MATRIX7

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2007.01.04
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カテゴリ: 現代社会
 収集家にとって、個人の美術館を建設するのは人生の夢なのだろう。奈良の大和玉仙閣美術館から、丸山応挙の掛け軸など23点が盗難にあった。美術品が盗まれたのは、お宝鑑定団が放映された翌日だというので、番組を見た古美術専門家がさっそく忍び込んだのだろう。応挙の本物は数少ないので、偽物ならば笑って番組が終わりになったはずなのに、番組で本物と鑑定されたことで盗賊団に狙われてしまった。警報装置もない個人美術館の悲劇でもある。
 古美術は秘蔵しておく限り、めったに盗難にあうことはない。本物かどうか判断できないからになる。高価な本物だと判明すれば、公的な美術館に寄贈するのが賢明なのだけれど、本物を手元に置きたがるのが収集家の宿命だろう。それゆえに、美術品の価値が理解できない家族などによって流出することも多い。盗まれた作品でも購入する者がいるのは、古今東西同じである。本物を所有すればするほど、危険なのが収集家の運命になる。誰も気がつかないうちに、古い所蔵庫や倉が空っぽになっていた例もあるので、盗賊団もプロ化している。
 掛け軸の本物は1%もないといわれる平成の世の中だから、真偽を確かめるために鑑定団に出品するのは仕方ない。個人に鑑定してもらうとだまされたり、すりかえられたりして予想外の事態に展開することが多い。所有者以外は偽物と思い込んでいるのが古美術の世界なので、遺産などで残された古美術品は、一山いくらで買い叩かれることが多い。真偽を見極めるには熟練した眼力が必要になるから、古美術収集家の心が休まる日は来ないのかもしれない。それにしても、善意の美術館がこんな目にあうのも時代の流れなのかもしれないが。





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Last updated  2007.01.04 19:11:35
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