ペット喜怒哀楽

狂信


著者 : 高木俊朗
出版社: 角川文庫 1978.5.30再販 438ページ \420

この頃、消費税無かったし、1ページ1円だったのね。最近のは約2円。

感想 : 2005.12.31、2006.1.2日記に記載
四半世紀前に読んでいて、概略は覚えていたけれど、薄荷の件なんて忘れていたし...

前に読んだ時ですらまるでSF,今読むと、すごぉく昔のことみたいだけれど、でも著者がブラジルで体験したのは昭和27年、1950年代の事だし...

臣道連盟

ブラジルで騙すのに使った軍票や旧紙幣は「上海からユダヤ人が取り寄せた」ユダヤ人も日本戦勝説を流して煽ったらしい。

戦後ブラジルに渡った代議士中村嘉寿が戦勝説だった...はぁ~
もう一人、鶴見祐輔、代議士?による「日本民族優秀論」

ジュキア線、サントス港、沖縄県人の移住者が多かった。他県出身者より熱烈な日本支援...(これは、日本で差別されていたからの、裏返しね)
薄荷栽培者攻撃の先頭にたったのは、日本人小学校の元教員。戦争開始で日本語禁止になって失職したから。沖縄出身の渡真利視。

「日本人は蛇のごとし」この事件に関してのジョゼ・リンス・ド・レゴの言葉。

ヂアリオ・デ・サンパウロ1946.7.22に依れば
「日本人の殺人傷害事件にようきゅうされる解決策は反逆行為と狂信を助成する不良分子を、国外追放にすることである。彼等は極めて危険な行動をなすもので、日本の敗戦をがえんぜぬことは、すでに確認された。彼等にたいする方策は、とにかく彼等を船につんで追放する以外ない(...) 在留日本人の大部分は従順であり勤勉であり、平和を望んでいる。殺人者一味と狂信の徒を一掃して、日本人の間に平成を取り戻すのは、政府の責務である。
(どこの国でもこう考えればいいのに...)
実際、179名が国外追放になったけれど、国外には出ていかなかった。でも、国内のアンシエッタ島には送られた。

その後、日本移民入国反対を憲法に入れようとまでした、結局賛否同数で可決されなかったけれど。

マリオ・ミランダ著「シントウレンメイ」P語版があるそうな。

アサイ←アサヒ

妄想の続き「アマゾン奥地に日本帝国の共産主義者収容地がある」

ペルーにも臣道連盟があった。 ブラジルのと連絡を取り合っていた。

勝ち組が1970年代に帰国して皇居と靖国に行くのは、「自分が正しい日本人である証を立てるため」(なぁるほど、そう言う感性なのね)

勝ち組の人々の思想の根本には、大和民族を最も優秀な民族とする考え、というより信念があった。これに移民心理が加わる、万世一系皇室教育がアジア民族蔑視虐殺につながり、戦後のブラジルでの日本企業による移民蔑視へとも続く。あ~あ、だから、優越感は劣等感と結びつく。いやだなぁ。

この書籍が最初に単行本で発刊された後、ブラジルから反論の長文が来たそうな。異常なしつこさだったそうな。なんか、狂信ってねとうよさんたちと類似だわ。

日本は戦争に勝った、なぜなら、1970年の時点で、負けたとされている国々は
復興していたし、大東亜共栄圏の理念通りに各国が独立して繁栄していて、天皇が生きていたから。なぁるほど。そういう視点ね。 やっぱり通じる...


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