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柿崎和泉守@ Re:『天と地と』 Heaven and Earth(04/25) 映画で残念に思ったのは、まず刀八毘沙門…
背番号のないエース0829 @ Re:『ベルリン 映画「風の電話」に、上記の内容について…
Feb 29, 2008
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カテゴリ: Movie

『吾輩は猫である』(1975) がお気に入りではある。『プーサン』(1953)も昔何かで観たような記憶があるが、伊藤雄之助がキャベツを茹でて食べるシーンくらいしか覚えていない。

さて、市川監督の金田一耕助もの(石坂浩二主演シリーズ)は1970年代後半に怒涛のように制作された。横溝正史の原作群は戦前からたびたび映画化されてきたが、1975年に高林陽一監督が 『本陣殺人事件』 (金田一役は中尾彬)を発表し、翌1976年に市川監督が『犬神家の一族』を撮ると以後大ブームとなった(『本陣』で映画界に進出した角川春樹の戦略にもよるが)。

制作されたのは次の5本。

2作目と3作目の間なんか3ヶ月しかない、驚くべき早撮りである。4作目と5作目の間はさすがに1年以上空いているが、監督はこの間に難題『火の鳥』(1978年8月)を撮っているから恐れ入る。

さてこの5作品のうち、最も回数を観ていないのが『悪魔の手毬唄』だ。他の作品は10回以上は観ているが、これは3回くらいしか観ていない。それはなぜか。

右:「日本のおばあちゃん」の代名詞、原ひさ子(1909-2005)

金田一シリーズの魅力は、ミステリーだから謎解きや犯人探しも当然そうなのだが、古い日本の因習(家長制度・ムラ社会)と女性の情念を絡ませ、そこにユーモアをも織り込んでいるところにあると言えるだろう。従って犯人はほとんどが女性であり、その境遇に同情せざるを得ない場合も多い。

もちろん本作にもそういう要素はちゃんとあって、閉鎖的な鬼首村(岡山県)での旧家同士の争い、結婚事情、転入者の辛い境遇、などが伏線になっている。旅館の一人息子・青池歌名雄(北公次)と結婚が決まっていた旧家・由良家の娘が惨殺され、別の旧家・仁礼家の当主・嘉平(辰巳柳太郎)は自分の娘と結婚するよう歌名雄の母・青池リカ(岸恵子)に迫るが、由良家の娘も仁礼家の娘も、そして別所家の娘も実の父親は恩田(=青池)という一人二役を演じていた悪い男。つまり兄弟で結婚させるわけにはいかないので、その真実を知る者が連続殺人を犯してしまうわけである。




若者役だから仕方がないのかもしれないが、どうも「絶叫」がサマにならない。絶叫は感情表現としてはあまりにも単純すぎるので、まるでTVドラマのようになってしまう。旅館での若者同士の喧嘩シーンなんかもチトお粗末な気がします。そしてラスト。「嘘だあ~!!」はないだろうと。ひたすら泣きじゃくるとか、叫ぶんなら意味不明の言葉を叫ぶとか、もうちょっと工夫して欲しかったと思う。アイドルの限界なのだろうか。


他の役者は常連と言っていい面々であり、安定感がある。加藤武/三木のり平/大滝秀治/小林昭二/草笛光子は5作品皆勤で、どの作品のどこに出ていたかを思い出すのも楽しい。多々良放庵役の中村伸郎が上手い。伊丹十三の 『タンポポ』 でもそうだったが、この人は意外と悪役が似合う。そして今回の主役とも言える岸恵子である。旅芸人あがりの旅館の女将というには垢抜け過ぎているが、女の情念を体当たりで演じていてサスガであった。ただ個人的には『女王蜂』での家庭教師役の方が適役だとは思う。

さて「悪魔の手毬唄」は本作の僅か16年前にも映画化されていたのだった。監督は渡辺邦男で、金田一役はなんと高倉健。一度観てみたいものである。


監督:市川崑
製作:田中収/市川崑
原作:横溝正史
脚本:久里子亭
撮影:長谷川清
編集:小川信夫/長田千鶴子
音楽:村井邦彦






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Last updated  Feb 29, 2008 11:13:49 PM
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