「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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逆不倫日記
2008.04.25
怖い話
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急に思い出したので過去にあった怖い話を書き記しておこうと思う
あれは・・・結婚する前の話だから24.5歳の頃の話だと思う。
20歳ころから30過ぎて離婚するまで、「彼女」というか、付き合ってる人は常にいた。
だから、この頃も彼女はいた。
富山に住んで初期の中期の頃だろうから、富山に住むきっかけになった同い年の女性と、付き合っていたはず。
しかも半同棲状態だったと思う。
ただ、泊まる日がしっかり決まっていたはずだ。
彼女は山奥のホテルに勤めていて、3,4日働いて街に下りてきて実家帰るか、僕のアパートに泊まるかしていた。
だから安心して浮気できたと思う。
同じ歳くらいの同僚がいつも入り浸っていて、一緒に遊んでいた。
やんちゃな盛りだし、半分、子供みたいなもんだから、ファミコンとかもしてた。
でもやっぱりやりたい盛りだったから遊ぶと言えば女だ。
しかしみんな彼女持ち。
変に街でナンパ(渋谷や池袋みたいにはできないが)とかこんな狭い区域で合コンとかやった日には、どこからどう彼女に伝わるかわからない。
僕らのひそかでいやらしい遊びは当時、ツーショットダイヤルだった。
出会い系どころか、携帯電話の普及もまだだった。
仲間にたまたまNTTで働いてる人の息子がいて、誰よりも早く、PHSを持ったか持ってないか・・・くらいの時代だった。
ツーショットと言ってもダイヤルQ2など危ないものには手を出さない。
先にプリペイドカードは3000円くらいで買って、暗証番号を入れると、ポイント分、どこかの誰かと電話が自宅でつながるというシステムだった。
その頃は、それが楽しくていろいろ遊んでいた。
女と約束をつけ、待ち合わせが決まったら会いに行っていた。
うまくいったら帰ってこない・・・が大抵は玉砕して帰ってきてた。
すっぽかしが多かった。それでも10回に1回くらいは会えた。
また、うまくいかなくてもそのエピソードが楽しくて、また、仲間内で語っていた。
電話は交代でとって、約束した本人が行くようになっていた。
その夜・・・
いつものように電話がつながった。
「もしもし・・・」
「もし・・・」
それほど若くはなさそうな声だ。
しかも常連で、暇つぶし・・・のような雰囲気ではない。
こういう女は見かけや歳は別として、「やれる」と直感していた。
しばらく話して・・・
周りの車の音が近いことに気づいた。
「もしかして。公衆電話?」
「うん」
これは絶対やれる!!確信した。
女性はフリーダイヤルなので公衆電話でもしゃべり放題だ。
「じゃあ、会おうよ」
「いいですよ」
彼女の話を聞いてるうちに、彼女のしゃべっている公衆電話はアパートの近所だということが判明した。アパートの前の道は街中へ向かう国道のバイパスみたいになっていて、交通量は朝も夕も激しかった。
夜はスピードを出す車やバイクが多く、軽くカーブになっているので、よく事故がおきていた。
その脇の電話BOX。歩いても行ける距離だったが、僕はラブホに行くことも考えて、車で行った。
道の左側だったので、見つけるのは早い。
遠めに見て、中にだれかいるのがわかる。
夜はとばす車が多いのは、交通量は少ないからだ。
たぶん、夜の10時は過ぎていただろう・・・
ボーっと夜に浮かび上がった、四角いBOXの中に白い塊が見える。
(いるいる)
どうしてそんなところにいるのか、考えもせず、僕は喜んでいた。
昼間でも人は歩いていない場所だ。
何もないわけではなく車社会だから。
車がないと目的地まで歩くような場所ではない。
あえて言うと、近所の人が歩いていける距離の場所に行くだけ。
僕は車を停めた。
どきどき感を高めるため、近くに来るまで顔は見ない。
彼女に車の色など伝えているので、ハザードを点けた僕の車に近づいてくる。
・・・ちょっと違和感を感じた。
よく見ていなかったけど、まず、衣服がひらひら過ぎる・・・
昔でいうネグリジェのような・・・
僕は正面を見ていた。
横目に、BOXから人が出てきて、ガードレールで間を仕切られていたので、少し遠回りして近づいてくる・・・がその動きが妙にぎくしゃくしていた。
ぎくしゃく????
