ペット喜怒哀楽

日本はどう報じられているか


著者 : 石澤靖治
出版社: 新潮新書 \680

感想 : 2005.7.9二つ目の日記に記載

気になった文章:

* (アラブ諸国では)ヒロシマ、ヴェトナム、パレスチナが一直線につなげられ、一般人を狙った武力闘争までも正当かしてしまうという論理展開が明瞭である。「アメリカは一般人を殺した」という非難を声高に行い、そこから「われわれもアメリカに対抗するためには一般人を殺していい」という結論を導くのである。
(中略)
「日本は核兵器で破壊し尽くされ、破れた→それによってアメリカに対する怨念を抱き、復習の機会をうかがっている→であるからアメリカは決して日本に核兵器を持たせない→であるから日本人は逆にアメリカに核兵器廃絶を求める戦術を採用して対抗している」という論理展開の方が、世界の多くの国の一般市民にとって自然に聞こえる。

なぁるほど、面白い... と笑っていていいのだろうか...

* (独島が話題になっている今年の話しではないのに)「独島にも我々の電話があります」という携帯電話の広告コピーが韓国にはある。つまり、「反日」は政府やメディアからのキャンペーンとしてではなく、大衆発の自発的なものになっている。

もっとも、独島、日本でこそ今年までたいして一般的話題ではなかったけれど、韓国では戦前から意識しているテーマだもんね。

* (日中)両国のメディアが同じ情報を伝え、その上で議論をするならば、対話にもなるだろうが、全く異なった情報で、相手側へのイメージを作り、相手はりふじだと非難するわけだから、対話になるはずがない。それでも政府間は落としどころを探して手を打つ。だが、メディアを通してしか情報を知ることのない大衆のレベルでは、対立感情のもやもやが沈殿していく。

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