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インターネットがあろうがなかろうが、人間は何も変わっていないのである。
目次を見るからに、辛口の内容である――。
はじめに バカを無視する「ネット万能論」
第1章 ネットのヘビーユーザーは、やはり「暇人」
第2章 現場で学んだ「ネットユーザーとのつきあい方」
第3章 ネットで流行るのは結局「テレビネタ」
第4章 企業はネットに期待しすぎるな
第5章 ネットはあなたの人生をなにも変えない
ネットニュースサイトの編集者をやっている著者が、かなり斜め目線でネットの現状を伝える内容だ。
著者曰く「タチの悪いことに、この『バカ』の発言力がネット上では実に強い」(17 ページ)。ネットに下手なことを書くと炎上するので、「ネットはプロの物書きや企業にとって、もっとも発言に自由度がない場所」(90 ページ)と言い切る。ご丁寧なことに、「ネットで叩かれやすい 10項目」(48 ページ)まで整理してくれている。逆に、「ネットでウケるネタ」9項目を列挙してくれている(104 ページ)。
こういうことを学べば、ネット上での失敗も少なくなりそうだ。
中盤では、テレビは生き残るだろうと指摘する。なぜなら「テレビを見ることによって、その日どんなキーワードや話題がネットで関心を持たれるかがすぐにわかるからである。そのキーワードや話題に合わせて記事をアップすれば、間違いなく PV は高くなる」(128 ページ)からだ。
そして「ネットに過度な幻想を持つのはもうやめよう」(243 ページ)と締めくくる。
実際にネットをやっていて、『バカの壁』(養老孟司=著)に登場するような「バカ」が多いことは感じる。また、Wikipedia に書かれていることが全て正しいとは限らない。企業のプレスリリースにすら誤字・脱字が散見される。
敢えて言おう。インターネットは単なる道具であり、そこにある情報の大部分はカスであると(笑)。
ただ、自分の意思で、カスの中からダイヤの原石を探す作業に時間を費やすことは大切だと思う。マスメディアに踊らされないために。
■メーカーサイト⇒ 中川淳一郎=著/光文社/2009年04月発行 ウェブはバカと暇人のもの
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