジャマン・フィエ 他【送料無料選択可!】ぜんぶ、フィデルのせい / 洋画
2011.07.23
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昨日からもう何度も見てるけど、それでもやっぱりなでしこJAPANの得点シーン、優勝を決めたシーンやW杯を手にしたシーンは何度見てもいい!昨日は家族はみんな試合開始からテレビを観てたみたいだけど、私は起きれなくて後半からみ始めましたが、いや~、本当に素晴らしい試合でした。アメリカも強かったけど、日本の、あの何度点数を入れられてもその後必ず入れ返す粘り強さには感動してしまいました。本当に、なでしこたちは素晴らしい!優勝した瞬間、鳥肌がバーッと立って思わず泣いてしまいましたよ。本当に凄かった。北京の時は、「苦しい時は私の背中を見て!」と他選手を鼓舞した澤選手、凄い人ですね。今回は得点王、MVPも獲って、でも本当にそれを手にするだけの大活躍。延長戦後半のあの場面での素晴らしい得点、ここぞと言う時に活躍する勝負強さ。リーダーとはこのような人の事を言うのです。でも、今回チーム全体が一つになって、プレー中の態度も素晴らしかったし、粘り強く、絶対に最後まで諦めない気持ちで戦っていたのが本当によくわかりました。特に決勝戦はそうでした。チームをここまでまとめたのは澤選手と言う大きな存在と、(練習時は厳しいのでしょうけど)佐々木監督のあの明るい性格も功を奏しているでしょう。ステキな監督だと思います。「アッパレ!」でした。『なでしこJAPAN』は『大和撫子』から来てるのだと思います。『やまとなでしこ』は、〔日本女性の、清らかだけど凛とした美しさ〕を表していると言われていますが、なでしこの花言葉を知りたくて調べてみました。そこには、〔純愛、思慕、慕う気持ち〕の他に〔大胆、勇敢、もえる愛〕と言う意味もある事を知りました。まさしくなでしこJAPANを表しているではありませんか。男子のW杯の優勝シーンでワールドカップを手にし、紙吹雪が舞う様子を見て、「日本がこのシーンを得られる日がいつか来るのだろうか。来るといいな」とよく思っていましたが、何と女子がその夢を先に、それも本当に予想をはるかに超えた早さで叶えました。紙吹雪が舞う中、これ以上ないというようなはじけた、輝かしい笑顔でW杯を高々と掲げた映像、画像を見る度に、嬉しくて、とても誇らしいです。本当に良かったと見ているほうも心から喜びに浸れます。これからは追われる立場ですが、これで日本女子サッカーがもっともっと盛んになって、選手たちも金銭面の苦労することなくサッカーに集中出来る環境を与えてあげて欲しい、と切に願います。おめでとう、本当に おめでとう!そして、日本に明るいニュースを届けてくれて、子供たちに夢と希望を与えてくれて、ありがとう、なでしこJAPAN!あなたたちはカッコイイ! あなたたちは美しい!!
2011.07.19
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綿と麻の混合で、シャリッと感が涼しくて夏にぴったりです。あまりに寝心地が良いので、もう2枚追加注文しました。【西川・敷きパッド・シングル】天然繊維の綿と麻(30%)が涼しい♪シャリっとしじら織り!西川リビング麻入り綿敷きパッド/CP-1707夏用敷パッド(ウォッシャブル・丸洗いOK)(ベッドパッド・ベッドパッド兼用・SALE・セール)シングル西川チェーンふとんタウン
2011.07.09
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精神科医のジョバンニは妻と娘、息子の4人家族で幸せに暮らしていた。しかし、ある日息子のアンドレアがダイビングで潜水中に事故死してしまう。それから幸せだった家族の生活は少しずつ壊れ始める。そんな時、亡きアンドレアのガールフレンドから手紙が来て、彼女はやって来る。アンドレアが彼女に送った写真を持って…。仲の良かった家族。しかし、息子の死で全てが狂ってきはじめます。事故の日も、ジョバンニはアンドレアとジョギングをする筈でした。しかし、患者からの電話で急遽その予定をキャンセルするのです。もし、自分が予定通りにアンドレアと一緒にジョギングをしていたら、アンドレアは死ぬ事はなかった…そういう思いがいつまでもジョバンニを苦しめます。自分は精神科医で、患者のカウンセリングをする立場なのにそれも出来なくなるのです。自分がカウンセリングを受けなくてはいけない位に悩み、落ち込み、家庭は崩壊寸前。何でもない普通の幸せが、一人の死によってあっさりと崩れてしまう様子が淡々と描かれています。だからこそリアリティもあります。しかし、アンドレアの元GFが持ってきた一枚の写真によって変化がこの家庭に訪れるのです。それは、彼が自分の部屋で楽しそうに映っている姿でした。息子の部屋は今は主を失くしてしまったけれど、確かに彼はその部屋で楽しく毎日を送っていたのです。悩みや苦しみもあったことでしょう。きっと彼の部屋は彼が親にも言えなかったような事も、喜びや悲しみも全て見ていたのです。たった一枚の写真が、その事を物語らせるのです。悩んで、悩んで、苦しんで、苦しんで、ちっとも前を向いて生きられないと思えても、時が癒してくれるものだと信じています。アンドレアの死を受け入れられず、苦しみもがいていたこの家族も、時が癒し、自然とその死を受け入れられるようになってきたタイミングに、元GFがやって来たのだと私は思っています。ラストがいい。朝日を浴びたジョバンニ一家がこれから再生への道を歩んで行くであろう希望を見出せます。LA STANZA DEL FIGLIOTHE SON’S ROOMイタリア2001年監督:ナンニ・モレッティ脚本:ナンニ・モレッティ、ハイドラン・シュリーフ出演:ナンニ・モレッティ、ラウラ・モランテ、ジャスミン・トリンカ、ジュゼッペ・サンフェリーチェ、ソフィア・ヴィリジア 他new17【中古】DVD▼息子の部屋▽レンタル落ち
2011.07.07
