のんきにお茶でも飲みながら

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2022年11月20日
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​いや、喜んでいるわけではない、中国の世界的なピアニスト、 ​ン・ランのリサイタル​ を聴きにサントリーホールへ行って来た!​
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​シューマンのアラベスクハ長調​ の後… ​バッハのゴルトベルク協奏曲​ を休憩なしでぶっ通しで弾き続ける!
シューマンは「パピヨン」「子供の情景」を弾いたけど仲良くできなかったなあ・・・歌曲は好きでよく歌ったなあ・・・などと思いながら聴いた。えー、なんなんだこの音色は!この残響は!・・・と初っぱなから心をつかまれる。とにかく美しかった。
そしてJ.S.バッハのゴルトベルク。
この曲は第30変奏までありまして・・・非常に長い。
3の倍数はカノンで書かれ、それがさらに1度、2度と上がって・・・ええい、専門的な事はちょい難しいから割愛。
元々はチェンバロのために書かれた曲。
ランランさんのゴルトベルクは、なんというか、 ​一音一音を噛み締めるというか愛おしむ​ というか…音色が本当に素晴らしい。時に軽やかに時に重々しく。 ​ピアノは減衰していく楽器ということを忘れてしまう​ ような演奏だった。私の席からは鍵盤は見えないが、ずっと顔の表情とハンマーに叩かれている鍵盤の後ろ側は見えた(笑)
バッハの時代、曲に感情を込めるという概念はあまりない、作曲家という概念さえなかったから。ただひたすら、自分の持っている知識と才能で神様のために曲を書いた(そうじゃないのもあるだろうけど)。
そんな熱量が、ラン・ランさんの演奏からも伝わる気がした。
ピアノのタッチに関わるメカニック的なテクニックはもちろんなのだけど、チェンバロで書かれた曲をピアノで演奏するということも意識してだろうか、その音、一つ一つをとても繊細に弾いていた。もしかしたら ​弦楽四重奏的なイメージ​ もあるのだろうか?時々指揮のようなそぶりも見えたから。私達にはピアノの音色しか聞こえないけど、彼には、それぞれの声部が弦楽器に聞こえていた?だとしたら、減衰しないように聞こえるイメージも分かる気がした。あくまで私見だけど。
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最後、再度アリアになった時、涙がじわっときた。言葉では言えない感動だった。

ところが、アンコールがまたすごくて。
1曲目は肉声で客席に向かって「じぇいそんふらわー」と言ったように聞こえ、そんな馬鹿な、と思って聴いたら、
​プッチーニのオペラ「トゥーランドット」​ と同じメロディだ、って思い、では中国のメロディ?と思ったのだが、​ ​​​​​ ​中国の民謡といえば「茉莉花」が有名​ だがそのメロディが今聴いているメロディなのか確信がなかったので帰ってから確認した。
はい。「茉莉花(まつりか)」でした。そうか、 ​「ジャスミンフラワー」​ って言ったんだ、って後で分かった(笑)
2曲目は奥様と連弾(!)の ​ハンガリー舞曲​ 、3曲目は ​アラジンのホールニューワールド​ 、4曲目は ​イッツアスモールワールド​ 。豪華だ…。休憩なしだから早く終わるのかと思ったら、たっぷり2時間以上。なんというスタミナと集中力!やっぱり世界の一流は大金を払っても聴きに行くべきだと思った。本当に聴きに行けて良かった。苦労してチケットを手に入れた甲斐があった(気づいた時には前売りは終わっていて、一般発売日は仕事で・・・ネットを開いたらもう完売していた。様々なつてをたどって、チケットを譲っていただいた。その方は福岡の方なので、そちらの公演を聴くそうだ。ありがたい)。​​​​​


客席に苦言を一つ。
終演後の ​時差退場、アナウンスもあるのに守っているお客の少ないこと!​ 帝劇やミュージカルのお客は皆守って、静かに座って待っているというのに!クラシック、ミュージカルとくくりたくはないが、今日のサントリーホールのお客は帝劇のお客を見習うべき。ランランが素晴らしかったのだから、お客もそうでありたいと、私は思ったのだった。​





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最終更新日  2022年11月20日 13時21分54秒
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