田中およよNo2の「なんだかなー」日記

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2009年06月21日
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カテゴリ: ほどよく
本厚木への出張が決まって、僕は電車の時間を
調べた。

京都から関東への出張だから、時間があれば
東京によろうかと思ったけど、びっくりした。
2時間弱はかかるではないか。

本厚木に住んでいる人にとって、東京は
休日には遊びにいけるかもしれない。
でも、立ち寄る感じではないだろう。

通勤するのもしんどいだろう。


しれない。
本厚木は横浜のほうが、近いから。

****

出張当日。

雨がぱらぱら降っていた。
小田原から本厚木の間には街がほとんどなかった。
緩やかな山の杉の緑と、稲の穂が揺れているのだけが
続いていた。
本厚木でやっと、街にきたなと思った。

僕は駅に降りて、昼食屋を探した。

駅前から5分も歩けば、牛丼やもあるし、

…王将のことだけど…もあった。

京都は王将がいっぱいあるので、わざわざ、
そこには入らず、ファミレスに入った。

そこから見える駅前はコンパクトにまとまっていた。
駅に直結したショッピングモールがあった。

通りの向こうには赤い看板のカラオケ屋があった。
これまた、ちょっとした遊びには不足しないだろう。

とびぬけた、贅沢はできない。
ただ、生活するには不足はない町だし、便利かもしれない。

ファミレスで食事を終え、僕は歩いた。

鉄塔沿に歩き、団地を通った。
通りに面して、ガラス張りのコンビニがあった。
昼休みで緑の作業着の人がコンビニでコーヒーを
買っていた。

お客さんは、小さな工場地帯の真ん中にあった。
建物の合間から、高架になっている高速道路が見えた。
建物は工場だけではなかった。
工場地帯と、高速道路のインターチェンジの
間にはラブホテルがあった。

彼氏と過ごしたり、遊んだりするのにも不足はないの
かもしれない。

ふと、僕は思った。
「この街の路上で『いきものがかり』は歌っていたのか」と。

***

いきものがかりは、J-POP界で着実な地位を築きつつある
グループだ。
メンバーは三人。

水野良樹さんと山下穂尊さん、そして、吉岡聖恵さん。

なにより、このバンドの魅力はボーカルの吉岡聖恵さんの
声だろう。
あなたが、もし、彼女の中音域で震える声をじっくりと聞くのだとしたら
泣きそうになるあなた自身に気がつくだろう。

だから、「泣き笑いせつなポップ3人組」というキャッチフレーズは
ぴったりとはまるのだ。

さて。

僕がいきものがかりにはまったのは、去年の紅白歌合戦だった。
吉岡さんと、平原綾香さん、青山テルマさんの三人で歌った
「天空の城 ラピュタ」の主題歌、「君を乗せて」が綺麗だったからだ。

みんな歌がうまいのに、互いを殺さずに、綺麗で、夢を乗っけているような
声だった。
リードボーカルだった平原さんが綺麗な声をしているのは知っていたけど、
吉岡さんの歌の上手さと、声の震え方にすげえと思った。
その紅白でいきものがかりは「SAKURA」を歌った。

2009年になり、僕の一番初めに買い物は、「SAKURA」が
収録されている「 桜咲く街物語 」だった。

***

本厚木の路上、おそらく駅前で「いきものがかり」は
歌っていたのだろう。

東京と意外に距離のある、この本厚木で。

「SAKURA」とか、 「ふたり」 」では
若い恋人の別れや、そこからの再出発が歌われている。

でも、その別れっていうのは、永遠に別れるという感じでもない。
例えば、東北から東京に出てくるように、会いに行きにくい距離に
離れるというイメージではない。

歌謡曲やPOPにありがちな距離が二人を引き離した、
というのではない。

彼は東京に行く。
彼女は会いにいけない距離ではない。
でも、実際には彼は遠くいってしまったように思う。
だから、小田急線の桜の咲く様が哀しいし、東京の
風がわたしに無力感をもたらすのだろう。

多分それは、東京に住む彼の生活が変わってしまったこと
なのだろう。
新しい住まい、新しい仕事とか、大学…。

距離が近かったとしても、彼は別の生活になったのだ。
東京に遊びに行くことと、東京に住むことは違うのだ。

いきものがかりの曲には、距離は近いからこそ、
生活と、やがては心が離れていくことが切なくて、
怖い、そんな雰囲気が感じ取れる。

多分、宇都宮とか、柏とかも東京に行くことは
できても、生活するとなると別の街になるのだろう。
いや、関東の町だけではない。
交通の発達した日本では、心の遠さを距離の遠さに
責任転嫁できないのだ。

だから、心が離れたことを直視しなければならない。
やがて、あなたは別の場所に進んでいく必要があると、
吉岡さんの歌は大きな声で、しかしやさしく歌い上げている。

きっと。

いきものがかりは気がついていないかもしれない。
彼女たちは、今の時代に生きる僕らの心情をしっかりと、
背負ってくれている。

※もっと、「なんだかなー」なら『 目次・◎ものがたり 』まで





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最終更新日  2009年06月21日 12時09分32秒
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