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本当に、この国は大丈夫なんだろうか?震災直後は必ず復興しよう、日本国民全体でこの国を何とかしよう、と言う気持ちに満ち溢れていた。しかし、首相はダメ、大臣もダメ。震災直後の対応は原発も含め全て後手後手で、何で今頃○○委員会を作るのか、とか、何で義援金がまだ被災者に届かないのか、とか思うことはいっぱいあり過ぎる。復興省だって3ヶ月も経って出来て、やっと出来たと思ったら大臣が又ポカで。しかし、松本前復興大臣は本当に酷かった。仕事は出来た人なのかもしれない、でも、あまりにお粗末。あのザマは一体何でしょう。これで又復興が遅くなってしまった。謝罪したのだから辞任しなくても良かった、と言う人もいるようだが、一度あんなに傲慢で冷淡な姿を見たら被災者は信頼できなくなるだろう。この人に任せよう、やってもらいたい、と言う気にはならなくなるだろう。「オフレコ問題」が又悪い。「書いたらおしまい」などとまるでヤクザが恫喝しているようだった。言い訳もあほらしい。「九州の人間だから」だの「B型で短絡的」だの、60才にもなる人の言う事か。私は九州人だがあの人と一緒にされては困る。B型の友人はもっと怒ってたし呆れてた。岩手県知事には「九州の人間だから、○○市がどこの県にあるのかわからない」等と言ったそうだが、全く話になりませんね。大臣と言うより、政治家ならその位勉強しなさい!「所詮九州の人にとって東北の事なんてどうでもいいんでしょ」と言う事を書いたブログを見てしまってショックを受けた。そんな事ないって、本当に東北の事は、日本全体の事として真剣に考えてる。九州だって、どこにいたって、いつ同じような災害に合うかわからないんだから。日本に住む限りどこでもそうなり得るんだから。でも、松本氏はそういう印象を与えてしまったんだよね。情けない。私には支持政党はない。前回の衆議院選挙の時は特に民主党がずば抜けて良いと思ったわけではなかったが、ここ数年の自民政権にもうんざりしていて、何かが変わればいい、と言う思いもあり民主に入れた。少しは良くなると期待した。でも、今では民主に入れたことを後悔している。本当に後悔している。こんなに出来ない、考えもアホな党だとは思わなかった。私は大失敗をしてしまった。私の一票くらい、とは思えない。大切な一票が、いっぱい集まって民主党政権が出来たのだから。この未曾有の大惨事の時に、よりによってこの政党、政権で悔しくてたまらない。だからと言って今の自民党にもあまり期待は出来ない。どうしたらいいのか…。でも、民主党よりまだましか。「まだましか」くらいで政権を預けようとも思われず、本当にこの国は大丈夫なんだろうか。仮設住宅の抽選に何度もはずれ、これから又どうしようか、と言われていた被災者の方のインタビューを見て居たたまれなくなった。早く何とかしないといけない。政治家は頼りにならないのだから、国民がしっかりしなければ!何という事だろう…
2011.07.05
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最近偶然ですが、女性作家の本ばかり読んでいます。有名作家の本でも、正直面白くないものが多かった中で、一気に読んだのが宮尾登美子の『天璋院篤姫』。大河ドラマで観ていた頃、その原作本を読もうと思い購入した文庫本でしたが、最近になって読んだものです。大河ドラマの『天璋院篤姫』の大ファンでした。篤姫と瑛太演じる小松帯刀(こまつたてわき)の淡い恋(帯刀の一方的な想いですが)と友情にいたく感動したものでしたが、いつかテレビ番組で、篤姫の姑役だった高畑淳子が、脚本の田渕由美子を前に、「篤姫と帯刀は何の接点もなかったのをこの人はあんなドラマにしちゃったんだから」と言っていたので驚きました。本を読んでみると、確かに帯刀の「た」の字も出てきません。嫁ぐ前は西郷隆盛と大久保利通との接点も無し。和泉家の父には側室もあり、腹違いの妹がいたことは本を読むまで知りませんでした。大河ドラマはとても面白かったのですが、本はより篤姫の人となりが細かに描写されており、驚く面もあるし、「やっぱりな~」と思う事もありました。特に、斉彬への疑念、和宮への思いは、テレビで観ていたよりももっと激しいと言うか、より人間らしい感覚で描かれています。そして、篤姫の徳川家への思いや、慶喜への思い、恨みといったものは並大抵のものではなかったのだと知りました。そして又、3000人を抱える大奥の主人として、徳川家の御台所、大御台所としての心構えが素晴らしいものでした。結局女性はあの時代男性の駒でしかなかったのだ、と改めて思うのです。結局は、斉彬は家定がああいう人と知りながらも、お家の為に篤姫を家定のもとへ嫁がせます。策略なのです。その家定とは最後まで本当の夫婦とは言えなかったかもしれないし、そのあたりは一生終えるときに、決して心底から本当に幸せだったのか、はわかりません。それでも、それを受け止めて、最大の努力をし、的確な判断を下し、激動の江戸末期から明治にかけて最後まで徳川家と大奥を守り抜こうとした篤姫。とても魅力ある女性でした。日本全体の事というわけでなく、あくまで徳川家を守りたい一心だったのでしょうが、それでもその姿勢は、真のリーダーとはこういう人だ、と思わずにはいられません。だから、大奥の女性たちから絶大な信頼を得たのです。菅首相に篤姫の爪の垢でも煎じて飲ませたい気分です。宮尾さんの綿密な取材のもと描かれた篤姫は、より人間として、女性としてありのままの姿があり、ドラマ以上に親近感を抱くのです。【中古】afb【古本】天璋院篤姫 [新装版] (上下セット)/宮尾登美子
2011.07.04
