淀風庵の酒詩歌日記

淀風庵の酒詩歌日記

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2006年01月06日
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カテゴリ: 酒本
 最近テレビでも見かける勝谷誠彦氏(1960年兵庫県生まれ)が足掛け8年をかけて全都道府県の酒蔵を廻って書き上げたのが『にっぽん蔵々紀行』(正・続編)で、元々は『小説宝石』の連載記事であった。

 それにしても、酒徒ならではのあくなき探究心にもとづく快挙である。訪問地の歴史、風土に始まり蔵の佇む街や山村・漁村の風景、風物を織り交ぜて、米や水の特質と蔵元の人物像を紹介し、酒造りの思想を浮き彫りにするという巧みな筆さばきだ。そしておもむろに利き酒となる。
 さらに地元の料理屋にも足を運び、地場の材料で作った肴とともに飲むことによって、地酒の持ち味を感じ取ろうとする姿勢も読者を一層愉しくさせてくれるが、筆者は蔵元の主人や娘さんが同行してくれたりと嬉しさのあまり酔いつぶれることも多かったようだ。
 なお、蕎麦の愛好者でもある筆者は酒とは別に行く先々で蕎麦屋に駆け込む場面もあり、この件はご愛嬌といったところ。
 特別編として、酒好家が企画・運営した秋田から米子までの千百キロ、24時間に及ぶ「地酒列車」(北前船号)に同乗されての記録も掲載されている。このとてつもない1997年の催しには、スタッフ、乗客合わせて240人が参加、積み込む地酒は7県百社120銘柄とか、感動させられる。
 欲をいえば、周辺の情報が豊富であるわりには製法の特質や技術的な面への突っ込み、ならびに酒の特性(アルコール度とか日本酒度など)の明示が少ないように思える。

*LUCKYFIELDSさんに当書を紹介してただき感謝申し上げます。まだ完読はしてませんが、あちこち気分で拾い読みしてます。





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最終更新日  2006年01月07日 09時56分49秒
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