たとえようがなかったけれど、ビデオのコマ送りのような感じで動くひらひらとした物体が近づいてきた。
僕の車の横に立って、しばらく見ている。
僕は正面を見たまま。乗ってくるのを待っていた。
なんにせよ、女だ。やれる!!そのパワーだけは強かった。
女は助手席のドアを開け、「電話の人?」と聞いてくる。
受話器越しよりもしわがれた声だった。
声だけで言うと、40歳くらいの歳に思えた。
24.5の自分に比べるとかなりおばさんだ。
「うん」
それでもやりたいパワーは強い。
「乗っていい?」
「どうぞ」
今までの経験上、その瞬間、99%エッチへの道へ進んでいるのは間違いなかった。
最初に、木の棒が入ってきた。
?????
一瞬何が起こったのかわからなかった。
人でなくて木の棒が入ってきて、それから人が入ってきた。
全部入ってきてから気づいた、松葉杖だ。
そう、彼女は怪我人だったのだ、どっちの足か忘れたけれど、ギブズがはめられ、包帯をしていた。
衣服は、入院患者のようだった。
髪の毛は今で言うと貞子のように長くて、ザンバラだった。
年齢は不詳・・・若くはなかった。
僕は車を走らせた。
まだ、こころのどこかにえっちパワーが残っていた。
「どこに行く?」
「どこでもいいよ」
・・・・会話が泊まった。
普通にラブホに行ってしまうのだが・・・気になった。
「その足、どうしたの?」
僕はまだ、彼女を直視しない。
「ちょっと、怪我して」
「大丈夫なの?」
「何が?」
えっちして・・・と続けるのをやめた。
彼女はずっとうつむいたままだ。
髪の毛は下に落ちている。
「うちまで送ろうか?」
もう、この時点でやるのはあきらめていた。
「南富山にお姉さんがいるの」
そのあとの会話はよく覚えていないが、たぶん、お姉さんの生い立ちみたいな話を聞いたと思う。
「お姉さんの家まで送ってほしい」
「わかりました」
南富山なら歩いては行けない。
どうしてあんな場所にいたのか聞いたら、僕と電話つながる前に会った人に捨てられたみたいなことを言っていた。
うーん。確かに怖いけど、捨てたらもっと怖いだろうに。
「私、死人みたいなもんだから」
と意味不明なことを言ってたが、声が電話からだんだん、老化しているような気がしていた。
さっき、会ってからも、どんどんおばあさんになっているような・・・
結局、一回も直視できないまま、南富山という場所についた。
路面電車の最終の駅がある場所だった。
彼女の指差す方向まで、車を走らせる。
ちらっと見たその指はしわがれていて、震えていた。
そもそもそれが指だったのかどうかさえも覚えていないが、僕は彼女を早くおろしたかった。
ある、家の前で彼女は下ろしてくれと言った。
「ここが姉さんの家なの」
細い道に面していて、門や庭などはなく、玄関がそのまま面していた。
横には細くて暗い路地が延びていた。
玄関は引き戸ですりガラスになっていたが、電気は消えていた。
彼女は確かにこのドアを指差した。
僕が車を停めた頃には彼女はすっかりおばあさんになっていた。
直視したわけではない。言動、仕草・・・大きさも小さくなってるように思える。
「姉さん・・・死んじゃってる」
意味不明なことを言って彼女は下りた。僕はすぐに走り出さず、ゆっくりとバックした。
ユーターンできる場所を探していた。
どうしても彼女が目に入る。
カク カク とした動きで松葉杖を操りながら、そのドアを・・・・
開けずに、その横の路地に吸い込まれていった。
僕はユーターンできる場所がないことを知り、先がどんな道になっているかわからないけれど、進むことにした。
その時にどうしてもその路地を見てしまう。
時間は一瞬だったが、路地の奥は真っ暗ではなく、意外に奥行きがあった。
突き当たりは見えなかったが、彼女は消えていた。
僕は不思議な思いをしたと、そして時間の無駄だったと、悔しがりながら、またアパートに帰った。
友達に、この変な話を早く伝えたくて、結構、車を飛ばして帰った。
そして、南富山からアパートに近づく。
あの、電話BOXが遠めに見えた。
電話BOXの向こうはもうアパートだ。
信号は、青か点滅の黄色ばかりで、夜は走りやすい。
最初と逆なので、BOXは右側に見える。
何気なく、電話BOXを見たら・・・
白いひらひらの服を着た、おばあさんが、電話をかけていた。
とてもじゃないが、先回りできる時間ではない。
何だったのか???
生きてたの?死んでたの?
どっちがお姉さん?
わからないまま、今に至ります。
おわり
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Last updated 2008.04.25 16:16:07
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