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カテゴリ: カテゴリ未分類

渡って、帰り、また渡る。
約半世紀ぶりの、三度目の海峡。
人生最後の仕事をする為に・・・


各章のはじめに、現在の河時根(ハーシグン)の海峡越えが描かれる。
そして思いは、半世紀前へと。

始めて、海峡を越えたのは自分の意思ではなかった。
戦時下、17の秋。身体の弱い父親の代わりに、大韓海峡を渡り日本へ。

生まれたときから、日本は私たちの主人だった。

連れて行かれたのは・・・炭坑だった。
過酷。過酷。過酷。

炭坑は、生きている者にも冷たかったが、死者に対しても冷酷だった。


常に死と隣り合わせの劣悪な環境。吉村昭 『高熱隧道』 を思い出した。
しかし、ここは物理的な熱さ以上の耐え難い仕打に満ちて、最早、人としての尊厳などは皆無である。強制と支配。理不尽な扱いと屈辱を受ける日々。
闘い、追い詰められ、それでも生きる。


やがて時は経ち、“三たびの海峡”。
河時根がやらねばならないこと。河時根を待っているのは・・・


帚木さんの、シャキッとした清潔感のある文章が好きなのだが、それを感じて味わう余裕はなかった。
武力侵害と経済的搾取。植民地支配と、その後の国家分断。
これを読んで解った気になるのは、虫が良すぎるのかもしれない。
【強制連行】について、非常にあやふやな知識しかない為、ここで語るのは心許ない。ネットで検索をしても情報が錯綜していていて却って混乱する。小説は小説であって必ずしも真実が語られるというわけではないのかもしれないが、ある一側面から考えることがあっても良いと思う。両国の歴史の狭間で翻弄された人々が居たのは間違いないのだから。

『三たびの海峡』 帚木蓬生 新潮文庫 (平成7年8月発行)


久しぶりの読書感想日記。うーむ、難しい。





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最終更新日  2004年04月27日 06時49分14秒
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