田中およよNo2の「なんだかなー」日記

田中およよNo2の「なんだかなー」日記

PR

プロフィール

田中およよNo2

田中およよNo2

カテゴリ

コメント新着

ミリオン@ Re:酒の四連荘(06/25) こんばんは。 勉強頑張っていますね。応援…
ミリオン@ Re:真面目に欧州選手権(06/24) こんにちは。 イタリアは素敵ですね。行く…
ミリオン@ Re:旅がしたいっ!(06/23) こんばんは。 飲み会がありましたね。応援…
ミリオン@ Re:映画の見方(06/22) こんばんは。 映画は面白いですね。見るの…
2007年10月14日
XML
カテゴリ: ほどよく
「センセイの鞄」

ずっと気になっていた小説だったけど、なかなか読めずにいた。
そりゃ、忙しいってのも言い訳にできるけど、ある程度は他の小説を読む時間はあったし…
言い訳にはならない。

ただ、このタイミングがベストだったのかなって、思う。

今の僕だからこそ、この小説良さってわかるような気がするんだ。

小説の内容は久しぶりにあった30歳も年上の「センセイ」と30台後半の大町月子さんの恋愛話。

といっても、若い二人ではないから(この言い方、古いセンスだな)淡々と進んでいく感じ。
ちょっこっと、邪魔があったり、センセイの前の妻が出てきたりするけど。


一つ一つの風景がシャキシャキしている。

風景だけじゃない。
料理がとってもおいしそう。
描写にこってるわけじゃないのだけど、日本酒が飲みたくなる。
居酒屋というより、割烹料理屋のカウンターに座りたくなる。
過不足がなくって、ぴりりとした描写だ。

それがね、とっても、カワイイ。

そして、そのピリリっぷりが僕には時々、ちょっとイタイ。
まず、素直じゃないこと。
ぴったりとした誰かを見つけたツキコさんの嬉しさ。
一人で楽しんでた人生にセンセイが割り込んできたツキコさんのとまどい。

それは、実はセンセイも同じ事。

もどかしいの代表例が、居酒屋でたまたま会うってこと。
それしか機会を作らないっていうのも、つらくなっちゃうんだ。

この小説の淡々としてるのは清潔でいようとしてるからじゃない。
清潔でしかいられないところがあるからだ。

恋愛とか、結婚とか、家族とかね。
決して、軽いだけじゃないことだよね。

だからね、むしろ、カワイク、清くピリリとしかいられないのだろう。
それが、悲しくなってくるんだ。
だってね、どろどろしてる世の中を生きているほど、どこかで、清く清潔に、線を引いて人って生きなきゃいけないかったりするでしょ。

特に一人だと。
そうしなきゃ、飲み込まれちゃうよね。

清いってことが、節度としてきっちりしちゃわざる得ないって、本当はどうなんだろうね。
実はいじましよりも、悲しいことなんじゃないかな。
線を引かざる得ない事ってね。

でもね。
センセイとツキコさんは清い線をちゃんと引きながら、それでも、ちゃあんと結ばれていく。

とっても、ほっとして、いい小説だなって思った。
僕はね。

きっと、ちょっと前の僕ならば、この小説のよさをわかりきれなかったんじゃないかなって、
思うんだ。

こんな風に思ってたんだろうな。

なんだ、つまんねえ。
こんな清潔で、清いことなんかあるわけないじゃないかって。
どうせ、小説書くならもっとどろどろしてて、野心的なの書けよ。
こじんまりしてるなあって。
構成もシンプルすぎて、ありふれてるよ。
ほほえましいだけじゃないかってね。

確かにね、凄い小説だとは今でも、思わない。
ありふれてるかもね。

昔の僕だったらカワイイだけで終わってた。
だからね、読書できたのが、30歳を超えてからでよかったのかなって思うんだ。
カワイイの裏の悲しいがわかるから。

そうだな。

僕の本棚には未だに読まれずに残っている本がたくさんある。
きっと、それらもいつか、ベストなタイミングで掘り起こせたら、結構、幸せなのかな?

最後に余談だけど新潮文庫の川上弘美さんの写真はとってもキュートです。
いつの写真なのかな。
もう、50歳近いのに。
この写真の女性だったら、ストライクです。

あ。
やべ。
やっぱり、年を取ったのかな??(苦笑)

※もっと、「なんだかなー」なら『 目次・◎ものがたり 』まで





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年10月14日 23時41分00秒 コメント(8) | コメントを書く
[ほどよく] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: