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2006.08.10
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女ともだち

~講談社、2006年~

 20階建ての大型マンションで、殺人事件が起こった。二階の独身女性―吉崎満紀子は、性器とともに子宮を持ち去られていた。二十階の女性―田宮瑤子は、その満紀子の血液が付着したナイフで死んでいた。
 満紀子は、売春で有名だった。彼女と関係をもっていた男性が逮捕され、裁判が開かれる。しかし、男の逮捕に疑問を抱いたフリーライター、楢本野江は、独自に調査を進めた。
 被告人、山口啓太朗。エリートコースを進んでいた彼は、結婚後家庭内暴力などを起こし、離婚。仕事の方もうまくいかなくなっていた。
 被害者、吉崎満紀子。負けず嫌いで、正直なところが強く、売春をする姿はどこかいびつで、普段の性格とのギャップがあった。
 被害者、田宮瑤子。スキャンダルに彩られた満紀子とは対照的で、大衆の関心はあまりひかなかったが、彼女にも暗い過去があった。
 検察側は、山口が二人を殺した、と主張した。非常階段の入り口の問題など、検察の主張に矛盾を見いだす野江は、記事で検察側をひどく攻撃した。しかし、やがて自分も過ちを犯していたことを知り、あらためて事件を見直していく。

 描かれているのは、とにかくどろどろした人間像。嫌なリアリティがありました。「ブラディータワー」と形容されるマンションの近くに、そこよりも低価格で好条件のマンションが建つ。それを受けて、タワー最上階の値段も、当初の半額に。瑤子さんは、半額でそこを買ったのですが、小さなことでも住人たちから嫌がらせを受けることになります。瑤子さんの人柄から、次第に彼女に好印象を抱く住人もできますが。

 劇団員のファンとして、お金を注ぎ込む満紀子さん。そのために売春をしたり、下着を売ったりするわけですが、痛ましさを感じました。
 というんで、どろどろ重たい気分になるものの、ミステリとしては割とオーソドックスで、わくわくしながら読みました。被告人山口氏と、満紀子さんには関係がありましたが、山口氏と田宮さんにはまったく接点がありません。検察官の主張の矛盾を崩していく楢本さんの記事や、その取材活動は、だからとても面白かったです。第二章で登場する老婆。老婆は、住民から何度苦情を受けてもマンションの緑地に石を積み上げるのですが、その理由として口にする言葉が意味深で、それもずっと気になったままの読書でした。
 前作『えんじ色心中』は、ラストでなにがなんだか分からなくなってしまいましたが、本作は割とわかりやすく ―というか、前作の印象が残っていた分、安心した気分で読了しました。
 どろどろした部分も含め、面白かったです。

ーーー
 最近夏バテ気味で、今日も研究がまったく手につかなかったため、読書を進めることにしました。しばらく暑さも続くようですし、体調管理に気をつけなくては、とあらためて思います。生活リズムは整っているつもりですが、夏バテの心当たりもいくつかありまして…。





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Last updated  2006.08.10 21:01:24
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 なにぶん…

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