I love Salzburg

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2008.02.19
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カテゴリ: 展覧会

中段 「鳥形貝製装飾品(マヤ)」・「足形彩文土器(アンデス)」
下段 「キープ(インカ)」・「ヒスイ製仮面(マヤ)」・「ミクトランテクトリ神像(アステカ)」


今日は有休を頂いて、2/10に行った『インカ・マヤ・アステカ展』を再度見に行きました。
今回は一人でしたので、音声ガイドを借り、自分のペースでゆっくり見ることができ大満足です。

* * *

入ってすぐの所にあるこの展示会の挨拶の中で、メキシコ国家文化芸術庁総裁の「セルヒオ・ベラ氏」は次のように書かれています。(一部抜粋)

《国と国との関係は、共通の文化的価値とともに、それぞれの国の歴史、伝統、民族性、文化に関する相互理解を基にして築かれなければなりません。

さまざまな民族や国民と、話し合い協力しあう精神をもち、それに必要な関心と連帯感を喚起することも、私たちの責務です。》



私は以前から、インカとマヤについては意識して目にするようにしていました。
しかし、ことアステカというと、その存在すら知りませんでした。
実際のところ、アステカもマヤの一部だと思っていたのです。
同じ中央アメリカですしね。

ですから、この展示会の面白さは私にとって、マヤとアステカの違いと共通性を知ることでもありました。

そして、この三大文明のうちマヤ文明だけが紀元前から2000年にも渡り続いたもので、インカとアステカは日本の室町時代や戦国時代という"つい最近(?)"のものであったことも意外でした。
もちろん、それらの前衛となる文明は存在しましたが、、。
*このように一連で並べてあると、つい同時期の文明と勘違いしてしまいそうです。

どちらにしても、これらは全て高い精神性を持ち、天文学に秀で、王様は神々と人間との仲介の役目をされていたのですね。

インカやアステカの文明は、近代のスペイン人の征服によって終焉を迎えますが、
マヤの高度な文明の崩壊は、過度な人口増大、伝染病、環境の悪化、内戦、頻発する侵略によるものと言われています。



そして侵略者スペイン人も驚いた、アステカの『生け贄』の儀式と、インカの『ミイラ』。

アステカの神話によると、
人間の創造も自然界の秩序も神々の自己犠牲の上に成り立っていました。
太陽は神々の犠牲によって誕生したのです。
その太陽の輝きは、人間の犠牲によって生まれると信じられていました。


このアステカの思想も、
人間は亡くなった後も生き続けると考え、死者をミイラに加工して埋葬した後も時々遺体を取り出しては衣服の着せ替えを行い、死者を身近に感じ、死者とともに生活していたインカの死生観も、
私達には想像もつかないものですが、
だからこそ、時代を経ても摩訶不思議な匂いと魅力が漂ってきます。

今回の催しの最後には、TVで見たことのある親子であろう二体のミイラが展示されています。
何年も前にエジプトのミイラが岡山に来た時も見に行きましたが、それらと違って穏やかで静かなミイラでした。
きっと彼らに「欲」がなかったからでしょう。
長い眠りと優しい時間の流れを感じました。
*でも亡くなった後、何百年もして地球の裏側まで来ることになろうとは、生前の彼らは思いもしなかったでしょうね。


気が付けば3時間以上、私はただ夢中でした。

余談ですが、
大学時代の私を大変可愛がって下さった方に、広島在住のHさんという男性がいます。
現在、65歳くらいでしょうか、、。
その方はまだ若い時分(今のように簡単に海外へ行くことができなかった頃)、自転車で南米大陸を回られた経験をお持ちです。

私を見ると大きな声で、
「picchukoちゃん、夢とロマンを持ってるか~い!」とよく声を掛けて下さいました。

「夢とロマン」、、
密林に覆われたマヤの遺跡も、天空に浮かぶインカのマチュピュも、古代中南米は彼のこの言葉そのものです。
「夢とロマン」に導かれて、
この展示会をご覧になった方の何人もが、インカ・マヤ・アステカの地を訪れることになるのでしょうね。

* * * * * * *

〈福岡(九州・山口)の方達へ〉

この展示会は3/16まで岡山市デジタルミュージアムで開催された後、3/25~6/8と福岡市博物館を巡回します。
楽しみですね。





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Last updated  2008.02.19 22:32:02
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