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楽な事件かと思われたが・・・・


加賀恭一郎のシリーズ。(『卒業』に登場。他にも幾つかあるようだ)
『卒業』は読んだのだけれど、記憶がかなりとんでいる。
剣道をやっていたというのは憶えているのだが・・・


殺された男は、事務所に忍び込んだところで被疑者と鉢合わせたらしい。
身元不明。誰なのか?目的は?バレエ団との関係は?
というところから、話がひろがっていき、謎が解かれぬままに、更なる事件が・・・


やはり、バレエ団という特殊な集団、環境を舞台にしていることが、作品に奥行きを与えているのだと思う。
以下は舞台となる高柳バレエ団所属のあるダンサーのセリフ。

「ダンサーというものは踊りに対しては潔癖だし、他人との実力差を客観的に捉えているものなんだ。自分より優れた者がいる時に、その者をおしのけて自分が踊るなんてことは本能的にできないんだよ。」(P185)


こういう世界であればいいなぁと思う。
もちろん各バレリーナの力量、性格その他の違いにより、バレエに対する思いも千差万別であろうが、「バレリーナである」というだけで、“別世界の芸術家”として尊敬の眼差しでみつめてしまいそうになる(全くバレエと縁がない)私としては、ついつい夢見てしまう。
まぁ、それもこの小説の世界では許されるだろう。
ちょっと綺麗すぎる気もするが、ありがちな“才能妬み合戦”より新鮮に感じる。

タイトルも巧く嵌っていると思うし、【眠りの森の美女】の充て方もお見事。
何かに賭けられる人々というのは美しく強い。その分多くの悲劇も生まれるのだろうが。

展開としては、初めの"本当に正当防衛であるのか?”というすぐ解決してしまいそうなところから、次々に問題が拡がっていき、新たな事件が起きる。間延びせず、次に進んでくれるので読みやすい。

私がこれまで読んできた東野作品(ほとんどが初期のもの)は、どれも標準以上で凝っているなぁと思うのだが、めちゃくちゃ面白かった!というような強烈なインパクトはまだ無い。ただ評価が非常に高い作品が幾つも残っているので今後も楽しみ。(まずは『白夜行』あたりかな)

『眠りの森』 東野圭吾 講談社文庫(1992年4月第1刷)






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最終更新日  2005年06月23日 00時04分49秒
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