子育て終了した父親の独り言2013

子育て終了した父親の独り言2013

3 体に衝撃 再発で寝たきりに





運動器 腰椎椎間板ヘルニア:3 体に衝撃 再発で寝たきりに


 東京都内の総合卸商社に勤める石黒弘二さん(33)は、レーザー治療で痛みが消え、腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアを克服したように思えた。しばらくは休日も返上し、仕事に没頭した。

 2006年11月。年末商戦を目前にしたこの時期、卸商社は一年で最も多忙だ。石黒さんは朝、会社のロッカーで制服に着替えていた。ズボンをはこうと足を上げた瞬間、体の中で「バリバリバリ」と衝撃が走った。

 そのまま倒れた。「イテー」と一声叫んだらしいが、覚えていない。右足の太ももの裏を、ざくざくとナイフで突き刺されているようだった。腰は千本の針で刺されているようで、つま先までしびれて立ち上がれない。これまでの痛みとはレベルが違った。

 職場の床に段ボールを敷いて横になり、2時間ほど歯を食いしばって耐えた。痛みが治まれば、仕事に戻るつもりだった。でも、治まらない。「これはやばいな」。荷物も私服も置いたまま、タクシーで帰宅した。

 自宅近くの整形外科へ、ふだんなら3分の道のりを20分かけて歩いた。鎮痛剤の飲み薬と座薬を処方され、松葉づえを借りて帰った。薬は、全く効かなかった。

 翌日、夏にレーザー治療を受けた都内のクリニックに行くと、ヘルニアの再発と診断された。医師の説明だと、もう一度レーザーを当てても治癒する確率は7割くらい。でも、他の病院に行く余裕なんてなかった。数日後、3度目のレーザー治療を受けた。

 痛みは半減したが、順調とはいえない。12月下旬、知人の紹介で東京医科歯科大整形外科の四宮謙一(しのみやけんいち)教授(現・横浜市立みなと赤十字病院長)を受診。まずは少し様子を見て、1月に再度診察を受けることになった。

 12月31日の朝、トイレを出たところで、再び激痛がきた。廊下で倒れているところを、母の悦子(えつこ)さん(63)が見つけ、救急車を呼んだ。大みそかで受け入れ先がなかなか見つからず、発車まで20分ほどかかった。整形外科で痛み止めを処方されたが、この日から自宅で寝たきりになってしまった。

 痛い。上体を起こして座ることができない。首を回しても腰に響いた。トイレには時間を決めて1日に4回、はうようにして行った。食欲はなく、食事は一口大のおにぎりをいくつか、つまむ程度。水分は介護用のストロー付きカップで飲んだ。マンガや本を読んで気を紛らし、次の診察日を待った。

===抜粋終わり===


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