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昨年でしたか、この映画が話題になった時とても興味を持っていたのですが、WOWOWでは数ヶ月前から放映していてやっと観ました。ある日、巨大な宇宙船が南アフリカ共和国、ヨハネスブルグの上空に飛来したが、そこに浮かんだまま動こうとしない。政府はヘリコプターで偵察隊を派遣。その宇宙船の中は不衛生極まりなく、エイリアンたちは衰弱しきっていた。さしあたりの対応として、ヨハネスブルグの第9地区の仮設住宅にエイリアンを住まわせる事にした。それから20数年後、下級市民として扱われるエイリアンの住む第9地区はスラム化し、彼らと市民たちの対立は激化し、エイリアンを第10地区に強制移住させることになったのだが…。南アフリカ共和国、スラム街となるとアパルトヘイトを思い起こしてしまいます。確かに前半はそれを連想させるものがあります。社会派ドラマなのか、と。ただ、出てくるエイリアンは「エビ(Prawn)」と呼ばれ、かなりグロテスク。高等な生物とは思えないような行動や不衛生さで、確かに市民と共存するには困難な点が多くありそうです。でも、彼らには地球を襲うようにも見えない。何の為にここに来たのか、いや、ただ他の星に行く途中ちょっと地球に立ち寄ったら単に宇宙船が故障してしまったのか、その辺は全くわかりません。主人公のヴィカスは少々おっちょこちょいなお人よし。対して、宇宙人の親子、特に父親は知的で落ち着いている。この対比も面白いのですが、数メートルも飛び跳ねるようなエイリアンが、巨大宇宙船を所有しているような彼らが地球人に虐められるのも、下等動物っぽく扱われるのも不思議。前半は手持ちカメラを駆使したような映像でドキュメンタリーっぽく仕上がっています。しかし後半は・・・いろいろと・・・かなりグロテスクな場面が展開していき、B級映画色が満載と言った感じになります。なんか昔の「ウルトラQ」みたい。目を背けたくなるけどやっぱり観たい、と言うような。監督も俳優も全く知らない人ばかりだったけど、B級映画の醍醐味を堪能しました。それにしても、この3年後がどうなるのか気になってしょうがないのだけど。DISTRICT 9アメリカ/ニュージーランド2009年監督:ニール・プロンカンプ脚本:ニール・プロンカンプ、テリー・タッチェル出演:シャールト・コプリ―、デヴィッド・ジェームズ、ヴァネッサ・ハイウッド 他【33%OFF!】第9地区 【WARNER THE BEST ¥1500】(DVD)
2011.07.03
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アガサ・クリスティ原作ものの映画化作品。銃器コレクションをしている上院議員のアンリと妻は、週末に友人たちを屋敷に招いた。招かれたのは、精神科医とその妻。精神科医と不倫関係にある彫刻家。その彫刻家に憧れる作家と彼に恋する女性。アンリの妻の姪。そしてローマからやってきた女優とその運転手。総勢10名が今夜この屋敷に宿泊した。しかし、その翌日プールサイドで銃声がし、精神科医が倒れていた。そしてその傍らには彼の妻と、彼の愛人の彫刻家の姿があった。本作は現在のフランスが舞台で、名探偵ポアロは出てきません。実はこの精神科医、ここに出てくる女性の多くと関係があります。そしてその事をみんなが知っているので、お互いに嫉妬心もあり、誰が精神科医を殺害したのかわかりません。みんな疑いを持たれてもおかしくないのです。しかし、割と簡単に犯人は想像出来てしまい、やはり思いのとおりだったか、となるラストで、ミステリーとかサスペンス色はあまり強くはありません。もう一ひねり、二ひねり欲しいところでした。それよりも、登場人物の入り混じった関係の愛憎劇と捉えたほうがいいかも。個々の心情はもう少し詳しく描かれても良かったような気がします。それでも、男女関係を描かせたらやはりフランス映画は表現にしろ、場面設定にしろどこか違う、と感じさせられるものがあります。『華麗なるアリバイ』と言う邦題は、別に華麗でもなんでもないので、ちょっと違うと思いましたが…。LE GRAND ALIBI2007年フランス監督:パスカル・ボニゼール脚本:パスカル・ボニゼール、ジェローム・ボジュール原作:アガサ・クリスティ 『ホロー荘の殺人』出演:ミュウ=ミュウ、ランベール・ウィルソン、ピエール・アルディティ、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、マチュー・ドゥミ 他【送料無料】アガサ・クリスティー 華麗なるアリバイ
2011.06.27
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ABBAのヒットナンバーで構成されたヒットミュージカルの映画化作品。ギリシャの美しい島のリゾート地で、小さなホテルを営む母親ドナと二人暮らしのソフィは、結婚式を明日に控えていた。彼女の夢は、父親とヴァージンロードを歩く事だったが、父親が誰かを知らない。どうしても父親の事を知りたいソフィは、ドナの昔の日記から父親の可能性のある3人の男性の居所を調べ、ドナに内緒で明日の結婚式への招待状を出していたのだった。そして、その男性3人は揃ってこの島へやって来る。ABBAの曲を聴いていた世代にとっては、ABBAの名曲が次から次へと流れるこの作品は大いに楽しめます。懐かしい想い出も蘇ります。舞台は美しいエーゲ海の島。その美しい背景と、ABBAの曲と浮き浮きした気分で、始終一緒に口ずさみながら観ていました。キュートなアマンダ・セイフライド、元気なおじさまとおばさま俳優たち。彼らの歌は、上手いの下手の、と言うよりも、雰囲気を楽しんでいるな、と言う感じです。内容はまあ、いかにもミュージカル舞台の映画版といった感じで、ドタバタもあり、突っ込みどころはあるけれど、始終楽しく観られてハッピーな気分になれます。ただ、メリル・ストリープが…。どんな役でも見事にこなす彼女ですが、このドナ役は彼女ではなかったのではないかと思います。元気に踊り、歌い、飛び跳ねる彼女のパワーは凄いですが、自由奔放な女性だというドナというイメージには遠かったです。もうちょっと若い人の方が良かったかも。顔立ちのせいもあるか、ちょっと無理がありました。もうちょっとお茶目な感じの人だったらさぞかし良かったでしょうに。核であるドナ役を誰が演じるかで、もっと良いものができたかもしれませんね。それでも、ABBA世代、ABBA好きな人は楽しめると思います。音楽はABBAのベニーとビョルン。MAMMA MIA!2008年製作国:イギリス/アメリカ監督:フィリダ・ロイド脚本:キャサリン・ジョンソン振付:アンソニー・ヴァン・ラースト音楽:ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァース出演:メリル・ストリープ、アマンダ・セイフライド、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース 他マンマ・ミーア!
