幸せ探し

幸せ探し

2019年01月22日
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カテゴリ: 私のすきなこと
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前回からの続き
新町の段(しんまちのだん)
梅川は朋輩の遊女や禿たちと置屋で話をしている。
「忠兵衛さんは、私の身請けの手付といって50両を出しものの、あとの金をなかなか持って来ず、田舎大尽との身請け話が蒸し返されてきた。忠兵衛さんがお金の工面がつかないのなら私はあきらめるけれど、手付までだして結局金の都合がつかなかったと廓で噂になれば、忠兵衛さんの面目は丸つぶれになるのが辛い。」と仲間に愚痴っていた。
そこへ、八右衛門が置屋に顔を見せる。遊女たちを呼び集めちょっと話して聞かせることがあるというのだ。梅川は彼が苦手(忠兵衛の廓遊びに小言をいっている)ので姿を隠している。忠兵衛も梅川にあいに来たが、八右衛門が居るのをみて身を隠している。
八右衛門が「皆の衆、忠兵衛は梅川を身請けするといっているが、これをご覧」と50両にみせた水差しを取り出した。「あいつには金などない。わしに50両借りたものだ。」とさきほどのいきさつを全て話した。
「このままでは、金に詰まって人の金を盗んだり、強盗人殺しまでしかねない。あいつのことを思うなら、この家に近づけぬことだ。こちらから冷たくされれば本人もあきらめるだろう。」忠兵衛はその話を聞いて頭に血が上り、駆け込んでくる。
「人の懐の噂をこんなところでして、よくも恥をかかせてくれたな。50両ばかりの金今すぐ返してやるわ。」と預かり金の300両の包みを破ろうとする。
「ちょっと待て、それは人からの預かり金ではないか封印切りは天下の大罪止めておけ。」
それを聞いて梅川も部屋を走り出て来て「八右衛門さんには私からあやまります。忠兵衛さん返すべきところにそのお金返してきてください。私はどんなしんぼうでもしますから。」と必死に止めた。
二人に止められて却って引っ込みがつかなくなった忠兵衛は「これはそんな金ではない。私が養子に入る時に親がもたしてくれた持参金だ、何かの時に使おうと今までとっておいたものだ。」と言って、八右衛門に金を返し。置屋には残りの金を支払った。「そういうことなら」と八右衛門は去り。置屋のおかみは身請けの手続きに去り、二人きりになった忠兵衛はあの金が人の金であることを打ち明ける。
武家方からも苦情が来てすぐに詮議が始まり追手がかかるだろう、死罪となるのはわかっているが、こうなれば、二人して生きられるだけは生き延びようと決意するのであった



​道行相合かご(みちゆきあいあいかご)
二人は人目をさけて駕籠にのって、奈良の実家近くまでやってくる。
駕籠を返して、みぞれの降る中を寒さに震え、お互いの身をかばい合いながら実家を目指して、歩いていくのだった。





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最終更新日  2019年01月22日 09時00分08秒 コメント(24) | コメントを書く
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