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映画「モスラ」の後継者は「風の谷のナウシカ」!?
映画「モスラ」は、太平洋戦争の影響を色濃く残した文学作品である。映画製作のスタッフは戦中世代。皆が何らかの形で南方戦線に関わっていた。だからモスラは南の島からやって来る。
日本でお馴染みのカイコ蛾が巨大化したモスラは、ゴジラやウルトラ怪獣と異なり、肉弾戦ができる身体構造をしていない。モスラは、最初から最後まで双子の小美人(ザ・ピーナッツ)を助けたい一心で動いているだけで、悪いのは人間の方である。映画のクライマックスがニュー・カーク・シティ(ニューヨーク)ではなく宮崎・高千穂だったというエピソードや、モスラが繭を作って折れた東京タワーの鉄骨に隠された秘密など、よくもここまで調べたものだと感心させられる。
終盤では、昭和版モスラの後継者が平成版モスラではなく王蟲(映画「風の谷のナウシカ」に登場する巨大生物)であるという著者の主張が展開される。それはそうかもしれないが、カイコ蛾に馴染みがない世代としては、ザ・ピーナッツの「モスラの歌」の方が強烈な印象として残っている(本書によると、あの歌詞はインドネシア語だという)。異形の者に対して歌でコミュニケーションを図るという点では、むしろマクロス・シリーズの方が後継者にふさわしいのではないだろうか(笑)。
■メーカーサイト⇒ 小野俊太郎/講談社/2007年7月 モスラの精神史
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