ペット喜怒哀楽

スノウ・グッピー

書籍名:スノウ・グッピー
著者名:五條瑛
出版社:光文社文庫 \999

感想:
自衛隊小説? だとして、作者は自衛隊の問題点をとらえるに当たって、自衛隊を擁護しているのか、それとも自衛隊以外の人に危険性を伝えたいのだろうか? 男のロマン小説? たしかに色々な種類の男性が出てくる。スパイ小説? だとしたら、ちょっと甘い。タイトルは開発中の電子兵器の名前。米軍と自衛隊の微妙な関係。そこから甘い汁を吸い取ろうとする米兵のむちゃ明るい落とし子。会社と開発一途の主人公、自衛隊を公認軍隊にと望む自衛隊上層部集団、兵器開発に熱心な開発部員達と外国(中国・ロシア)との関係。(今なら中国やロシアよりも、北朝鮮にしたほうがリアル)。面白かったことは面白かったが、ずっと引っかかったのが、著者が自衛隊の活動を擁護したいのかしたくないのか、ただただ自衛隊ってこういう危なさがある、こういう点で可愛そうって伝えたかったなんてことはないだろうに。後は読者の判断に任せるってこと? 文庫版特別編が付いているから、既に単行本でこの作品を読んだ人にもお勧め。


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