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築100年以上は経つ、大きな庄屋屋敷。

しかし、売れないと断ったはずの【茶釜】が消えていた!
嵌められたのだ!もう【茶釜】を取り返すことは出来ないのだろうか?
・・・表題作『文福茶釜』を含む5作収録の短編集。


・美術雑誌の編集者、日本画や書を扱う表具師、画廊の番頭。
・老舗の道具屋、腕の立つ印刷職人。
・札付きの美術ブローカー、美術鋳物師。
・古本屋のオヤジ、初出し屋(うぶだしや)。


とまぁ、こういった方々が暗躍します!(いきなり)
古美術を扱ったミステリー。(殺人はおきませんが)

【水墨画、茶碗と茶杓、石膏像、茶釜、漫画の原画に初版本、祥瑞(染付け磁器)】

こういったお宝を巡り、様々な手法を使っての【騙し合い!】となるわけです。
古美術という馴染みのない世界。芸術を愛する風雅な心。
しかし、ビジネスが絡んでくるととんでもないことが起こります。
(むしろ、金の力の方が多くの人をひきつけてしまうのでしょうか)

ほとんどが勧善懲悪な話ではなくて、感情移入もしにくい。
ですが、基本はプロ対プロの対決であり、騙されるほうが悪いのだ、というスタンスが貫かれています。専門知識・用語なども多いのですが、贋作やら詐欺やら(品そのものの真贋だけでなく、鑑定書から入札目録に至るまで)その手口の多様さ、鮮やかさには思わず唸ってしまいますし、とても楽しめます。

知識と経験と独特のカンがものをいう厳しい世界。
これは以前読んだ 『犯人のいない犯罪』小杉健治

私が一番好きなのは、『永遠縹渺』(ひょうびょう)。
ブロンズの複製をつくることにより莫大利益を生む、【石膏像】を巡る話。
黒川さんご本人があとがきで「美大では彫刻専攻で肖像彫刻のバイトもしていたから、こえは書きやすかった。」とおっしゃっているように、描写がとてもリアルで真に迫っていて、ドキドキ感も一番でした。

本のタイトル『文福茶釜』は、巧く付けたなーと思います。私もこれにひかれてこの本をとりました。もっとも、昔話的要素(あまり覚えていませんが)や怪談的なところは全くないので、そちらを期待してしまうと肩透かしを食ってしまうかもしれませんが。多少象徴的ではあるかも(?)
確か、北森鴻さんの作品に古美術を扱ったシリーズがあるんですよね。






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最終更新日  2003年09月09日 06時54分44秒
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