ミステリの部屋

ミステリの部屋

2006年10月23日
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初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。
彼の標的は―たった一冊の広辞苑。
僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、
書店強盗は訪問販売とは訳が違う。
しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ!
四散した断片が描き出す物語の全体像は?



「現在」は、大学に入学するためにアパートに引っ越してきたばかりの椎名という学生が、「二年
前」はペットショップ店員の琴美とブータン人のドルジが中心となっています。

何と冒頭から書店を襲っているという場面なのですが、
ボブ・ディランを歌いながら裏口を見張っているのは僕、椎名です。

過去で語られる彼女と彼と彼の物語に、椎名は少しずつ関わっていきます。
読み手も同じく引っ張り込まれていきます。

過去と現在、両方に登場する人もいれば現在には出てこない人もいるので、
形のない不安が頭をよぎったりもします。



二つの話が次第に近づいてきて一つになったときの驚き。
その構成の妙に唸らされる事になります。

ミステリーっぽくないかも、と思い始めていた私は馬鹿でした。
スッカリ騙されました。
そして、実に細やかな伏線が全体にちりばめられていた事に気づくのです。

悲しいことも起こるし、卑劣な人間も出てくるけれど、読後感に独特の明るさがあります。
ブータンという国の死生観も影響しているかも知れません。
どこにあるかも知らなかった国なのに、今は魅力的に感じられます。

全てを超えた絆に胸が熱くなる、この話が好きでした。


そういえばボブ・ディランの歌はデンゼル・ワシントン主演の「ハリケーン」でも使われていました





アヒルと鴨のコインロッカー アヒルと鴨のコインロッカー : 伊坂幸太郎


…………………………………………………………………………………………………………
(2007年7月21日追記)
2006年文庫化されました。









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最終更新日  2006年10月24日 09時13分21秒
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おはつ!  
ほむたん  さん
いやあ、なんというか、本の紹介ウマイですねえ
この本読もうかどうしようか迷ってたんですが、読みたくなってきました。
他の日の紹介も読んでみて、自分の嗜好と似たカンジっぽかったので、思わずお気に入り登録させてもらいました(´∀`)
今後もおもろい本の紹介よろしくです~ (2006年10月23日 23時14分48秒)

Re:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
みっつ君  さん
こんばんは!
この作品、来年映画化するみたいですが、どうやって映像化するのか非常に気になりますねw
広辞苑を盗みに行くという冒頭からして最高ですし「神様を閉じ込めに行かないか?」 は普通に格好良いですよね~。

TBさせて頂きますね♪ (2006年10月23日 23時38分05秒)

Re:おはつ!(10/23)  
samiado  さん
ほむたんさん、初めまして!

>いやあ、なんというか、本の紹介ウマイですねえ
>この本読もうかどうしようか迷ってたんですが、読みたくなってきました。

いつも言葉足らずだと思うんですが、そう言っていただけるととっても嬉しいです♪

>他の日の紹介も読んでみて、自分の嗜好と似たカンジっぽかったので、思わずお気に入り登録させてもらいました(´∀`)
>今後もおもろい本の紹介よろしくです~

有難うございます(^_^)
こちらからも登録させていただきますので、よろしくおねがいします! (2006年10月24日 08時50分11秒)

Re[1]:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
samiado  さん
みっつ君さん、こんにちは!
TB有難うございます♪

>この作品、来年映画化するみたいですが、どうやって映像化するのか非常に気になりますねw

読んでいて、映画化は無理だろうな、と思ったんですけど!?
難しいポイントをどうクリアしているのか、非常に興味がありますね♪

>広辞苑を盗みに行くという冒頭からして最高ですし「神様を閉じ込めに行かないか?」 は普通に格好良いですよね~。

ありえない始まり方には目を奪われましたね。
伊坂さんの文はカッコよすぎですw
(2006年10月24日 09時00分27秒)

Re:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
anna2号  さん
こんにちは!

これは伊坂さんの作品の中でも大好きです★
samiadoさんの紹介文読んでいたら、また読みたくなりました。
でも借りて読んだので手もとにないんです(>_<)
映画化に合わせて、文庫化が決まったようなので、
文庫になったら即買って読もうと思います!! (2006年10月25日 11時47分25秒)

Re:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
kaisa21  さん
「アヒルと鴨のコインロッカー」・・・この題名を見ただけで涙腺がゆるみそうになります。(条件反射)
せつないですよね。。。
あまりにもせつなすぎて、再読できなかったりします。
(文庫になってないからともいいます。(笑))
映画化ですか!!
すごくうれしいけど、映像化できるのかちょっと心配ですよね。 (2006年10月25日 22時11分21秒)

Re[1]:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
samiado  さん
anna2号さん、こんばんは!

>これは伊坂さんの作品の中でも大好きです★
>samiadoさんの紹介文読んでいたら、また読みたくなりました。
>でも借りて読んだので手もとにないんです(>_<)
>映画化に合わせて、文庫化が決まったようなので、
>文庫になったら即買って読もうと思います!!

伊坂さんの作品はこれで5作目ですが、私もこの作品が好きでした。
痛みを感じる話は苦手な方なのですが、この作品はいつもと違っていました。痛みを超える何かがありましたね。
私も借りて読んだので、文庫化されるのは嬉しいです♪ (2006年10月25日 23時59分20秒)

Re[1]:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
samiado  さん
kaisa21さん、こんばんは!

