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ここ10日間も作品制作の筆を執れなかった。期限までに遅れを挽回しなければならない。キャンヴァスに向かって筆を揮いするうちに、気がついたら眠っていたようだ。筆を握った手を膝において、目をつぶっていたのだ。びっくりした。昨日も朝5時半からある仕事を始め、終わったのが夜の8時。そんなスケジュールが10日間つづいていたので、元気元気といいながら疲れが溜っていたか。---ああ、執筆しながら睡魔に襲われるなんて、何十年ぶりだなー、と苦笑した。仕事部屋から出て、コーヒーを淹れながら、「絵を描きながら眠っていたよ」と、家人に言った。
20代末から30代初めの或る時期、私の日常は36時間ぶっつづけに仕事をして、その場にぶっ倒れて1時間ばかり寝て、また36時間仕事するという状態が半年ばかりつづいた。そうでもしなければ依頼された挿画の仕事が締め切りまでにこなせなかったからだ。が、さすがに36時間も執筆しつづけていると、言葉どうり眠りながら描いていて、当然の事、或る時、絵がめちゃくちゃになってしまった。それで、自分の限界を知った。限界に達したら眠ることにした。食事は握り飯。机の上に用意しておく。左手に握り飯、右手に筆、食っているときも執筆を休まない。締め切りに間に合わないと考えただけで、恥ずかしさがこみあげてきた。私の気性だ。今の年齢まで、締め切りに間に合わなかったことが2度あった。そのうちの1度は、締め切りの前夜に向いの家が火事になり、火の粉が飛んで我家にふりかかりはじめた。私は屋根にのぼって消火に追われた。さすがに原稿を描いているどころではなかった。
その当時、私はげっそり痩せこけて土気色の顔をしていた。足許がおぼつかなく、雲を踏んでいるようだった。---思い出すと懐かしい一頁だ。今日は、そんなことを思い出した。
コーヒーを飲んでから、再び執筆開始。
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