2011.06.20
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何でこれが日本アカデミー賞の作品賞なの?昨年話題になった映画。数ヶ月程前、本屋で原作本を手にとって買おうかどうしようか迷ったのだけど、滅多な事では原作に勝る映画はないと思うので、まずは映画から観てその後に読もうと、その時は買うのを止めた。観る前にある程度期待していたのだが、全く予想と違う映画だった。要するに、愛する我が子を殺されても、犯人が未成年ならば少年法により守られている事から、自分で彼らを罰する、痛い目に合わせる、と言う復讐劇。森口先生の淡々とした告白は驚愕の告白であり、犯人はあっさりと分かってしまう。その後は、犯人や親、クラスメートの告白が続き、結局森口の思い通りに進んで行く。犯人はすぐに分かるからサスペンスの体はなさないのかと思えば、犯人のそれぞれの家庭環境や隠された秘密が暴露されるのでそこは引き込まれる部分もあるし、目を離せない部分はある。生徒たちも熱演している。しかし、何とも後味の悪い作品だった。森口悠子は目的を果たした。しかし、本当に心から喜べるのだろうか。あのままあの子達をほうっておいたら、又同じような事を繰り返したかもしれないけど、それにしても人が死に過ぎた。命の大切さを子供たちはわかっていない、と言いたいのか、では、森口のした事は何か。結局みんな自分勝手。もちろん森口悠子は被害者で、彼女の犯人に対する憎悪は理解できるが、共感は出来ない。感動ものではなかったし、打ち震えたとしてもただの嫌悪感で打ち震えただけ。あのクラスだけで秘密に出来ることか、あそこでばれるだろう。あの少年にあんな大それた事ができるのか。1年B組の中と、少年Bの母親、担任教師だけの世界で起こる出来事で突っ込みどころは多いし、一歩深さが足りない、と言う感想が最後まで残る映画だった。これが日本アカデミー賞の作品賞だったとは。元来好きな、オススメの映画を書く事を目的としてきたブログだけど、これは私の好みではなかったが敢えてレビューを書いた。話題になったし、ある種のエンターテイメント性はあると思う。本場のアカデミー作品賞を受賞した『ハートロッカー』を観た後に本作を観たので、得るものがない本作が、これが日本アカデミー賞の作品賞だったと考えると悲しい。小説は、もちろん読まなくていいと思った。2010年監督/脚本:中島哲也原作:湊 かなえ出演:松 たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、藤原 薫、橋本 愛、芦田愛菜 他
2011.06.18
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1968年、五月革命の頃。南仏の田舎町ヴューザック家の夫人がなくなり、長男のミルは娘や兄弟たちに連絡する。しかし、集まった身内の話題は革命や遺産配分の事ばかり。そして革命の影響で葬儀屋までストをすると言う。1960年後半、学生運動は世界中で盛んだったのですね。フランスのその五月革命の頃に亡くなったブルジョアの夫人。しかし、その死を悼むと言うよりは、みんなの頭にあるのは革命や遺産、挙句の果てにはこの邸を売った方がいい、とまで。人の死に対して何の尊厳もないようで呆れ、うんざりするのはミルだけで。人生最大の儀式は葬式、だとは私の父が昔よく言っていた言葉ですが(今は自分も年老いてその事について口にはしませんが)、そんな言葉を聞いていた私にはこの登場人物の有様は当然理解できず、ミルが気の毒でなりません。しかし、葬儀屋のストで一日葬儀が延期になって自分たちで遺体を埋めようと言う話になったり、空いた一日でピクニックに行ったりする彼らを観ていると、このフランスブルジョアのお気楽さとか享楽主義に逆に感心してしまいます。伊丹十三監督の『お葬式』でもそうだったように、葬儀では隠していても本心が出てしまう、と言うそこに悲しさや滑稽さが見え隠れしてしまうものなのでしょう。普通の家庭より、ブルジョアジーにはそれが顕著かも。ルイ・マル監督はそのあたりを皮肉って描いたのかもしれませんね。でも、ラストに何事もなかったかのように又それぞれの場所へ帰っていく人たちを見送り、一人そこに残るミルの何とも寂しそうな顔が物語るのは、結局跡取りは大変だな、と言う事。五月革命のさ中、一人の死に対して巻き起こるドタバタ劇。不快に陥ることなく、クスッと笑わせていただきました。それにしても、ピクニックでの身内同士の恋愛模様は、さすがおフランスです。MILOU EN MAI1989年フランス監督:ルイ・マル脚本:ルイ・マル、ジャン=クロード・カリエール出演:ミシェル・ピッコリ、ミュウ=ミュウ、ミシェル・デュショーソワ、ドミニク・ブラン、ポーレット・デュポスト 他【23%OFF!】五月のミル HDニューマスター版(DVD)
2011.06.15
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井上ひさしの舞台の映画化。多くの人の命を一瞬にして奪った原爆。昭和20年8月6日から3年後の広島。図書館に勤める美津江は父や大切な人たちを原爆で失くし、今は一人で暮している。ある日美津江は一人の青年と出会いお互いに惹かれるが、自分ひとりが生き残ったことに負い目を感じている彼女は、「私は幸せになってはいけない」と自分の心を必死に抑えようとする。そんな娘の事を心配した父親が、幽霊となって現れる。浅野忠信はあまり出てきません。ほとんど宮沢りえと原田芳雄の二人芝居です。ユーモアもあり、ほのぼのとしたものが感じさせられる父娘の会話。しかし、スクリーンの向こう側には、しっかりと原爆の惨劇とその後の生活の情景を見ることが出来ました。愛する人たちを一瞬にして失くした傷痕はなかなか癒えず、生き残った事に苦しむ美津江。当時では多く聞くような話です。もちろん、幽霊となって娘を説得するなどあり得ないのですが、だからこそ、そこにユーモアと悲しみが感じられて心打たれるものがありました。真面目に生きる美津江を、宮沢りえがとても清楚に演じていてステキでした。そして、原田芳雄の幽霊らしからぬ娘を想う幽霊が、どこか飄々としているからこそ切なくて、でもちょっぴりおかしくて、静かに哀しみを感じられる、でも決して暗過ぎることなく描かれていています。原爆、戦争と言う題材を抜きにしても、父親が娘を想う気持ちはどこか小津作品にも通じるものがあり、しみじみと心に刻まれる作品でした。2004年監督/脚本:黒木和雄原作:井上ひさし出演:宮沢りえ、原田芳雄、浅野忠信父と暮せば(DVD) ◆20%OFF!