>「アヒルと鴨のコインロッカー」・・・この題名を見ただけで涙腺がゆるみそうになります。(条件反射)
>せつないですよね。。。

わかります。せつないです。タイトルも意味を知ってしまったから、せつないです。私もkaisa21さんにつられてウルッときそうになりました。

>あまりにもせつなすぎて、再読できなかったりします。
>(文庫になってないからともいいます。(笑))
>映画化ですか!!
>すごくうれしいけど、映像化できるのかちょっと心配ですよね。

文庫化も映画化もされるようですねw
どうやったら映画化できるんだろうと、考え込んでしまいましたよ。 (2006年10月26日 00時05分26秒)

始めましてっ  
ベローソフ  さん


面白かったです。
伊坂作品に嵌り始めて、
ホントに外れのない作者だな、と思います。
キャラクタが面白い上に、
きちんとしたミステリになってる。
『河崎』のトリックにはすっかり騙されました。
こういう大きな仕掛けが最高です。
私も日記に書いたので、是非


http://plaza.rakuten.co.jp/belousov/diary/200611100000/


それでは、また

(2006年11月19日 21時58分34秒)

Re:始めましてっ(10/23)  
samiado  さん
ベローソフさん、はじめまして!

>アヒルと鴨とコインロッカー
>面白かったです。
>伊坂作品に嵌り始めて、
>ホントに外れのない作者だな、と思います。
>キャラクタが面白い上に、
>きちんとしたミステリになってる。
>『河崎』のトリックにはすっかり騙されました。
>こういう大きな仕掛けが最高です。

面白かったですね。私もすっかり騙されました。そして、ずっと心に残る作品でもあります。
伊坂作品は読めば読むほど新しい世界を見せてくれますね。

>私も日記に書いたので、是非

ぜひ伺わせていただきますね♪
(2006年11月20日 19時00分13秒)

Re:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
hina_max  さん
遅まきながら読みました。面白かったです。
ライク ア ローリング ストーン 

次は何を読もうかな?(*^_^*)
TBさせてくださいね。 (2007年07月21日 10時41分28秒)

Re[1]:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
samiado  さん
hina_maxさん、こんばんは!
TB有難うございます♪
順調に伊坂作品を楽しんでおられますね。

>遅まきながら読みました。面白かったです。
>ライク ア ローリング ストーン 

最初からぐんぐん引き込まれ、すっかり騙されました。たまらなく切ないけど好きな作品です。
(2007年07月21日 20時57分33秒)

Re:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
あむあむ108  さん
こんにちは。TBありがとうございました。
皆さんの感想も見せていただいて、私も同じく、
かっこよい
せつない
映像化は難しそうだ
この3点は強く感じたところです。

悲しい話なのに、何だか早春の日差しのような感じで読み終えることができて、心に残る一冊になりました。
椎名のキャラクターも良かったですよね。偶然巻き込まれた、物語の脇役だ、と言いながら、彼でなくてはこのようには終えられなかったろうとも思います。

こちらからもTBさせてくださいね☆ (2008年01月14日 23時23分37秒)

Re[1]:アヒルと鴨のコインロッカー:伊坂幸太郎(10/23)  
samiado  さん
あむあむ108さん、こんばんは!
TB有難うございます♪

>皆さんの感想も見せていただいて、私も同じく、
>かっこよい
>せつない
>映像化は難しそうだ
>この3点は強く感じたところです。

まとめましたねw 確かにそうです。どうやって映画化したのでしょうか?

>悲しい話なのに、何だか早春の日差しのような感じで読み終えることができて、心に残る一冊になりました。

わたしは今でも時々彼らの絆を思います。悲しいけれど、どこか爽やかな気持ちで…。

>椎名のキャラクターも良かったですよね。偶然巻き込まれた、物語の脇役だ、と言いながら、彼でなくてはこのようには終えられなかったろうとも思います。

「馬鹿馬鹿しい。」と思いながらも、書店の裏口でボブ・ディランを10回口ずさむ椎名がとてもいいです! (2008年01月15日 18時56分19秒)

「IM NOT THERE」  
アルビレオ さん
samiadoさん,こんにちは。ボブ・ディランの「風に吹かれて」の出てくる話があったよな。と思い,行きました。本を読む前に。ボブ・ディランを描いた映画に。そして,歌も聴きました。「へえ,like a rolling stone ってローリング ストーンズの曲が好きとかって意味じゃなくって,転がる石のようにだって」というと家人に笑われました。さて,本についてです。「え,うそ。こんな展開あり?」と本にのめり込み危うくバス降り損なう所でした。こんな経験は,久しぶりでした。「うそ,ドルジ?河崎?」一体その時点で君は,どっちだったんだ?と思わず,前のページめくりまくりました。上手すぎる伊坂 幸太郎!映像でもそれは,可能なのだろうか???DVDも借りてみようと思います。samiadoさんの紹介に感謝です。 (2008年06月21日 08時19分26秒)

Re:「IM NOT THERE」(10/23)  
samiado  さん
アルビレオさん、こんばんは!
ボブ・ディランの人生を新しいやり方で描いたという映画でしょうか?読む前に映画と音楽をチェックされるとは、豊かな読書生活を送っておられますね。
この作品には見事騙されましたし、強く心に残るものがありました。
どうやって映像化したのかを不思議に思われたことでしょうが、監督は素晴らしかったです。ぜひDVDもご覧になってください。 (2008年06月21日 23時09分41秒)

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