ミステリの部屋

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2007年12月19日

遠まわりする雛：米澤穂信

(6)

テーマ：ミステリはお好き？(1498)

カテゴリ：日本ミステリ（や・ら・わ行作家）

入部直後から春休みまで、古典部を過ぎゆく一年間を描いた短編集、待望の刊行。
（「BOOK」データベースより）

やるべきことなら手短に／大罪を犯す／正体見たり／心あたりのある者は／あきましておめでとう／手作りチョコレート事件／遠まわりする雛

これまで出された、『氷菓』（感想）、『愚者のエンドロール』（感想）、『クドリャフカの順番』（感想）の間を埋めるような７編が収められた　楽しい短編集です。
古典部に入部してから春休みまでの１年間におきた　日常の謎が描かれています。

「心あたりのある者は」は日本推理作家協会賞短編部門ノミネートされただけあって、校内放送を聞いただけで、誰を、どんな理由で呼び出そうとしているのか、を推理するという優れた安楽椅子探偵ものです。
よくこれだけ推論が出てくることと感心します。。

この短編集では、特に千反田えるがクローズアップされていました。
個性豊かな他のメンバーも霞んでしまうくらいに。

「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら、手短に。」というモットーをかかげてきた省エネ男　奉太郎の信念をゆるがしたのも彼女です。

臆病なくらいに何とかかんとか理屈をこねてきた奉太郎が、「遠まわりする雛」でそれを自覚する瞬間には、鳥肌が立ちました。

不意を突かれた私は、本を閉じて表紙のみずみずしい緑を見つめて、「青春だね。」とつぶやくしかありませんでした。

これからがますます気になります♪

遠まわりする雛　：　米澤穂信

2010年文庫化されました。

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最終更新日 2010年09月06日 23時20分06秒
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■コメント

Re:遠まわりする雛：米澤穂信(12/19)

あむあむ108 さん

こんにちは！
古典部シリーズの新刊ですね。気になっていました。
えるちゃんのことが読めるのですね。samiadoさんの感想を読んで、ますます「私、気になります」です。
でも私は『クドリャフカの順番』文庫化を待っていて未読なのです。
この本も、読むのを楽しみにして年を越すことになりそうです。
でも、折木君や小鳩君の話を待っている間は、自分もちょっと青春にもどっているような気がしてますｗ
(2007年12月20日 10時37分13秒)

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Re[1]:遠まわりする雛：米澤穂信(12/19)

samiado さん

あむあむ108さん、こんばんは！

＞古典部シリーズの新刊ですね。気になっていました。
＞えるちゃんのことが読めるのですね。samiadoさんの感想を読んで、ますます「私、気になります」です。

はい、えるちゃんの魅力全開です。そして今回は映像で見たい、と思う場面も幾つかありますよ。

＞でも私は『クドリャフカの順番』文庫化を待っていて未読なのです。
＞この本も、読むのを楽しみにして年を越すことになりそうです。
＞でも、折木君や小鳩君の話を待っている間は、自分もちょっと青春にもどっているような気がしてますｗ

米澤さんの作品は、一瞬で青春に戻してくれますからね～。待つのも楽しみの一つということですね♪
(2007年12月20日 21時25分13秒)

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Re:遠まわりする雛：米澤穂信(12/19)

＠かぼちゃさん

これはミステリとして読んでも面白いですが、青春小説としても水準が高いですよね～。
奉太郎のモットーも次作でぐらつくのでしょうか？ｗ

話の内容とはあまり関係ないのですが、この表紙ってパッと見た感じミステリフロンティアに似ていませんか？ｗ (2007年12月26日 00時21分48秒)

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Re[1]:遠まわりする雛：米澤穂信(12/19)

samiado さん

＠かぼちゃさん、こんにちは！

＞これはミステリとして読んでも面白いですが、青春小説としても水準が高いですよね～。
＞奉太郎のモットーも次作でぐらつくのでしょうか？ｗ

最後には青春小説と言ってもいいくらいに、ミステリの比重はかなり低くなっていましたね。米澤さんらしさとも言えるのでしょうし、そういうところもかなり好きですが、「奉太郎、おまえもか！」という思いもありましたｗ

＞話の内容とはあまり関係ないのですが、この表紙ってパッと見た感じミステリフロンティアに似ていませんか？ｗ

似ていますね。こういう表紙がミステリフロンティアにあっても違和感ないですｗ (2007年12月26日 09時07分32秒)

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Re:遠まわりする雛：米澤穂信(12/19)

あむあむ108 さん

こんにちは！TBありがとうございました。
私は文庫化を2年半以上、待ったんですね。こちらを訪れて過去の私に会ってしまいましたｗ

文字というものはいいものですね。こうして、過去の自分にも出会えるし、本をめくればたちまち、青春のただ中を走りまわることができます。
このシリーズを読んでいるときは、なんだか自分もセーラー服を着ているような錯覚がしてしまうんですよ。
文庫本の表紙も、シリーズを並べるとなかなかいいですが、やっぱり単行本のこの緑の表紙、美しいですね。深呼吸したくなるようです。
こちらからも、TBさせていただきますね?

(2010年09月07日 23時21分21秒)

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Re[1]:遠まわりする雛：米澤穂信(12/19)

samiado さん

あむあむ108さん、こんにちは！
TBありがとうございます♪

＞私は文庫化を2年半以上、待ったんですね。こちらを訪れて過去の私に会ってしまいましたｗ

もうそんなに経つんですね。時の流れの早さを感じつつ、私も忘れかけていた過去の感想を読み返しました（笑）

＞文字というものはいいものですね。こうして、過去の自分にも出会えるし、本をめくればたちまち、青春のただ中を走りまわることができます。
＞このシリーズを読んでいるときは、なんだか自分もセーラー服を着ているような錯覚がしてしまうんですよ。

そうですね、わかります。一瞬で青春のきらめきの中にいることも可能ですからね♪

＞文庫本の表紙も、シリーズを並べるとなかなかいいですが、やっぱり単行本のこの緑の表紙、美しいですね。深呼吸したくなるようです。

単行本は、読み終えたときの気持ちを表すような表紙でした。文庫版を並べたところも見てみたいですね～。 (2010年09月08日 16時33分49秒)

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