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「それでもボクはやってない」は、痴漢冤罪者にされた青年の実話を、本書の著者である周防監督が映画化したものである。本書の前半は映画のシナリオ、後半は周防監督と元裁判官の木谷明氏との対談である。
映画は未見であるが、このシナリオ通りに事態が推移するのだとしたら、フリーターや転職者は要注意である。警察からそういう目で見られている可能性がある。次に、車内で「痴漢です」と言い掛かりをつけられてから、駅事務室を経由して警察署まで行くまでに濡れ衣を晴らさなければならない。家族や会社に連絡して、保証を取り付ける必要がある。警察署に行ったらお終いである。後半では、裁判官の本音を読み取ることができる。この対談を読んでいて、偏差値エリートである検察官や裁判官は、予定調和を描く傾向があると感じた。官僚の無謬性である。調書や裁判記録は絶対満点でなければならず、新しいこと、チャレンジングなことには言及しない。ゆえに、有罪として立件された痴漢容疑者は、ほぼ間違いなく痴漢犯罪者となる。なにしろ相手は偏差値エリートである。論理性という点では非の打ち所がない。陪審員制度とは異なり、感情論では太刀打ちができない。
最近10年、痴漢逮捕が急増している。果たして、そのすべてが犯罪者なのだろうか。毎日満員電車で通勤しているオジサンとしては、一寸先は闇であると感じた次第である。
■メーカーサイト⇒ 幻冬舎 それでもボクはやってない
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