2011.06.09
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ジョージ・ロイ・ヒル監督とロバート・レッドフォード、そして大好きなポール・ニューマンの『明日に向かって撃て!』のコンビが再び組んだ、大満足の映画。何度観ても飽きる事はありません。1936年、シカゴの下町で詐欺師の3人組が通りがかりの男から金を騙し取る。しかし、彼らが手にしたその金はいつもと違い大金だった。数日後首謀者のルーサーが死体となって見つかった。実はその金、ニューヨークの大物ロネガンの手下が、賭博の上がりをシカゴへ届ける為のものだったのだ。詐欺師たちが悪の親分たちを騙しにかかる。終われる身のレッドフォードが追う命令を出したロネガンを騙すというストーリーで、とにかくスリリングな場面は満載だし、思わず笑えるシーンも多い。話は二転三転し、最後はこちらも完全に騙される。そして、観終わったら実にスカッと爽快。極上の大娯楽作品なのです。ここでもポール・ニューマンが渋くて、そして茶目っ気いっぱいでやっぱりいい。音楽も美術も、衣裳も当時を再現して耳でも目でも楽しませてくれます。第46回のアカデミー賞、作品、監督、脚本、編集、美術衣裳デザイン、音楽賞を総なめというのも頷けます。脚本が全くオリジナルというのもさすが。この頃のアメリカ映画は凄いですね。どの役者たちも味があり、巧い。その巧い役者たちが実に巧い仕掛けで騙す。もう最高でしょ!DVDが今は出ていないのでしょうか。楽天で探してもありませんでした。残念。こんな作品を観るとしみじみ、「映画っていいな~」って思えるのです。あのテーマ曲を思い出すと、からくりはわかっているはずなのに、又この映画が観たくなる。オススメ!THE STING1973年監督:ジョージ・ロイ・ヒル 脚本:デビッド・S・ワード出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウ、チャールズ・ダーニング、レイ・ウォルストン、アイリーン・ブレナン 他 ポールニューマン/ロバートレッドフォード主演シネマUSEDパンフレット『STING/スティング』☆映画中古パンフレット通販☆洋画◆
2011.06.06
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2009年のアカデミー賞作品賞を受賞しましたね。あの時キャスト、スタッフが大勢ステージに上がって喜んでいた姿を思い出します。インドでも大人気のテレビ番組『クイズ$ミリオネア』。ムンバイ出身の青年ジャマールは次々と難問をクリアし、とうとう残り一問までこぎつけた。しかし、一日目の収録が終わりスタジオを後にしようとした彼は、いかさまの容疑で逮捕されてしまう。スラム育ちで、まともな教育も受けていないジャマールが勝ち抜けるはずがないと決めつける警察は執拗にジャマールを取り調べるのですが、全ては彼のスラムや、今までの壮絶な人生の経験から学んだ事から得た知識で勝ち抜けたのでした。彼にとって一番大切なのは、ミリオネアになることではなく好きな娘ラティカを探す事、彼女に出会うこと。とにかくジャマールは一途なのです。スピード感にあふれていてスリリングな展開に緊張感もあり、と言う展開であっという間に時間が過ぎてしまいました。少年のジャマールも青年ジャマールも走る、走る、走る。番組が進んでいく様子、警察で取り調べられる様子、ジャマールの過去を上手く組み合わせて進んでいきます。そして又、そこへラティカへのひたむきな想いとジャマールの兄との兄弟愛が並行してるので飽きません。ミリオネアの司会者や刑事、悪の親分やその仲間などさまざまな人間関係も垣間見えます。それにしてもスラムでの生活の過酷さは想像していた通り。でも実際はもっとひどいものかもしれません。そして悪い大人たちのなす悪事には目を背けたくなるし、憤りも覚える。現在でもまだこういう事が行われているとしたら、経済発展も必要だけど、こんな生活をもっとどうにかしないとダメでしょ、と思わずインド政府に文句を言いたくもなります。ベタな部分はあるし、突込みどころも多いけれど、とにかくパワフルで躍動感のある社会派映画というよりも、私はエンターテイメントとして楽しめました。ラストはインド映画らしく皆で踊りまくり。でも、製作国にインドは入っていないのですね。SLUMDOG $ MILLIONAIRE2008年イギリス監督:ダニー・ボイル脚本:サイモン・ボーフォイ原作:ヴィカス・スワラップ 『ぼくと1ルピーの神様』出演:デヴ・パテル、マドゥル・ミッタル、フリーダ・ピント、アニル・カプール、イルファン・カーン 他スラムドッグ$ミリオネア
2011.06.03
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NHKの朝ドラは、昔は大して面白くなくても何となく習慣で観てしまっていたけど、最近は毎日欠かさず観るものもあれば、声だけ聞いてればいいものもあるし、始めの一週間で観なくなったもの、といろいろです。話題になった『ゲゲゲの女房』は一ヶ月も経たないうちに他の事をしながら声だけ聞くパターンでした。『てっぱん』はいつも観てましたけど。今の『おひさま』は、今のところ私の中では最近の大ヒット朝ドラです。今日は、茂樹が戦地に行く為最後の別れに安曇野に帰って来て、陽子やお父さんにお礼を言うシーンがありました。「俺は星になる。お前は太陽になれ。」と茂樹は言います。死ぬ覚悟なんですね。昔は、戦地へ見送る人に「生きて帰って来てください。」とは言えない時代だった。「お国の為に死ぬ。」と言うのが当たり前だったのですから。茂樹は予科練に行く事を決めた時、お父さん、春樹兄さん、陽子を守る為に(戦争に)行く、と言っていました。きっと、それは本心だったのだろうと思います。現在の陽子(若尾文子)が、当時の若者のそんな思いを無駄だと思いたくない、と言うような事をいっていました。でも、又一方では彼らは絶対に死にたくはなかったのではないかと思うのです。でも、大切な人たちを守りたい一心で戦ってくれたのだと思います。特に志願兵はその思いは強かったのかもしれません。当時、まだ未来のある多くの若者が死んでいきました。そして、戦争を経験した今は年老いた人たちの若い頃や子供の頃のたくさんの苦労の上に現在の日本があるのだと言う事、こういう戦争中の話を見聞きするたびに強く思います。さて、『おひさま』ですが、茂樹はどうなるのでしょうね。私の予感では…生き残るのかなぁ…。その事で返って苦悩する。茂樹が予科練に旅立つ時の陽子のナレーションがひっかかっているので、そんな気もするのですが…。逆に春樹が戦死する…なんてことは…?
2011.05.28
