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ナショナルフラッグ・キャリアである国民航空。

十数年に及ぶ苦悩。待っていたものは・・・


アフリカ篇上下、御巣鷹山篇、会長室篇上下、の5冊からなる。
各巻、本文に入る前のページになる次の言葉が重く圧し掛かる。
「この作品は、多数の関係者を取材したもので、登場人物、各機関・組織なども事実に基づき、小説的に再構築したものである。」

舞台はナイロビから。
憑かれたように、ハンティングに打ち込むしかない恩地。このナイロビに来るまでに、カラチ → テヘラン と赴任して来ており、日本を出てから十年近くが経っていた。【僻地勤務は二年】という内規がある中での異例な人事。しかもナイロビには、路線がない。オフィスもなく、駐在員さえいなかった。

全ては、国民航空労組の新委員長に選ばれたこと、から始まっていた。強引に押し付けられた委員長。しかし、恩地は社員の労働条件の改善に意欲的に取り組む。そして、今まで御用組合と批判されてきた組合と会社の馴れ合いが徐々に明らかになっていく。

恩地は、アカ・革命分子とレッテルを貼られ僻地へと追いやられる。

巨大企業の知られざる内幕。不当人事。あまりに理不尽で、露骨な嫌がらせ。姑息な手段を使い囲い込もうとするが、あくまで真直ぐ突き進もうとする恩地。何でこんな企業でそこまでして働かねばならないのか?当然、疑問に思う。辞めることも一人だけ逃げることもせず。そこにあるのは、仲間を思う責任感、指名感であろうか。不器用で要領が悪いと言えないこともないが、一貫した恩地の行動には心を打たれるものがある。

やがて、恩地を慕う残された組合員の努力により、労働委員会の審問会が開かれた。
長年の不当人事が明るみに出て恩地は日本に帰ってきた。

ここで話が終われば良かった。
一人の信念を貫く男の物語、だけで終われば。


国民航空は、いうまでもないが、航空会社である。
この企業の体質は、一番大切なはずの安全面にも影響を与えてしまった。
- 1972年、連続事故を起こした -
安全工学で古くから知られているという【ハインリヒの法則】。“1つの事故”の背後には“300の異常”がありその影には“数千もの不安全行動と不安全状態”があるという。
しかし、こんな経験をしても、根本的には何も変わらなかった。


【航空史上最大のジャンボ機墜落事故】

この時私の家には、沖縄から叔父が来ていて、ニュース速報のテロップを見て「こりゃぁ、ダメだ」と一言もらしていたのを覚えている。あれから18年が経とうとしているのか・・・

第三巻では、冒頭の文に次の一文が加わる。
「但し御巣鷹山事故に関しては、一部のご遺族と関係者を実名にさせて戴いたことを明記します。」

日本に戻ってきた恩地は、“閑離職”に追いやられていたが、この日より“遺族係”となる。遺体の回収、検死、そして確認。身元がわからないたくさんの遺体。



作者が一人一人の遺族の気持ちを投影させたという、
息子夫婦と孫を亡くしたある遺族のお遍路姿。

「私の人生は終わったのです」- 言葉にならない。

4~5巻の内容と全体の感想などは、次の日の日記へ。







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最終更新日  2003年08月05日 06時31分14秒
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