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本書は、コンサルタントというプロフェッショナルな職業を経験した筆者による、「プロフェッショナルとは何か?」という話題を扱った解説書である。
私も、技術者としてプロフェッショナルになりたいと考え、日々、仕事を送っているのだが、筆者によればプロフェッショナルは「高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項を適えるインディペンデントな職業」(15ページ)だという。つまり、会社の都合に左右されるサラリーマンではプロになれないわけだ。
しかし、「自分がどのように立ち振るまえば出世できそうかとか、どうすれば多くの報酬が得られるかという観点から完全に離れて、何をするのが自分のミッションを果たすために最も正しく有効な仕事なのかを見極めて、信念を貫く働き方をすることができるのであれば」、その人は「もはや単なるサラリーマンとは呼べない」(34ページ)とも書かれている。「個人の利得や出世を目的として働くのではなく、本来のプロフェッショナルにも等しい高度な職能を身につけたしに、厳しい倫理観と他者への貢献意識を持って頑張るのであれば、十分にプロフェッショナル的」であるという。この一文を読んで、自分の仕事に対する接し方が間違っていないことが確認でき、かなり安心した。
とはいえ、「コストではなくバリュー指向」「顧客利益第一」「成果主義」といったプロフェッショナルの掟は、サラリーマンでは相当な覚悟をしないと到達できない。
それでも、一人一人のサラリーマンがプロフェッショナルを指向する必要がある。特に、われわれのような技術職は、プロフェッショナルを目指さなければならない。経済最優先のサラリーマンになってしまったら、平気で粉飾決算や耐震偽装に手を染めてしまうだろう。
プロフェッショナルは、経済的には報われない仕事かもしれないが、それが嫌なら技術職から離れるべきだと思う。
■メーカーサイト⇒ 筑摩書房 プロフェッショナル原論
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