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安倍元総理の銃撃事件をめぐって、高村薫の文章が『日本海新聞』を含む複数の地方紙に掲載されましたので、これも全文を紹介します。
事件と功罪、分けて判断を 高村 薫
安倍晋三元首相が演説中に銃撃されて命を失うという劇的な事件に、国民は過剰反応し、興奮状態にある。日本では死者にむち打つなという風潮が強いが、 民主主義を軽んじる振る舞いを繰り返した安倍氏の功罪は、冷静に判断されるべきだ。
安倍氏の国会軽視は甚だしかった 。 うその答弁を積み重ね、憲法に基づき野党が臨時国会召集求めてもはねつけた。 憲法9条の解釈を変更し、 集団的自衛権を容認する閣議決定のために、内閣法制局長官を自分にとって都合の良い人物に代えさえした 。
そうした手法がもたらした最悪の形が、学校法人 「森友学園」への国有地払い下げに端を発した財務省の公文書改ざん問題 だった。元首相の名を冠した 「アベノミクス」は進めることもやめることもできず、着地点を見失っている 。
自分と考えを同じくする人と、それ以外とを区別し、多様性を認めない非民主主義的な手法は政治をゆがめた。だが、(このたびの)事件は一定の批判すら吹き飛ばしてしまった。 こうした過剰反応こそ民主主義への脅威だ 。事件と安倍氏の功罪を分けて考えることこそ、民主主義国家のあるべき姿のはずだ。
事件では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍氏の関係が取り沙汰されている。 信者からの過剰な献金など、多くの問題を引き起こしてきた団体であり、ビデオメッセージを送るなどの行いは、あまりに無定見だったのではないか 。 犯行は容認できないが、信者の子ども世代の生きづらさ、苦しみを強く感じる 。
恨みを持つ犯人の前に大物政治家が現れ、警備が十分にできていなかったために事件は起きた。強烈な殺意を抱き、銃を自作するなど周到な準備をしていた点は、 2019 年の京都アニメ―ション放火殺人事件や 21 年の大阪・北新地のビル放火殺人事件に通じる。
いずれの事件も、疎外されたら浮かび上がれない社会のありようが底流にあるように思える 。原因がなくならない限り、同様の事件が繰り返されるリスクはある。
〔 comment 〕
安倍元総理の「国会軽視」「民主主義軽視」の問題点が簡潔に(小出さんよりも冷静に)述べられています。付け加えていうと「国境なき記者団」の示す報道の自由度ランキングが民主党時代の11位から 安倍菅長期政権によってG7最悪の71位まで下落してしまった ことも負の遺産というべきでしょう。
もちろん、直接的な圧力だけでなく、報道機関が「自主規制」する方向にうまく誘導してきた面もあると考えています。銃撃事件後の「安倍賛美報道」の大部分も集団同調的な「自主規制」というべきものでしょう。さすがに報道特集などは、参院選前日に、「モリカケ桜」を含めた罪にも触れていましたが、ほとんどの番組は観るに耐えないものでした。未来を少しでも明るいものにしていくためには、忖度や賛美ではなく「冷徹な検証」こそ必要であるにも関わらず。
確かに海外の政府関係者が哀悼の意を表するのは仕方がないでしょう。例えば、 イスラエルのラピド首相も、ツイッターに「彼は、現代のイスラエルと日本の関係において、重要な立役者でした」という言葉 を投稿しました。
しかし、 イスラエルとの関係強化をめぐるいきさつには重大な問題がありました 。当時「報道写真家の後藤さんがISに拘束されていること」を知りながら、 安倍首相(当時)がイスラエルまでわざわざ行って「イスラム国と戦う国々への支援」を表明した(外務官僚の反対を押し切って何ら緊急性のない外遊を強行した) 結果が、 後藤さんたちの殺害 だったのです。あの時のことは今でも鮮明に記憶にありますが、本当に許し難いことだったと思っています。
〔(歴史修正主義者、右翼的な政治家としてオバマ大統領に嫌われていた安倍総理が)ユダヤ系ロビーの歓心を買うことによって、米議会での演説を実現しようと目論んでいたという状況証拠がある。〕
というのは、この外遊中にホロコースト記念館を見学した安倍総理(当時)は、 米国のマケイン議員(ユダヤ系ロビーとのつながりが強い)に対して、「米国議会での演説を実現するよう強く要請した」 ということが読売新聞(当時)の記事になっているのです。さすがにこの記事は net 上に残ってはいませんが、この外遊中に イスラエルのネタニヤフ首相だけでなく、米国のマケイン議員との会談を行った ことは 外務省のHPにも明記されています 。
「米議会での演説という自分の野望」のために、人質の命を危険に晒す決定的な行動をしているわけですから、「そんなことを平気でする奴は人間のクズだ!」と断言した
いくらいです。
https://newsshshouron.blog.ss-blog.jp/2017-10-26-6
ただ、このような「私自身の故人への評価」とは別次元で、 「国葬」にはすべきでない
と考えています。 前川喜平(元文科省事務次官)
の文章です。
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