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2006.02.14
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カテゴリ: 書籍

宇多田ヒカルの作り方 宇多田ヒカルの作り方


私が初めて宇多田ヒカルを聴いたのは、深夜の音楽番組「CDTV」だった。「Automatic」のビデオクリップが少しだけ流れたのだが、かつて「ザ・ベストテン」にサザンオールスターズが初登場したときと同じくらいインパクトがあった。本書によると「ちりめんビブラート」というそうだが、あの歌い方があまりにも気色悪く、私の記憶に刻みつけられたのだ。
著者は作曲家でプロデューサの肩書きを持つ。タイトルに「宇多田ヒカル」の名前が冠せられているが、J-POPへの痛烈な批判を伴う音楽評論書である。
また、終盤では自らの子供時代や、絶対音感を持ったことの悲劇が語られており、子どもにどのような情操教育をほどこすべきか、持論が展開される。
著者は、宇多田ヒカルの歌唱力を評価していない。私もそう思う。あの「ちりめんビブラート」さえなければ、倉木麻衣と五十歩百歩である。宇多田ヒカルが優れているのは、歌謡曲界でタブーとされている「ちりめんビブラート」でバラードを歌い、お偉いさんとタメ口をたたきながら、自由奔放に生きていることである。後年、卵巣腫瘍の摘出手術を受けるが、本人に悲壮感が全くない。
子どもを宇多田ヒカルのようにするにはどうしたらよいか――おそらく、早期教育で音楽教室に入れたり、ニューヨークに留学させることではないだろう。子どもに惜しむことのない愛情を注ぐこと、子どもにコンプレックスを植え付けないこと――その点では、著者の考えには賛成である。
宇多田ヒカルの父親は音楽プロデューサー、母親は歌手である。その環境で育ったから彼女は優れたミュージシャンになり得たのか。これは分からない。同じ理屈で行けば、我が子は優れたシステム・エンジニアになるはずである。
おそらく「宇多田ヒカル」というのは、その職業や才能は問題としない特異なキャラクターなのである。これからの若者の生き方の1つの指標なのかもしれない。


■メーカーサイト⇒ 宝島社 宇多田ヒカルの作り方








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最終更新日  2006.02.14 14:17:49
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