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著者・編者 | カルロス・ゴーン=著 |
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出版情報 | 朝日新聞出版 |
出版年月 | 2008年11月発行 |
著者は、日産を V 字回復に導いたカルロス・ゴーンさん。インタビュアーにゴーンさんが答える形で、職場における部下・上司・新人・女性社員の育て方から、営業や研究者のマネジメント、リーダーの育て方や、子育て、家族にまで話が及ぶ。
冒頭、リーダーに求められる最も重要な能力は「共感能力」(18 ページ)だと指摘。「直接対面が苦手なためにメールを多用しているなら、マネジメントには向かないでしょう。マネジメントは人との対話ですから」(73 ページ)ともいう。自分のこととして注意したい。
さらに、「一般に女性の方が共感能力は高いので、マネジメントに向いていると気づいてほしいですね」(104 ページ)とも、ゴーンさんは女性に優しい。
中間管理職については、「単に上からのメッセージを下に伝えることではありません」「間に立つことでそのメッセージを豊かにする。それが、彼らが生み出す付加価値です」(76 ページ)と指摘する。なるほど。
研究開発に対しては、「革新的で創造的なものづくりができる環境をつくるには、第一に目的を共有することが大事です。全員が理解できて、意欲を持てる目的がなければなりません」(78 ページ)という。
また、家では仕事の話をしないというゴーンさんは、「家族が議論するなかで、子どもは理性を働かせ、自分の立場やスタンスもわかってくる。テーマは何でもいいんです。議論するというプロセスが大事で、これが将来、子どものためになるんです」(169 ページ)という。
たいへん論理的な見解だが、パリ国立高等鉱業学校という工学系職業専門学校を卒業しているという経歴ならでは。現場に立脚した明快な哲学には、はっとさせられた。
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