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幼馴染のリヴとエマは、どんな時も一緒に過ごしてきた親友同士。彼女たちの幼い頃からの夢は、ニューヨークのプラザホテルで結婚式をすることだった。そんな二人が同時期に婚約した。二人が選んだ結婚式場は、もちろんプラザホテル。ところがホテルの手違いで同じ日時にダブルブッキングされてしまい、どちらかが譲らなくてはならなくなったのだが…憧れのプラザホテルでの結婚式。色んな理由があって、もうその日しかないのに、よりによって親友同士がダブルブッキング。同じ日に婚約して、同じ日に結婚しようとするあたりいかにもアメリカのラブコメと言う感じですが、まあ、このあり得なさがラブコメですからね。その善き日を絶対に逃すものかと、仲の良かった二人はだんだん相手を出し抜き、だまし、陥れようとしていく様が恐ろしくもあり、面白くもあり。よくあるパターンのラブコメだし、先の展開も読めるし、突っ込みどころはいっぱいだけど、最後にホロッとさせるラブコメの王道ももちろん健在で、何より楽しく観られました。アン・ハサウェイがはじけてていい。ケイト・ハドソンを久しぶりに見ましたが、太ってて人相も変わり、一瞬誰かわかりませんでした。あのおかっぱ前髪は彼女には似合わないかなァ。それから、男性陣が魅力不足の感がありました。BRIDE WARDS2009年監督:ゲイリー・ウィニック脚本:グレッグ・デポール、ケイシー・ウィルソン、ジューン・ダイアン・ラファエル出演:ケイト・ハドソン、アン・ハサウェイ、クリステン・ジョンストン、ブライアン・グリーンバーグ、キャンディス・バーゲン 他【送料無料】【セール_0519】ブライダル・ウォーズ
2011.05.23
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最近映画もDVDも観ていないので、しばらくは以前観たものを思い出して書くことにします。ちょっと記憶があやふやで、あらすじが怪しいかもしれませんが。ニューヨークでジャーナリストとして働くエレンは、父親の誕生日パーティーの為に帰郷するが、そのパーティー後母親が癌に侵されていたことを知る。大学教授の父親は、エレンに母親の看病の為家に戻ってきて欲しいと頼み、エレンはキャリアを一旦捨てて戻ってくるが…。子供の頃から英文学者の父親から多大な影響を受けており、その父親から認めてもらいたいと働くエレン。一方母親は地元の婦人会の顔で、家事を完璧にこなす専業主婦。母親のようにはなりたくない、と思っていたエレンだが、実際母親に代わり家事をしてみるといかにそれが大変だったかがわかってきて、次第に母親への思いも変わってくるのです。しかし、一方で母親の病気が深刻である事を認めたくない自分もいて、でも刻々と病状が悪化するのに家の事、母親の事は自分に押し付けて毎晩遅く帰宅する父親との間に確執を生んでいきます。大好きなはずだった父親を嫌いになっている自分、そしてあんな生き方をしたくないと思っていた母親の偉大さに気づいても、どこかでそれを認めたくない自分。ずっと彼女の誇りだった父親の別の面。又、その父親のプライドが崩される場面。そして、愛する妻の命が短い事に耐えられず一人泣き崩れる父親。全てをわかっていて温かい家族を守り続けた母親。実はそんな母親が一番内面で強い人だったのです。家族の一人の人生が終わろうとしている時に改めて気づかされた「家族」と個々の「人生」をレニー・ゼルウィガーが強く演じていたのが良かった。それにも増して、本当の意味で一番芯の強い、でも決して表には出さずに楽しく、温かい家庭を作っていた母を演じたメリル・ストリープはさすがでした。そして、ウィリアム・ハートもぴったりでしたね。すっとしたインテリだけど、実は…って感じが。アメリカのインテリ層、保守的な人たちの典型的な家族のような気がします。エレンが母親に「狭い世界で生きている」と言うのもわかるし。母親がエレンに、「幸せになるには今持っているものを愛すればいい。」と言うのもわかる。暗い題材だし、エレンの笑顔がほとんど見られないような映画だったけど、母親の偉大さが結局一番だった、と感じる作品でした。ONE TRUE THING1998年監督:カール・フランクリン脚本:カレン・クロナー原作:アンナ・クィンドレン出演:メリル・ストリープ、レニー・ゼルウィガー、ウィリアム・ハート、トム・エヴェレット・スコット、ジェームズ・エックハウス、ローレン・グレアム 他 【中古】洋画DVD 母の眠り(ユニバーサルザベスト)【10P18May11】【画】
2011.05.22
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以前からリビングの床の張替えを頼んでいたのですが、4月中旬に連絡があり、それから4日後に大工さんに入ってもらうことになって大忙し。部屋中のものを動かして、色んなものを整理しながら、でも、時間がないので捨てるものをそんなに吟味する暇もなく、とりあえず動かすことで部屋を空ける。それにしても、これだけ物が増えていたか、と唖然。床の張替えは一日半で終了したのですが、その他あちこち扱ってもらいたいところがあったので、それをやってもらい、建具もやり変えてもらったので結局建具が備え付けられるまでそれから又数日かかって、大きな物をリビングに戻したのはGWに入ってから。そこでやっと本当に捨てるべき物を整理したかったのですがGW中には予定もあり、結局今日やっと片付いたところです。でも、整理が出来てよかった。こんなに荷物が増えていたとは…。どんどん物が増えてきているのは感じてたけどそのままにしてしまっていて。ついでに私のクローゼットもどうにかしなくちゃ。これを機に捨てるとか、寄付するとかしよう!絶対そうしよう!もう細くはならないから…着れないって…。
2011.05.10
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ヒッチコックが故郷ロンドンに戻って作った作品。 ロンドン、テムズ河岸で、ネクタイ絞殺死体が浮かび上がり大騒ぎとなっていた。元空軍の英雄リチャードは働いていた酒場をクビになり、やけ気味に友人ラスクの元を訪れる。その後、結婚相談所を経営している元妻の所にやってきて愚痴をこぼしていた。翌日この相談所の常連で変人のロビンソンがやってきて元妻をネクタイで絞殺。直後にそこを訪れたリチャードが秘書の証言で犯人として追われる事に…犯人は最初の方で判ってしまいますが、追われるリチャードがどういう風に逃げるのか、そして逃げる過程で彼に関わる人たちの様子や心境の変化を上手く描いています。ロビンソンと言うのは偽名ですが、彼が元妻を絞殺する様子はかなりグロテスク。そこまで見せるか、と言うほどリアルに描いています。ここでしつこいくらいに殺人の描写をしておいて、その後もう一人の殺人の様子は見せずに、死んでいる事だけを映し出したのはさすがです。狂ったネクタイ絞殺魔は普段は実にいい人に見えるのが、一転して殺人鬼と変化する時の顔の恐ろしい事と言ったら。でも、そんな彼にも落ち度がありそこから土がついていくのですが、その証拠を隠滅する為に必死になる様子にもハラハラさせられます。そして、ヒッチコックの作品のユーモラスな部分も刑事とその妻との場面で活かされていて、そこでつかの間のほっこり気分。ハリウッドでは大スターたちを存分に使って作品を作っていましたが、本作はそうではないものの私は充分に楽しめました。FRENZY1972年イギリス/アメリカ監督:アルフレッド・ヒッチコック脚本:アンソニー・シュイファー原作:アーサー・ラバーン出演:ジョン・フィンチ、バリー・フォスター、アレック・マッコーエン、バーバラ・リー・ハント、ジーン・マーシュ 他
2011.04.13
