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悲劇に翻弄され、傷ついたひとりの人間。 彼の名前は昭和天皇、ヒロヒト。
『太陽』
2006年 ロシア・イタリア・フランス・スイス 合作
監督・撮影・・・アレクサンドル・ソクーロフ
プロデューサー・・・イゴール・カレノフ / アンドレイ・シグレ / マルコ・ミュラー
脚本・・・ユーリ・アラボフ
音楽・・・アンドレイ・シグレ
出演・・・イッセー尾形、ロバート・ドーソン、佐野史郎、桃井かおり、つじしんめい 他
闇は、まだ明けなかった。1945年8月。その時、彼は庭師のように質素な身なりをしていた。その人の名前は、昭和天皇ヒロヒト(イッセー尾形)
宮殿はすでに焼け落ち、天皇は、地下の待避壕か、唯一被災を免れた石造りの生物研究所で暮らしていた。戦況は逼迫していたが、彼は戦争を止めることができなかった。その苦悩は悪夢に姿を変え、午睡の天皇に襲いかかる。みるみるうちに焦土となる東京。失われる多くの命。うなされるように目を覚ます天皇の孤独。日本は、まだ闇の中にある。
やがて、連合国占領軍総司令官ダグラス・マッカーサー(ロバート・ドーソン)との会見の日が訪れる。彼は、ひとつの決意を胸に秘めていた・・・。
世界12カ国で絶賛を受けながら~日本での公開は不可能、といわれていたソクーロフ監督の傑作・・・
8月に日本で公開になりがらも、上映館は本当に少なく~こちらでも無理かも・・・と思っていたら~日本中で少しずつ上映館が増えてきました。
それまで天皇は、「人間であるのに、人間であってはならない存在」でした。
それを天皇自身が困惑し、苦悩していた・・・そしてついに 否定する(人間宣言)訳なんですが~
日本人でありながら、私はこのことを、そんなに重要なことだとは考えていなかったのです。
この映画のラストで
天皇が「私の人間宣言を録音したあの技師は、どうした?」と聞きます。
侍従長が答えます。「自決いたしました。」
この会話の“重み”が~この映画の全てを表わしているようです・・・
あくまでもこの作品はフィクション~
けれど 終戦、マッカーサーとの会見から~人間宣言まで・・・
全てリアルに描かれています。 演じるイッセー尾形が素晴しいのです!
天皇の口癖「あっ そう」も彼が言うと、とても自然で~動作のひとつひとつをとっても、嘘っぽくない・・・スゴイ役者さんだと思いました。
最近では海外の公演が多く~あまり日本の映画でもみかけませんが~
本当に上手な役者さんですね~~~
侍従長役の佐野史郎も すごく良かったです。(あの風貌もぴったりで)
私は近頃「戦争ブーム」なのかな?もっと真剣に生きなさい・・と言われているような気もしつつ 鑑賞しました。
マリー的星評価・・・★★★+半 (内容がこういう内容なのに つまらない所が一つもなかった。天皇がアメリカ人記者に、軽く扱われるところは 切なかった)
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