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予想脳とは、「次に生ずる未来を常に予想して、絶えず流入してくる自動処理された外界環境情報と自己が予想した未来とを比較する」(45ページ)脳の機能のことだ。これは筆者のオリジナルの概念のようだ。科学的に実証されたものではない。
しかし、予想脳から得られる興味深い結論が1つある。それは、「仮想空間が気持ちいい」ということである。
脳にとって快適ななのは、エネルギー消費が少ない状態である。そこで、常にエネルギー効率を最適化すべき予想脳が誕生したという。逆に、予想脳にとって、予想した事象とギャップが生じることは、それを修正するためにエネルギーを必要とするため、不快な状態に陥る。ちょうどCPUの予測分岐が失敗するようなものである。となると、リアルなコミュニケーションと異なり、パラメータが少なく、予想しやすい仮想空間は、予想脳にとっては快適だというのだ。
これが事実なら、パチンコやネットゲームに“はまる”状態も納得がいく。
一方で、常に予想に裏切られながら成長していく「子どもの脳」という状態もある。「好奇心」と呼んでもいいだろう。
われわれ人間は、エネルギーを節約してダラダラ生きることも必要だろうし、思い切りエネルギーを使ってスッキリする時間も必要なのではないだろうか。
■メーカーサイト⇒ 岩波書店 予想脳
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