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(C)2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved元CIAのトップエージェント、モーゼスは静かな引退生活をしていた。唯一の楽しみは、役所の年金課の女性サラとの電話での会話。しかしある夜彼は家の中に侵入者を察知する。一人残らず始末したが電話を盗聴されたと心配したモーゼスは、サラの家へと車を走らせた。 (C)2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved 痛快なアクションものでした。元はコミックだと言う事。なるほど、納得。CIA時代のかつての任務が原因でそのCIAから狙われるのですが、今回ブルースと一緒にCIAに立ち向かい活躍するのは元CIAの仲間モーガン・フリーマンとジョン・マルコヴィッチや、元MI6の美人スパイ、ヘレン・ミレン、はたまた旧ソ連時代の敵スパイ、ブライアン・コックス達。ブルースとマルコヴィッチはまだおじいちゃんとは言い難いが(年齢的には孫がいてもおかしくはないかもしれないけど)、まあ平均年齢はかなり年配と言われるような俳優たちがアクション物で大活躍って言うのが面白い。狙われても、攻撃されても、決してめげない、それどころかガンガン攻めていって最後はもちろん圧勝と言ういい気分にさせられる。 (C)2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved白いドレスで機関銃をぶっ放すヘレン・ミレンが印象的だし、飄々としたジョン・マルコヴィッチが又おかしい。最初は、顔も見たこともないサラと電話での会話を楽しむブルースが気だるい感じだが、身の危険を感じてからはだんだん昔の勘を取り戻し、『ダイ・ハード』を彷彿させるかのごとく不死身のブルースはやっぱりいいねー!コミックが原作だしご都合主義とも言える、あり得ないような事が展開していくので、何も考えずに楽しめばいいのです。でも、それならば、モーガン・フリーマンには○○○○欲しかったけど…。それからアーネスト・ボーグナインが出てきたのには驚きました。一体何歳なんだろう?ドレイファスもさすがの演技だし。まあ、老人と言えば老人が大活躍する、痛快な作品でした。因みに“RED”とは、Retired Extremely Dangerous つまり、「引退した超危険人物」。RED2010年監督:ロベルト・シュヴァンケ出演:ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレン、メアリー=ルイーズ・パーカー、カール・アーバン、ブライアン・コックス、リチャード・ドレイファス、アーネスト・ボーグナイン 他【予約】ブルース・ウィリス/RED/レッド ブルーレイ+DVDセット(Blu-r
2011.04.08
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3月からWOWOWで『ツインピークス』[Twin Peaks]の再放送が始まりました。1990年に始まったデイヴィッド・リンチ監督の独特な感性を駆使したアメリカンドラマで、昔私も観ていました。当時我が家はまだWOWOWを契約していなかったので、その後民放で放映されていたものを観ていたのだと思います。アメリカ北西部のカナダとの国境の町ツインピークス。周囲を山に囲まれて、外界から隔離されたような片田舎で、ハイスクールの人気者ローラ・パーマーが何者かに殺害され、ビニールに包まれた格好で発見されるところからドラマは始まります。FBIのクーパー捜査官がツインピークスに派遣され、地元の保安官と調査に乗り出すわけです。ところが優しくて天使のような存在だったローラの裏の素顔や、殺人事件などは似つかわしくもない町や、そこの住人には表面では分からないようなドロドロした関係や、多くの謎があり真相究明に手間取るのです。昔、実は最後まで観ていません。物凄くおもしろかったのですが、「この人が真犯人」だと思ったにもかかわらず、その後なかなか進展がなく段々面白くなくなって、途中で観るのを止めてしまいました。それで、未だにローラ殺害の真犯人がはっきりしないままでいて、今回の再放送に当たり今度は絶対に最後まで観てみよう、と思った次第です。私の友人たちもあまり最後まで観ていなかったような。結局「まだやってたの!?」と思うくらい、とても長かったんですよね。ドラッグや性、不倫、環境問題、心の病、恋人関係、親子関係とあらゆる問題が絡んでいて、宇宙や超常現象までも絡んでくる。最初はサスペンスドラマだと思って観ていたら、次第にオカルトチックになっていったと言う記憶があります。ドキドキさせられるスリルのある場面が多いのですが、時にコミカルな部分も。登場人物がどんどん増えてきて、又物凄くユニークな人たちが多いので見飽きません。なんか別世界の不思議な話にもなってくるし。そして、何かがきっかけで変わってしまう人物を描きだしていて、こういう美しい、一見平和な町に実は何かが宿ってる、潜んでる、というようなある種ファンタジーっぽさも感じられるのです。あのテーマソングも、静かで美しい旋律なのですが、このドラマを見続けていると、もの悲しくもちょっと不気味に感じられてしまいます。WOWOWの放送は週一回夜中からまとめて5話くらい放送するので、いつも録画をして観ているのですが、14章まで観終わりました。前回観た時もこのあたりまでは面白かった記憶があります。この人が真犯人だったのか、と思われる意外な人物が容疑者として浮上しますが、ここから先が問題かな~。前観たときも、ここまでは覚えているのだけど、後がダラダラだったような。どっちにしても、以前はあまり観なかった今後はどう展開していくのか、楽しみでもあり、又飽きてしまうかもしれないと不安でもあります。【送料無料】ツイン・ピークス ゴールド・ボックス
2011.04.05
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(C)2011「太平洋の奇跡」製作委員会太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたサイパン島で、わずか47人の兵で45,000人もの米軍を巧みな戦略で翻弄し、立ち向かい、米兵らから畏敬の念をこめて「フォックス」と呼ばれた実在の大場栄陸軍大尉。大場大尉とその部隊が、1945年8月のポツダム宣言受諾以降も、その事実を知らずに粘り強く戦い続け、隊員と多くの民間人を守り抜いた大場大尉の実話を日米双方から描いた作品。この戦争映画、竹野内豊が主演でなければおそらく観る事はなかったかもしれません。公開前、苦手なバラエティにもトーク番組にもいっぱい出て頑張ってPRしている彼を見れば、ファンなら応援せずにはいられませんでした。捕虜になるくらいなら自から死を選ぶのを善しとした太平洋戦争。そしてサイパンでは、実際に民間人が「天皇陛下万歳!」と言いながら飛び降りたとされるバンザイクリフという崖もあります。そんな戦争に於いて、民間人にも兵士に対しても「生き抜く」「無駄死にしない」ことを説き続けた大場大尉。そこは大場氏が元地理の教師だったと言うのも一般の軍人とは違った点なのかもしれません。米軍からフォックスと恐れられたほど、神出鬼没、巧みな戦略で米軍を翻弄させたと言われていますが、映画からはその辺はあまり感じられませんでした。しかし、2ヶ月に及ぶジャングルでの過酷な撮影が物語るように、竹野内豊の顔が痩せていくのが、実際の大場隊の戦いを垣間見たような気にさせられました。映画の撮影は2ヶ月、しかし、実際に大場隊が47名で戦ったのは512日にも及んだのですが。 (C)2011「太平洋の奇跡」製作委員会一匹狼の(実際には手下風の兵士がいるが)ヤクザ者の一等兵を演じる唐沢寿明は、スキンヘッドにし物凄く筋肉りゅうりゅうのなで肩に体を作り上げていて驚きました。