イラクに派遣されている米軍は、日常的に兵力不足に泣かされている。アメリカ国内にイラク戦争反対論が強く、派兵を増やすことは難しい。裏側で活躍しているのが警備会社になる。要人の警護や物資運搬などを担当する民間会社がイラクに多数設置されている。イラクには数万人の傭兵部隊が存在し、それによって何とか治安が保たれている。この経費をすべて負担しているのは米軍であり、いずれイラク撤退により、傭兵ビジネスは終わるはずである。そういう展開に仕事を失う軍需産業は抵抗するだろう。
米軍は主に軍事作戦を行うけれど、それだけではイラクの治安を保てない。グリーンゾーンと呼ばれる重要地区の警護や政府要人の護衛には、警備会社のプロが登用されている。多くは元特殊部隊と陸軍出身者で構成されている。正規の兵士との違いは、どこまでも後方支援という役割と多額の報酬になる。1年間勤務すれば1000万円から2000万円の報酬をもらえるので、これを目当てにして命知らずの猛者が南米などから多数参加している。戦闘の危険性は、正規軍に比較すれば低いし、突発する市街戦に巻き込まれることも少ない。金目当てのビジネスと割り切れば、殺人にも罪悪感を感じなくてすむ。
警備会社はさまざまな側面を持っている。傭兵の実態は公開されておらず、どれくらいの兵士がいるのか、どういう任務についているかも不透明になる。武器を使用するのは、攻撃を受けた場合に限定される。ただし、兵士の外観は米兵に類似しているから、ゲリラに襲撃されることも起こりうる。現地のイラク人ではなく、外国人傭兵を使っていると言うのが傭兵の複雑な立場を物語る。警備などをイラク人を委託するところまで到達していない。
イラクの傭兵の実態はわからない。多くの傭兵が死傷しているはずだが、活動の詳細は明らかになっていない。どこまでもビジネスとして割り切って行われている。米軍から多額の報酬が警備会社に支払われているはずだが、実態は闇の中に閉ざされている。要するに、傭兵ビジネスの裏側で何が行われているかを知るすべがない。さまざまな闇黒部分が生まれてくても見ることができない。傭兵ビジネスは、新たな戦争請負人として誕生している。消すことは難しい。世界中から集めた腕利きを生かすだけの洗浄が必要になる。イラクの次はアフガニスタンと呼ばれる理由だろう。
アフガニスタンではさまざまな政治情勢が渦巻いていて、政府ですら一枚岩ではない。南部地方は政府の権限が及んでいない。そこには屈強なパシュトン人が待ち構えている。パシュトン人を甘く見てはいけない。彼らはアフガニスタンから英国とソ連を追放したことを誇りに思っている。自分たちの強さに自信を持っている。そしてこれを支援するアラブ勢力も世界各地に存在する。アフガニスタンは本格的な反政府ゲリラが存在し、それを支援する国や地域も多い。タリバンは強硬派が残存していて、政治的な妥協が不可能になっている。NATO軍すら行動を制約されているアフガニスタンで、傭兵ビジネスは存在感を試されることになる。おそらく、相当の犠牲を払うことになるだろう。
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