ちょっと作りすぎではないかと思ったほどでしたが、強いインパクトを残しました。ラストがあまりにあっけなかったけど。通訳で、大場隊を投降させる為に説得する捕虜役に阿部サダヲ。彼の最期もあっけなかった。あんな死に方では残念過ぎて仕方がありません。ただ当時では、あの山田孝之扮した軍人の様な考え方が主流だったのだろうし、だからこそ大場大尉は異色で、米軍兵の心に強く残る人物だったのでしょう。実際の大場栄氏は寡黙で、戦後家族にも戦争中の事はあまりしゃべらなかったと、大場氏の次男が仰っていましたが、この映画の大場大尉の役を決めるに当たっても、寡黙で目で演技が出来る人、と言う事で竹野内豊が選ばれたらしいです。最後に正式な上官からの命令で山を降りる事になった時、大場隊が軍歌を歌いながら、日章旗を掲げ、整然と米軍の前に姿を現すシーンで涙が一気に溢れ出ました。一方彼らを待ち受ける米兵たちは、気楽にタバコを吸うものもいれば、みんな談笑しています。こういうシーンで感極まってしまいます。そして、大場大尉が正式な儀式なのでしょう、軍刀を米軍のルイス大尉に差し出すシーン。その軍刀の裁き方とか、儀式自体が美しく何か荘厳さも感じさせられて、また涙。 (C)2011「太平洋の奇跡」製作委員会私はこの映画を3月9日に観ました。そして、3月11日の東日本大震災。あの衝撃的な大災害で被災した人たちが、家も流され、家族も失くした人たちが、一本のペットボトルをもらうのにも、1個のおにぎりをもらうのにも、静かに列を作って並んで待っている姿に胸が締め付けられる思いで、この映画のシーンを重ね合わせていました。日本人って…いい言葉が見つからないけど、何と言うか … 本当に。映画のラスト、捕虜収容所の前で大場大尉はルイス大尉に、「私は何一つ大したことはしていません」と言うシーンがあります。先に、「巧みな戦略で米軍を翻弄させたと言われていますが、映画からはその辺はあまり感じられませんでした」と書きましたが、もしかしたら、そんなに大それた作戦とかで米軍を翻弄したとか言うのではなく、本当に自分の隊と民間人を守る為に、必死に生き抜こうとしていただけなのかもしれません。映画では派手な作りをしたくなりがちですが、実際はただ地道に生き抜く事だけを考えたのかも。今あのラストの大場大尉の言葉を思い出した時、そんな風に考えます。大場大尉のような人がいたと言う事を知っただけでも、私には意味のある映画でした。人望が厚く、「この人について行こう」と思わせた大場大尉。どんな人物がリーダーかって、大切な事ですね。それを考えると、今の我国のリーダーについて行こうと言う気になるか。なりませんね、私は。2011年監督:平山秀幸脚本:西岡琢也、グレゴリー・マルケット、チェリン・グラック原作:『タッポーチョ「敵ながら天晴れ」大場隊の勇戦512日』 ドン・ジョーンズ出演:竹野内 豊、ショーン・マッゴーワン、唐沢敏明、井上真央、山田孝之、中嶋朋子、阿部サダヲ、岡田義徳、板尾創路、光石 研、ベンガル、酒井敏也 他【送料無料】太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男~ オリジナル・サウンドトラック【送料無料】タッポーチョ太平洋の奇跡
2011.04.03
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あの震災、津波から2週間以上経ちました。3月11日の夜に予定があり、家事を早めに済ましておこうとあちこちしていたところに、仕事先の妹から電話が入りました。「東北地方での地震知ってる?かなり大きいみたい。」「エッ!知らない、テレビつけてなかった。」「すぐに付けてみて!」「ちょっと待ってすぐつける。」そう言ってつけたテレビ画面に映し出されたのは、もう津波が少しずつ襲ってきていて、そのうちに何か鉄塔のようなものが倒れ、車がどんどん流されている様子。その度合いが次第に大きくなっていくのを、ただ唖然と眺めていました。そして、関東方面もかなり大きな地震だった事がわかりました。私には東北方面には知人はいないのですが、関東方面には親戚、友人が多くいるし、彼らの住んでいる場所のはどうなっているのか?震度もとてもテレビでは追いきれなくPCを出して調べると、ものすごい事になっているではありませんか。慌てて誰それに連絡を取るも、もちろん繋がらず。その後みんなの無事は確認できましたが、今度は被災地の様子、津波の様子がひっきりなしにテレビ画面から映し出されショックで…。その上、原発事故も明らかになり、数日間はテレビを観ると涙が出るし毎日暗澹たる気持ちで、このまま更年期の状態に陥ってしまうのではないかと思ったくらいでした。ただ、よく言われているように「今は自分が出来る事をやるだけ」だと思います。今もまだ瓦礫の山の被災地と、不自由な避難所での生活を強いられている被災者の事を思えば、西日本に住む私たちなど本当に贅沢は言えません。先日募金をして来ました。スーパーなどいたる所に募金箱が設置されているので、少しづつでもこれからも募金を続けていくつもりです。今私に出来るのはそんな事ぐらいしかありません。でも、あれ以来色んなことで生活が変わりました。あまり大きな地震とか(今のところ)起きない地域ではありますが、防災袋の点検をまめにすること、使わないコンセントを小まめに抜くとか、家族全員が今まで以上に節電、節水を心がけるようになりました。「明日はわが身」と言う言葉を、あの3月11日以来よく考えています。余震はまだ続いているし、被災地の復興はまだ始まったばかり、これから長い道のりになることでしょう。この先ずっと支援の気持ちを持ち続け、そして実際の支援を日本国中でしていかなければなりません。どの位の資金が必要になるでしょうか?子供手当や高速道路無料化等のマニフェストは復旧の為の財源にして頂きたい。復旧が急務です。そして原発。一進一退と言うか、今はほとんど進んでいないような状態になっているようで、毎日原発のニュースを見ると落ち込んでしまいます。でも、危険な放射線を浴びながら作業されている方たちやその家族の事を考えると、又胸が痛くなる思いで…。とにかく、早く落ち着いてくれる事を祈るばかりです。桜があちこちで開花し始めました。私も今日車を運転しながら今年初めての桜を見ました。こんな時にでも桜は咲くし、他の花たちもどんどんきれいに咲いていってます。必ず朝は来るのですから、強い気持ちで毎日を生きていくしかないのですよね。どんな政権でもこんな非常時には非難される事も多いのかもしれませんが、現政権は…もう頼りなくてしかたない。この政権の時によりにもよってこの未曾有の大災害が起きてしまうなんて…。政府よ、政治家たちよ、しっかりしてください!ホント!最後になりましたが、ブログタイトルを又変えました。「のほほんだより」から、のほほんともしていられないので「私のお気に入りに」。気に入っているものだけを書いてもいられなくなったので変えたいな、今度は何にしようかな、とずっと考えてはいたのですが、先日楽天で同じタイトルのブログを偶然発見してしまいもう絶対に変えよう!と思った次第です。好きな歌のタイトルや歌詞、好きな本や映画のタイトルの中から、以前にレビューも書いた事のある映画『ある日どこかで』に決めました。これからもどうぞよろしくお願いします。
2011.03.29
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